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名和晃平さん・清川あさみさん夫妻、建築巡りの週末 禅の世界を広く伝える「神勝寺 禅と庭のミュージアム」(広島・福山)

2026.06.01

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〔特集〕新緑を楽しむ 初夏の絶景旅 新緑が眩しく、一年で最も美しい季節。この時期に訪れるにふさわしい自然に恵まれたエリアへ誘います。その土地の自然そのものを目的地とする「グリーンツーリズム」、新旧の芸術や建築、それらがもたらす地域活性化の足跡を辿る「アート・建築ツーリズム」、そして、大自然の中での体験に重きを置く「アドベンチャーツーリズム」――。自然の営みに深く没入し、体験を軸とする新しい旅のスタイルを紹介します。

特集「新緑を楽しむ 初夏の絶景旅」の記事一覧はこちら>>>

グリーン、アート・建築、体験・冒険型...... これが新しい旅のスタイル。

今、新しい旅のスタイルが広がっています。その共通項は、単に景勝地を回る観光ではなく、その土地ならではの文化に深く触れる没入型であること。

都心を離れ、自然豊かな農山魚村に滞在し、その土地の自然や文化を体感する「グリーンツーリズム」、全国各地で行われるようになったサイトスペシフィックな芸術祭に端を発する「アートツーリズム」や、新旧の建築を観光資源として街おこしをしようとする動きに乗じた「建築ツーリズム」、富裕層の間では世界的な潮流ともいわれる、大自然を生かした体験・冒険型の「アドベンチャーツーリズム」など ──。


夫婦で、親子で、友人同士で、あるいはお一人で。新緑が美しい行楽の季節。自然を満喫できる、気持ちのいい癒やしの絶景旅へご案内いたします。

瀬戸内の絶景とともに
アート・建築ツーリズム

自然豊かな瀬戸内は、世界が注目するアートと建築の聖地でもあります。足を運ばなければ得られない、心揺さぶられる体験が待っています。

名和晃平・清川あさみ夫妻と歩く
福山・尾道、建築巡りの週末

建築は、その場に足を運ばなければ見て、体験することができないもの。だからこそ、旅との親和性が高い分野です。折しも現在の日本は、建築界のノーベル賞といわれる「プリツカー賞」の受賞者が世界最多タイ(アメリカと同数)という建築大国でもあります。

おすすめの旅先は、いちはやく建築で街づくりを始め、昨年(2025年)、国際建築祭を開催した広島。ふだんから二人でよく旅をするという彫刻家の名和晃平さんとアーティストの清川あさみさんご夫妻が名和さんの名作《洸庭(こうてい)》を中心に建築巡りの週末を過ごします。

舟のような建築《洸庭》は、アートを通じ禅に触れられる場

彫刻家の名和さんが初めて手がけた大型建築作品。59万枚のサワラの板材を使い、伝統技法のこけら葺きを応用した技術で全体が覆われている。周囲の庭の植栽は西畠清順が監修。

左・清川あさみ(きよかわ・あさみ)

兵庫県生まれ。現代アーティスト/アートディレクター。大阪芸術大学客員教授。写真や雑誌、書物などのメディアに刺繡を施す独自の技法によるアート作品を1990年代後半より発表し、2001年に初個展を開催。2023年東京メトロ虎ノ門ヒルズ駅の常設パブリックアート《Our NewWorld(Toranomon)》の制作監修を担当した。

右・名和晃平(なわ・こうへい)

大阪府高槻市生まれ。京都市立芸術大学大学院美術研究科博士(後期)過程彫刻専攻修了。京都芸術大学教授。クリエイティブ・プラットフォーム「Sandwich」主宰。Pixel(画素)とCell(細胞)を融合した「PixCell」シリーズを代表とする彫刻作品、ダミアン・ジャレとの協働による舞台、建築など多岐にわたる作品を発表。

2026年9月より、「ポーラ ミュージアム アネックス」(東京都中央区)にて、名和さんと清川さん初の2人展「Invisible Garden」が開催される。初の共作も発表される予定。

「ひろしま国際建築祭2025」の拠点となった
神勝寺 禅と庭のミュージアム(広島・福山)

神勝寺は、常石グループ二代目・社長の神原秀夫氏を開祖として1965年に建立された、臨済宗建仁寺派の特例地寺院。

禅堂「大徹堂」で、竹本大哉首座の指導により、座禅を体験(予約制)。清川さん・ブラウス4万9500円/ケイコ ニシヤマ スカート13万2000円/シートーキョー

2016年に、禅の世界を広く伝えることを目的に「神勝寺 禅と庭のミュージアム」としてオープン。昨年はじめて開催された「ひろしま国際建築祭2025」では主要会場として、多くの人々が訪れました。

アートパビリオン《洸庭》

内部では、名和さんとWOWによる微かな光と波のインスタレーションで、25分間の瞑想的な体験ができる。音響は原摩利彦が担当。

約7万坪という広大な敷地には、彫刻家・名和さんとSandwichの設計によるアートパビリオン《洸庭》を中心とした現代建築と、移築された江戸時代の貴重な建物が点在しています。

大徹堂は、鎌倉・建長寺の専門道場として江戸時代後期に建てられた建物を移築したもの(通常非公開)

完成後約10年を経た《洸庭》を訪れた日は、偶然にもお二人の10回目の結婚記念日。「ちょうどどこかに旅行しようと話をしていました」と清川さん。「洸庭の表面は年月を経たことで経年変化して、周囲になじんできましたね」と名和さん。

《洸庭》のピロティにて。サワラの板材が美しい曲線に沿って手作業で貼られている様子を間近に見られる。敷き詰められた石は、近隣の採石場から採取。

久しぶりにインスタレーションを体験した清川さんは「前回は妊娠中でしたが、観るたびに印象が変わります。私たちはおおまかなテーマだけ決めて予定を詰め込まない旅をすることが多いのですが、今回は “整いたい” と思っていたので、ぴったりでした。身も心もすっかり洗われた気分です」。

自作を含めた建築を巡る、思い出深い旅となりました。

本堂内部にある「荘厳堂」では、江戸時代中期に活躍した臨済宗中興の祖、白隠慧鶴の禅画コレクションを鑑賞することができる。

建築家、建築史家の藤森照信の設計による寺務所「松堂」。内部にはショップも。

神勝寺 禅と庭のミュージアム
広島県福山市沼隈町大字上山南91
TEL:084(988)1111
拝観時間:9時~17時(最終受付16時30分)
不定休
拝観料:大人1800円(団体1500円)、大学生・高校生1000円、中・小学生 500円
URL:https://szmg.jp/

(次回に続く。この特集の記事一覧はこちらから>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2026年06月号

家庭画報 2026年06月号

撮影/本誌・坂本正行 取材・文/安藤菜穂子 スタイリング/清水恵子 ヘア&メイク/向井理紗 清川さん・シャツ14万3000円 ワンピース14万3000円/すべてイッセイ ミヤケ 名和さん・シャツ6万500円 Tシャツ15万400円/すべてオム プリッセ イッセイ ミヤケ

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