知っておきたい女性のからだと健康 第4回(1)ふだん話題にすることが少ない便や排便習慣のこと。排便ケアを専門とし、また多くの専門家を育てている保健師の榊原千秋先生は、「便は食べ物や運動など日常の生活が反映される“生活の答え合わせ”」と話します。榊原先生に便のよしあしの見分け方、よい排便習慣のつけ方について伺います。
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「よい排便習慣」
[お話を伺った方]合同会社プラスぽぽぽ うんこ文化センターおまかせうんチッチ代表 一般社団法人 日本うんこ文化学会代表理事
榊原千秋先生
さかきばら・ちあき 保健師、助産師、看護師。金沢大学大学院医学系研究科にて博士号を取得(保健学博士)。在宅介護支援センター、金沢大学教員等を経て、2015年に設立した合同会社「プラスぽぽぽ」の事業として医療者向けのPOOマスター養成研修会などを実施。経営する訪問看護ステーション、訪問介護ステーション、居宅介護支援事業所、ホームホスピスでは気持ちよく出す排泄ケアを実践する。
においのしないバナナ状の便を気持ちよく出したい
よい便、よい排便習慣とはどんなものでしょうか。排便ケアに詳しい保健師の榊原千秋先生は、便の性状や色、におい、量、排便周期が重要で、「何よりも気持ちよく出せることが大切」と話します。
便の性状の医学的な評価には英国ブリストル大学が公表した「ブリストル便性状スケール」(下)が使われており、日常でも参考になります。「スケール3〜5の“普通便”が続くのがいいですね。直腸は15センチほどで、その長さを考えると10センチ以上のバナナ状の便が出ると爽快感を得られます。コロコロした便や水様便では排便の気持ちよさを得られません」。

便は、胆汁に含まれるビリルビンに飲食物が混じって反応した黄褐色や茶褐色で、水分が多いほど色が薄くなります。においは「健康な状態であれば、ほとんど感じません。悪臭がするのは腸内細菌のバランスが崩れていると考えられます。食生活の改善が必要です」。
排便周期は、気持ちよく出せる回数が毎日複数回の人もいれば、5日に1回の人もいるとのこと。「毎日出ないと便秘だと思う人が多いのですが、快便であれば頻度はそれほど気にしなくていいのです。逆に、毎日出ていても排便に苦痛を伴うとき、残便感があるときには便秘のことがあります」。
便は腸のぜん動によって移動しながら徐々に硬くなる
口から肛門までは一本の管になっています。胃に入った飲食物は消化され、十二指腸で膵液や胆汁といった消化液と混ざり、小腸に送られます。小腸ではさらに消化が進み、栄養分を吸収します。続く大腸では飲食物の残りかすから便を作り、水分を吸収します。便には、はがれた腸粘膜、腸内細菌やその死骸も多く含まれています。
便は腸のぜん動運動によって押し出され、小腸に近い上行結腸では液状、横行結腸では粥状、下行結腸では半固形状、S状結腸では固形状と変わっていきます。そして、直腸の入り口に達して直腸壁を広げたときに便意を感じ、排便に至ります。「胃に食物が入ったときには胃結腸反射によって大きなぜん動が起こるため、便意を感じることがよくあります」。
(次回へ続く。)
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