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C・W ニコルさんに「日本の森を守る」と誓わせた、美しきブナの原生林との出会い

2020.06.19

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春夏秋冬雄大な景色を旅する 日本の絶景遺産 第2回(全13回) 豊かな自然に恵まれた日本には、絶景の名にふさわしい、感動を呼ぶ風景が数多くあります。未来に伝えたい“絶景遺産”を美しい写真でご紹介、今改めて“美しい国、日本”をお届けします。前回の記事はこちら>>

外国人著述家が愛する
“次世代に伝えたい風景”


日本に残る自然と調和した歴史ある町並みや昔ながらの民家、手つかずの原生林……。外からの目が、私たちに気づかせてくれます。それが、世界でも類を見ない、かけがえのない美しい風景であることを。

ブナの原生林C・W ニコルさんも足を踏み入れた、鳥海山のふもとにあるブナの原生林。

日本の森を守ると決めた

ブナの原生林との出会い
【長野県・黒姫山、秋田県・鳥海山】
──C・W ニコルさん


もう何十年も前のこと、1960年代の日本で、私は鬱蒼(うっそう)としたブナの森を歩いていた。樹木の霊気に包まれた私の胸に、かつて経験したことのない不思議な感動がこみあげてきた。私はその場に立ちつくしたまま、頰を伝う涙をぬぐうことも忘れていた。

ここはエデンの園なのか。はるか昔のブリテン島で、ケルト人の心を熱くしたのはこの感動だったのだろうか。〈中略〉

ブナの森黒姫山と野尻湖の周囲に広がる新緑のブナの森。

ケルト系日本人の年老いたアカオニにとって、森からもらった最高のプレゼントは森との一体感だ。私の死後も森は生き続けてくれる。そう考えただけで心は安らかになる。

この一人の異邦人はやっと帰るべき故郷を得た。正真正銘の日本の国民になれたのだ。

(『誇り高き日本人でいたい』より)

C・W ニコルさん「アファンの森」弥生池の奥にあるブナの木を抱くC・W ニコルさん。

C・W ニコル(1940~2020年)
イギリス・ウェールズ生まれ。作家、環境保護活動家。1980年に黒姫に移り住み、森の再生活動を始める。豊かに甦った森は「アファンの森」と名付けられた。2002年5月、「一般財団法人C.W.ニコル・アファンの森財団」を設立。

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〔特集〕春夏秋冬雄大な景色を旅する 日本の絶景遺産(全13回)

写真/アイノア=縄手英樹 イメージナビ・アイノア=山口博之 撮影/南 健二
※誌面で紹介した絶景は、季節や気象条件などにより見られない場合があります。ご了承ください。

『家庭画報』2020年7月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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