〔特集〕絶景と美食、非日常へと誘う 日本を旅する感動列車 世界でも類を見ない多様さと、ホスピタリティが息づいている日本の観光列車。家庭画報本誌では、乗車して初めて出合える「絶景・美食・おもてなし」を兼ね備えた列車を敬意とともに「感動列車」と命名。まだ見ぬ日本の美しさを再発見する旅へ鉄道写真家・櫻井 寛さんの解説とともにご案内します。
・
特集「日本を旅する感動列車」の記事一覧はこちら>>>
櫻井 寛さんが注目する、新・感動列車
周遊列車で日本再発見の旅へ
乗り継ぐことで、その地域を周遊できる観光列車が注目されています。絶景や土地ならではの美味を楽しみながら目的地へ。そこで旅を終えてもよし。次の地まで乗るもよし。その気軽さは、数日を要する長距離旅行とはひと味違う魅力があります。今、大人気の四国、九州の周遊列車旅にご案内しましょう。
千年の歴史を内包する景勝地を巡る
四国まんなか千年ものがたり
[多度津駅(香川県)← → 大歩危駅(徳島県)]
居心地のよい和空間と「お接待」文化
親しみを込めて「千年」の愛称で呼ばれる本列車の人気の秘密は、乗車中の居心地のよさにあります。車両デザインを手がけたJR四国の社内デザイナー松岡哲也さんが目指したのは、徳島の古民家に想を得た日本のたたずまい。1号車を案内していただきました。
1号車と3号車の座席は4人席と2人席が互い違いの千鳥配置。座席の反対側はカウンターテーブルと手すりで、乗客はどちら側の車窓も楽しむことができる。
天井には囲炉裏の火棚をイメージした格子、窓の上には軒下を思わせる横木が長くのびて、徳島特産の杉材がふんだんに使われています。座席は互い違いの千鳥配置、左右どちらの景色も眺められる仕かけです。
説明を聞いた仲間さんは「日本人にだけでなく、世界の方々にも伝わる『和』を意識してデザインされたとお聞きして、なるほどと思うところがいくつもありました。心地よさの背景には絶景だけに留まらない磁力があるのですね」。
アテンダントの出迎えを受けて、琴平駅で3号車「秋彩(あきみのり)の章」から降り立つ仲間さん。
続いて、この旅の印象をおたずねすると「印象に残ったのは阿波川口駅の狸のおもてなし。みなさんの着ぐるみがユニークでかわいくて。そして沿線で手を振る方たち。きっと列車に気づくと作業の手を止めて手を振ってくださっているんですよね。四国のいいところをいっぱい感じた旅でした」。
阿波川口駅では名物の狸に化けてのおもてなしが人気。
大歩危駅の歓迎シーン。踊る人、太鼓を叩く人と歓迎スタイルはさまざま。
観光列車「千年」の居心地のよさの底流には、四国を巡るお遍路さんを支えてきた「お接待」文化がありました。
車内で供される地酒飲み比べセットの酒器は香川漆芸の人間国宝・山下義人さん作。
下り列車「そらの郷紀行」の料理は金刀比羅宮内にある「カフェ&レストラン神椿」が供する洋風料理。
仲間由紀恵さん(なかま・ゆきえ)俳優。沖縄県出身。1995年テレビドラマでデビュー以後、テレビ、映画、CMなどで幅広く活躍。主な出演作にドラマ『トリック』『ごくせん』『相棒』シリーズ、映画『大奥』、舞台『放浪記』など。NHKの連続テレビ小説『花子とアン』のほか、本年は連続テレビ小説『風、薫る』にも出演。
ワンピース14万6300円 ジャケット18万400円/ともにフォルテ フォルテ(コロネット) 靴11万3300円/セルジオ ロッシ(セルジオ ロッシ ジャパン カスタマーサービス) バッグ28万6000円/ヴァレクストラ(ヴァレクストラジャパン) ネックレス(ペンダントトップ)7万5900円、同(チェーン40センチ)2万900円 イヤリング8万8000円 バングル10万5600円/すべてホアキン・ベラオ
四国まんなか千年ものがたり
●運行日原則として金曜・土曜・日曜・祝日および多客期を中心に1日1往復。
●運賃と購入方法運賃/下り列車(そらの郷紀行)、上り列車(しあわせの郷紀行)ともに、多度津駅から大歩危駅区間で4330円(乗車券・特急券・グリーン券)。
食事は別料金。そらの郷紀行の「さぬきこだわり食材の洋風料理」、しあわせの郷紀行の「おとなの遊山箱」ともに6000円。
乗車券・特急券・グリーン券は、JR四国や全国のみどりの窓口で。
食事予約券は乗車券・特急券・グリーン券を購入した後、公式ウェブサイト、またはスマホ専用アプリにて購入を。
お問い合わせ/JR四国電話案内センター TEL:0570-00-4592(8時~19時 年中無休)
URL:
https://www.jr-shikoku.co.jp/sennenmonogatari/
3つの「ものがたり列車」を乗り継いで、4県を巡る「四国周遊」を
撮影/櫻井 寛(写真2点)
初日は愛媛県からスタート。松山駅発「伊予灘ものがたり」(八幡浜=やわたはま編)で八幡浜駅、特急「宇和海19号」で宇和島駅に(宇和島泊)。2日目は「しまんトロッコ2号」で窪川駅、「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」(開花の抄)で高知駅へ(高知泊)。3日目は特急「南風16号」で徳島県大歩危駅、「四国まんなか千年ものがたり」(しあわせの郷紀行)で香川県多度津駅に到着。列車で四国4県を巡る新たな旅スタイルの始まりです。
(次回に続く。
この特集の記事一覧はこちらから>>)