知っておきたい女性のからだと健康 第6回(前編)首や肩、手や足、腰、股関節、膝などの痛みが気になっていませんか。年齢を重ねることによって起こる関節の生理的な変化、関節の痛みの原因やその予防法について、Dr.KAKUKO スポーツクリニック院長の中村格子先生に伺います。
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「関節の痛み」
お話を伺った方
Dr. KAKUKO スポーツクリニック院長
中村格子先生

なかむら・かくこ 整形外科医、医学博士、スポーツドクター。横浜市立大学医学部卒業。同大学附属病院等を経て、2014年に開業。「健康であることは美しい」をモットーに、長年の臨床経験から老若男女を問わず安心して取り組める独自のエクササイズを提案。著書多数。『大人のラジオ体操』(講談社)はシリーズ累計83万部を超えるロングベストセラー。
骨や軟骨、関節包、筋肉、靭帯や腱が傷つくと痛みが出る
関節の構造は、部位によって異なります。肩や股関節はさまざまな方向に動かせる球関節、膝や手の指は一方向にのみ動く蝶番(ちょうつがい)関節、肘は回転して動く車軸関節と、関節の構造はその動きや機能を決定しています。
ほぼすべての関節に共通しているのは、先端の出っ張った骨(関節頭)と、それに向かい合う先端がくぼんだ骨(関節窩)、これらの骨を包む関節包から構成されていることです。また、関節内の骨の表面には軟骨があり、クッションの役割を果たしています。
関節には筋肉が関節を形成する骨をまたぐようについていて、梃子(てこ)の原理で関節を動かします。さらに、筋肉を骨にしっかり留めて動きをスムーズにする腱や靭帯もあります。
関節の痛みはこれらの組織のどこかが傷ついたときに起こります。関節に痛みが生じると姿勢が悪くなりやすく、また、姿勢が悪くなると関節に痛みが出やすくなります。
中村先生は、「関節は加齢によって自然に衰えると考えている人が多いように思います。関節痛で整形外科を受診したときに“年のせいですね”といわれた方もいるかもしれません。もちろん加齢は大きな要因ではありますが、関節はよく使えばそれだけ痛みも出やすくなります。
ですから、年を重ねると誰でも関節痛が出るのではなく、生活や運動の習慣、職業、もともとの体型、関節や筋肉の硬さなどが関係していて個人差があるのです。また、関節痛が発生する部位や発症時期、症状、悪化するかどうかも人それぞれです」と話します。
若いときには軟骨や筋肉、靭帯、腱といった支持組織がしっかりしているため、関節への負荷が少ないのですが、それでも「若いトップアスリートでも運動のしすぎによって軟骨がすり減るなどして痛みが取れなくなる人もいます」と中村先生は説明します。
Check!気になるサインはありませんか 関節の痛みを招きやすい体型や生活習慣、症状や体質
[ ]姿勢が悪くなった、姿勢が悪いといわれた
[ ]仕事で同じ姿勢でいる時間が長い(デスクワーク、立ち仕事など)
[ ]運動の習慣がない
[ ]過度の運動などで関節や筋肉を痛めたことがある
[ ]歩き始めや階段の上り下りで、膝や股関節、腰が痛くなることがある
[ ]歩くときに左右に揺れる、あるいは揺れているといわれた
[ ]脊柱側弯症や脊柱後弯症と診断されている
[ ]おなかがぽっこりと出ている
[ ]床に座って脚を開いたり、膝を曲げたりすると左右の曲がり方が大きく異なる
[ ]先天性股関節症であった
[ ]重い荷物をいつも同じ側の肩や腕にかける
[ ]正座をすることが多い
[ ]O脚である
[ ]外反母趾である
[ ]長時間歩いた後に足の指のつけ根や足の裏がよく痛くなる
[ ]雨が降る前など天気が変化するときに関節が重くなる感じがする
[ ]母親や祖母が重い関節の痛みで悩んだことがある
(後編へ続く。)
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