
前回、肩こりや首こりの主な原因は血流の悪さにあること、「スマホ首」とも呼ばれるストレートネックが首や肩の筋肉に負担をかけて、こりを悪化させていることがわかりました。
「肩こり、首こりを緩和するには、その部分を温めて血行をよくすること。また、関節を動かさずに筋肉に力を入れる『アイソメトリック運動』というごく簡単なトレーニングも効果抜群です。いずれも “ながら”でできるので、ぜひ取り入れてください」(石原新菜先生)
全身の血流促進には入浴が有効ですが、日中にピンポイントで患部の血行をよくするには、使い捨てカイロがおすすめです。
「肩甲骨の間に使い捨てカイロを貼ると、肩の血流が改善して症状がやわらぎます。また、初期の風邪であれば、これだけで食い止られることもあります。私も『なんとなく喉に違和感があるな』と感じる日は、肩甲骨の間にカイロを貼ってしのいでいます」(石原先生)
肩こりに湿布を貼る人もいますが、冷たい湿布は逆効果だとも。
「冷湿布が効くのは、急に肩を使いすぎるなどして痛みが出た急性炎症の場合。こりは血流の悪化からきている慢性炎症なので、冷やすのではなく温めてください」(石原先生)
もう1つ、こりを予防・改善できる方法が、アイソメトリック運動です。
アイソメトリック運動とは、関節の角度を変えずに筋肉に力を入れるトレーニングのこと。関節への負担を抑えながら効率よく筋肉を刺激でき、血流が改善します。場所をとらず、家事や仕事のすきま時間に行えるのも魅力です。
「毎日少しずつ続けることで代謝が上がって冷えにくくなり、肩こりや首こりも軽くなります」(石原先生)
②両手の指を頭の後ろで組み、外側に7秒間引っ張る。①②を1日に数回行うと、短時間で効率的に背中や二の腕の筋肉を刺激できる。
スマホを見るとき、首が前へ出て背中が丸まっていると、本来あるはずの首の骨(頚椎)のカーブがなくなるストレートネックに。「スマホ首」とも呼ばれる状態で、首や肩の筋肉に負担がかかることは、前回お話ししたとおりです。
「スマホを見るときは目の高さまで持ち上げて見る、パソコン作業時は椅子や机の高さを調整して猫背にならないようにするなど、よい姿勢を保つことを心がけましょう。背筋を伸ばせば、首ではなく体幹で頭を支えられるようになります」(石原先生)
作業の合間に椅子から立ち上がって歩いたり、背伸びをしたりして全身の血流をスムーズにすることも忘れずに。
「肩こり対策としては葛根湯もおすすめです」と石原先生。風邪の初期に飲むイメージがある葛根湯ですが、実はこりや痛みにも効くといいます。
「葛根湯は文字どおり、クズの根などの植物が主成分で、上半身の血流を促進する作用があります。風邪薬の印象がありますが、それは頭痛や発熱、鼻炎といった上半身の症状に効くため。筋肉のこわばりも緩和するので、肩こりや首こりが楽になりますよ」
肩こり・首こりに悩む人は、常備しておくとよさそうです。
*次回は目の疲れについてお伝えします。
イラスト/二階堂ちはる 写真/PIXTA