
疲れ、冷え、不眠…etc.「なんとなく不調」の改善法(3) 女性に多い「なんとなく不調」。病気ではないものの体調がすぐれず、痛みや不快感を抱えている状態を指します。今回は、寝ても取れない疲れやだるさについて、医師の石原新菜先生に伺います。連載一覧はこちら>>
起きた瞬間から疲れている、外出した翌日は1日ぐったり……。そんな経験が思い当たる人も多いのではないでしょうか。
こうした自覚症状について、医師の石原新菜先生は「個人差はありますが」と前置きしたうえで、次のように話します。
しかし、「寝ても疲れがとれない」「寝つけない、眠りが浅い」という声もあります。
「寝る時間を確保しているのに疲れる場合は、睡眠の質が低い可能性があります。日中のストレスや生活習慣が原因で自律神経のバランスが乱れると、リラックスできずに眠りが浅くなってしまうのです。眠りたいのに寝つけない場合も同様です」(石原先生)
自律神経には、日中の活動時に優位になる「交感神経」と、休息時に優位になる「副交感神経」の2つがあります。睡眠時には副交感神経の働きが高まり、体をリラックスさせて眠りへと導きますが、肉体的・精神的なストレスがかかると交感神経がたかぶりすぎて副交感神経への切り替えができず、眠りの質が低下します。
自律神経の切り替えをスムーズに行うためには、夕方から交感神経が高くなる状況を避け、副交感神経を優位にするような工夫をすることが大切です。
「夕方から寝る前にかけては、強い光による刺激を避けること。特にスマホ画面を見ることは、交感神経がたかぶるので避けましょう。副交感神経の働きを高めるには、ぬるめのお風呂に10~15分ほど浸かって血流をよくすると効果的です」(石原先生)
暑い時期でも、エアコンの効いた室内にいて体が冷えているケースは意外と多いもの。お風呂で温まると血行が促進して疲れがとれ、良い睡眠につながるため、夏でも湯船に浸かりましょう。
また、東洋医学では体質的に元気な人と、そうでない人がいると石原先生はいいます。
「連載初回で、東洋医学の基本的な概念である『気・血・水』という3つの要素の話をしましたが、このなかの『気』が生まれつき少ない人がいます。気は元気の気という字でもあるように、生命エネルギーのことで、3要素のなかでも特に大事なもの。これが不足している状態を『気虚』(ききょ)といいますが、気が少ないと血も水もうまく巡らなくなり、不調に陥ってしまいます」

いつも元気で声が大きく、食欲旺盛で、睡眠時間が短くても活動できる人は、生まれつき気が充実しているタイプ。
一方、風邪を引きやすく、声も小さく、食欲不振や胃腸の不調を抱えやすい人は、生まれつき気が不足しているタイプです。
「もともと気虚の体質の人は、常に『なんとなく不調』を感じているような状態。疲れやだるさのほか、やる気が出ない、気分が落ち込むといったメンタル不調を抱えやすい傾向があります。とはいえ、悲観することはありません。先天的に気が不足していても、食事の工夫や運動を取り入れて後天的に気を養い、疲れにくい体を作ることはできます」(石原先生)
疲れを改善する食べ物や、体力をつける運動習慣については、次の記事でお伝えします。
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