〔特集〕絶景と美食、非日常へと誘う 日本を旅する感動列車 世界でも類を見ない多様さと、ホスピタリティが息づいている日本の観光列車。家庭画報本誌では、乗車して初めて出合える「絶景・美食・おもてなし」を兼ね備えた列車を敬意とともに「感動列車」と命名。まだ見ぬ日本の美しさを再発見する旅へ鉄道写真家・櫻井 寛さんの解説とともにご案内します。
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移動レストランで忘れられない味に出合う
美食列車の秘密
名だたるシェフが手がける料理を、移りゆく窓の景色とともに楽しめる “美食列車”。沿線の食材をふんだんに用いた、その土地ならではの美味に出合えるのも魅力の一つです。車内でできたてのおいしさを届ける秘密は、シェフと列車の二人三脚の努力の結晶です。
東北の恵みを五感で満喫
TOHOKU EMOTION
[八戸駅(青森県)← → 久慈駅(岩手県)]
三陸海岸を眺めながら食事ができるオープンダイニング。照明は岩手・久慈の名産である琥珀、什器の仕上げ材は宮城・石巻の雄勝硯(おがつすずり)をモチーフにし、しつらいからも東北の魅力を感じる。写真/JR東日本
櫻井memo東日本大震災からの復興と地域活性のために登場した東北レストラン鉄道「東北エモーション」。八戸~久慈間を往復し、往路はランチコース、復路はスイーツ食べ放題のデザート&アフタヌーンティー。甘党にはたまらない、エモーション(感動)列車。
移りゆく大自然を眺めながら、東北への愛が込められた料理をいただくひととき――。東日本大震災で大きな被害を受けたJR八戸線。復興支援と地域活性化を願い、この「走るレストラン」は生まれました。
車体をキャンバスに見立て、「走るレストラン」をイメージしてレンガを描いた外観デザイン。大海原の青と列車の白のコントラストが美しい。写真/JR東日本
車内にはライブキッチンを完備し、できたてを提供。往路では東北に縁のあるシェフが監修する料理、復路ではホテルメトロポリタン盛岡の熊谷崇さんのスイーツを存分に楽しめます。
ライブキッチンで提供されるデザートブッフェ。季節ごとに替わるスイーツを好きなだけ。写真/JR東日本
2026年5月から9月まで往路の料理を担当するのはふかひれ料理専門店「気仙沼 KUROMORI」の黒森洋司さんです。
黒森洋司シェフ(くろもり・ようじ)1976年神奈川県生まれ、北海道育ち。広東料理店「福臨門魚翅海鮮酒家(ふくりんもんぎょしかいせんしゅか)二子玉川店」でグループ初の日本人料理長に就任。2011年に仙台に移住し「楽・食・健・美 -KUROMORI- 」をオープン。2025年からは「気仙沼 KUROMORI」にてふかひれの食感と味わいを満喫できるフルコースを提供。撮影/小林廉宜
震災を機に中国料理の食材の宝庫、宮城に移住。生産者を応援するべくオープンした店は県外からも評判を呼びました。さらに昨年はサメの水揚げ量日本一の気仙沼に拠点を移し、「良質な食材が集まる気仙沼を食の都にしたい」という思いで “ここでしか味わえない料理” を追求しています。
2026年7月から9月のコース料理のメインはヨシキリザメのふかひれをステーキで。コラーゲンと相性のよい酸味のあるドレッシングとチキンベースのクリーミーな泡ソース、甘みのある旬の野菜とともにいただく。奥は種類の多さに驚くふかひれの乾物。撮影/小林廉宜
黒森シェフの東北への願いが詰まった今回のコラボレーション。レストランと異なる環境でも満足できるように工夫を重ねたコースが彩る特別な時間をご堪能ください。
TOHOKU EMOTION
●運行日原則として金曜・土曜・日曜・祝日および多客期を中心に1日1往復。
●運賃と購入方法往路1万2200円~、復路7300円~(乗車券、食事料金含む)。メニューによって料金の変動あり。2~4名で乗車日4日前までに要予約。「のってたのしい列車予約サイト」から。
URL:
https://www.jreast.co.jp/railway/joyful/tohoku.html
(次回に続く。
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