〔特集〕絶景と美食、非日常へと誘う 日本を旅する感動列車 世界でも類を見ない多様さと、ホスピタリティが息づいている日本の観光列車。家庭画報本誌では、乗車して初めて出合える「絶景・美食・おもてなし」を兼ね備えた列車を敬意とともに「感動列車」と命名。まだ見ぬ日本の美しさを再発見する旅へ鉄道写真家・櫻井 寛さんの解説とともにご案内します。
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櫻井 寛さんが注目する、新・感動列車
周遊列車で日本再発見の旅へ
乗り継ぐことで、その地域を周遊できる観光列車が注目されています。絶景や土地ならではの美味を楽しみながら目的地へ。そこで旅を終えてもよし。次の地まで乗るもよし。その気軽さは、数日を要する長距離旅行とはひと味違う魅力があります。今、大人気の四国、九州の周遊列車旅にご案内しましょう。
海原とともに九州の玄関を巡る
36ぷらす3 青の路
[大分駅(大分県)→ 博多駅(福岡県)]
櫻井memo最大の特徴は5日間かけ九州7県を一周するところですが、1日、あるいは1区間だけでも乗車可なので、今回は博多~鹿児島間、次回は鹿児島~宮崎間という乗り方もOK。6両編成で床が八代産い草の畳車両も。水戸岡さん渾身デザインの787系車両です。
九州を駆け巡り、九州を楽しみ尽くす。
絢爛なプライベート個室で特別時間を
かつて九州の鉄道の “顔” として親しまれてきた特急「つばめ」の787系車両。この車両をデザインした水戸岡鋭治さんが、自ら改装を手がけたのが「36ぷらす3」です。
杵築(きつき)駅から約1キロ別府側に進んだ所に位置する、八坂川に架かる第六八坂橋梁を渡る「36ぷらす3」の外観。歴史感じる石積みの橋脚が美しい橋は、明治44(1911)年に完成したもの。写真/櫻井 寛
車内に足を踏み入れると、大川組子がふんだんに使用された豪奢なインテリアに、思わず歓声が上がります。
「36ぷらす3」2号車。3人がけソファが対面で並ぶ6人がけグリーン個室。同車両には車椅子対応座席も。木組みの床、大川組子の窓枠、格天井など木材がふんだんに使われた豪奢な内装デザインは、「ななつ星 in 九州」もデザインした、水戸岡鋭治さんによるもの。
車両それぞれにデザインが異なるため、鉄道ファンでなくとも乗車中に全車両を見て回りたくなる楽しさです。
1号車のグリーン個室から、廊下側の車窓を見る。廊下との間仕切りと車窓にあしらわれた大川組子が、美しく景色を縁取る。個室は九州各地の5ルートごとに異なる「地元の名店」によるランチ付きで、木製のお重入り。
木曜から月曜までの曜日ごとのルートを続けて乗車すると5日間で九州を一周できるというルート設定もユニーク。ご紹介する「青の路」は、大分駅から博多駅への旅程中、海と山、川と、自然の美しい景色が車窓を流れます。
「青の路」の特別停車駅である門司港駅のホームにて、車掌を務める片山裕一朗さんと。車掌と客室乗務員の制服も車両と同様に水戸岡氏によるもので、黒とゴールドを基調とした「36ぷらす3」に合わせてデザインされている。
名前の由来は、九州が世界で36番目に大きな島であること。5つのルートを乗車中に九州を楽しむ35のエピソードが紹介されますが、それに乗客自身の物語を加えて “36番目のエピソードを語ってほしい” という願いが込められているそう。
乗客のエピソードは実際に車内で募集され、アナウンスで読み上げられることも。乗務員と乗客とが一緒になって、よい思い出を作り上げようという親密な雰囲気が車内に溢れています。乗車後は、誰もが36に3を足して、「39(サンキュー)」と口にしたくなる、そんな列車の旅です。
「36ぷらす3」の5ルートで「九州周遊」を

曜日ごとに5ルートが設定され、それぞれで内容が異なる「ランチプラン」が楽しめる(実際に旅をするルートの名店がランチに)。各ルートで旅の始まり駅、終わりの駅が選択できるため、旅程にも組み込みやすい。また、木曜に博多を出発する「赤の路」に乗車し、着駅で宿泊しながら5ルートを乗り継ぐと九州7県を周遊できる。5ルートの中で月曜日ルートのみ、博多〜佐世保の「佐世保行き」と、佐世保〜博多の「博多行き」が設けられている。
36ぷらす3 青の路
●運行日毎週日曜。上図にあるように、36ぷらす3は木曜、金曜、土曜、日曜、月曜と違うルートで九州を周遊している。(※現在は車両改装のため運休中。2026年9月3日に運行再開予定で、2026年6月5日から予約開始。)
●運賃と購入方法全席指定で食事付きの「ランチプラン」(1~3、6号車)と、きっぷのみの「グリーン席プラン」があり。今回ご紹介した、1~3号車の「ランチプラン」はJR(片道)と食事込み2万4500円。
「ランチプラン」の予約は公式ウェブサイトより可能。「グリーン席プラン」は、全国のみどりの窓口、指定席券売機で購入可能。
※6号車は2026年9月3日より新設。詳しくは下の公式ウェブサイトにて。
36ぷらす3 お問い合わせ窓口 TEL:0570-037-500(10時~17時) 火曜定休
URL:
https://www.jrkyushu-36plus3.jp/?utm_medium=qrcode&utm_source=kateigaho&utm_campaign=36plus3
(次回に続く。
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