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篝火に照らされる、鵜匠と鵜の絆【残したい日本の音風景・5月】文/細野晴臣

2020.03.31

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5月 長良川の鵜飼




文/細野晴臣

長良川の鵜飼は1300年以上続く鮎漁で、鵜匠に訓練された「鵜」が鮎を鵜呑みにする。船に仕掛けられた美しい篝火に鮎が集まるのだ。


鵜飼は前世紀から世界中で行われていたらしい。中国の桂林では今でも素朴な鵜飼が続いている。

その素朴さも貴重だが、長良川の鵜飼は日本書紀の時代から時を経て洗練され、その格調の高さは比類がない。

捕獲された鮎は神事としての供物であり、めったに庶民の口には入らないという。鵜飼のルーツは定かではないが、故事にはペリカンが人に懐き、自分で捕らえた魚を人に運んで来たとある。

そういえば鵜の鳴き声は祖先とされるペリカンを思い起こさせる。少しユーモラスな低めの声だ。

鳥を使った漁業は鵜飼だけではなかった。つい最近まで瀬戸内海ではアビ(阿比・Loon)が漁の手伝いをしていたという。アビが夜の水辺で鳴く声は世界一哀しい。

上のバナーをクリックすると、実際の音を聴くことができます。

細野晴臣(ほその・はるおみ)



音楽家

1947年東京生まれ。1969年「エイプリル・フール」でデビュー。1970年「はっぴいえんど」結成。73年ソロ活動を開始、同時に「ティン・パン・アレー」としても活動。78年「イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)」を結成、歌謡界での楽曲提供を手掛けプロデューサー、レーベル主宰者としても活動。YMO散開後は、ワールドミュージック、アンビエント、エレクトロニカを探求、作曲・プロデュースなど多岐にわたり活動。
公式サイト www.hosonoharuomi.jp
出典・音響提供/環境省「残したい“日本の音風景100選”」 写真/岐阜県

※こちらの音は、公益社団法人日本騒音制御工学会ホームページ「日本の音風景100選/サウンドライブラリ」からも聴くことができます。

『家庭画報』2020年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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