
疲れ、冷え、不眠…etc.「なんとなく不調」の改善法(2) 病気ではないけれど元気でもない「なんとなく不調」。疲れや冷え、むくみなどが男性より女性に出やすい理由について、医師の石原新菜先生が解説します。連載一覧はこちら>>
疲れやすい、肩こりがひどい、冷えやむくみがある、頭痛持ち……。こうした「なんとなく不調」を訴える人は、男性より女性に多い傾向があります。
内閣府が実施した下記の調査でも、体調不良を感じる割合は男性に比べて女性のほうが高く、特に「手足の冷え、むくみ、だるさ」「肩こり、関節痛」「頭痛、めまい、耳鳴り」については男女差が大きく開く結果に。
女性が男性と比べてなんとなく不調を感じやすい理由の1つが、筋肉量にあります。
体の熱産生の約40%は筋肉が担っていて、筋肉が動くことでエネルギーが作られ、体温が上がります。女性は男性と比べて筋肉量が少ないために熱が作られにくく、基礎代謝も低くなりがちです。
熱が産生されず基礎代謝も上がらないと、疲れやすさや冷え、便秘や不眠といった不調につながります。また、体温が低いことで免疫力が低下し、すぐに風邪を引くなど体調を崩しやすくなります。
もう1つ、女性の体調に大きな影響を与えるのが女性ホルモンです。
「月経がある女性は1カ月の中で、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2つの女性ホルモンの影響を受けます。月経周期の前半はエストロゲンが大量に分泌され、後半はプロゲステロンが増加。こうした大きな変化がひと月の中で起こるため、その影響で体調を崩す女性も少なくありません」と石原先生。
また、一般的に40代後半からはエストロゲンの分泌量が低下し始め、50歳前後で閉経を迎えます。閉経を挟んだ前後5年を更年期と呼びますが、この約10年間は女性の体にさまざまな不調が現れやすい時期でもあります。
■女性ホルモン(エストロゲン)分泌量の変化

更年期不調はエストロゲンの乱高下や、それによって自律神経が乱れることで起こりますが、「東洋医学では別の考え方もある」と石原先生はいいます。
「東洋医学では、月経があるときは、子宮や卵巣に血液をたくさん送るために下半身にしっかり血液が巡っていると捉えます。しかし、閉経すると、今まで下半身に行っていた血液が上半身に上がってきてしまう、とされているんですね。だからホットフラッシュや動悸、イライラや不眠といった症状が出る。これを『昇症』(しょうしょう)といいます」
いずれの見立てでも、更年期の女性はなんとなく不調に陥りやすい状態ということがわかります。
ここまで述べたとおり、女性は体格やホルモンのゆらぎといった生物学的要因によって、男性と比べ不調を感じやすい傾向があることがわかりました。
「だからこそ、体調の振れ幅をできるだけ小さくするように意識することが大切です」と石原先生。
「前回もお伝えしたように、睡眠、運動、食事に気を配ること。また、女性はホルモンバランスの変化に加え、ライフステージによって環境や役割が変わるなど、女性特有のストレスを抱えがちです。意識的にストレスを発散することも、なんとなく不調の予防・改善につながります」
*次回は「疲れとだるさ」について解説します。
写真/PIXTA