〔特集〕新緑を楽しむ 初夏の絶景旅 新緑が眩しく、一年で最も美しい季節。この時期に訪れるにふさわしい自然に恵まれたエリアへ誘います。その土地の自然そのものを目的地とする「グリーンツーリズム」、新旧の芸術や建築、それらがもたらす地域活性化の足跡を辿る「アート・建築ツーリズム」、そして、大自然の中での体験に重きを置く「アドベンチャーツーリズム」――。自然の営みに深く没入し、体験を軸とする新しい旅のスタイルを紹介します。
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グリーン、アート・建築、体験・冒険型...... これが新しい旅のスタイル。
今、新しい旅のスタイルが広がっています。その共通項は、単に景勝地を回る観光ではなく、その土地ならではの文化に深く触れる没入型であること。
都心を離れ、自然豊かな農山魚村に滞在し、その土地の自然や文化を体感する「グリーンツーリズム」、全国各地で行われるようになったサイトスペシフィックな芸術祭に端を発する「アートツーリズム」や、新旧の建築を観光資源として街おこしをしようとする動きに乗じた「建築ツーリズム」、富裕層の間では世界的な潮流ともいわれる、大自然を生かした体験・冒険型の「アドベンチャーツーリズム」など ──。
夫婦で、親子で、友人同士で、あるいはお一人で。新緑が美しい行楽の季節。自然を満喫できる、気持ちのいい癒やしの絶景旅へご案内いたします。
瀬戸内の絶景とともに
アート・建築ツーリズム
自然豊かな瀬戸内は、世界が注目するアートと建築の聖地でもあります。足を運ばなければ得られない、心揺さぶられる体験が待っています。
板垣李光人が巡る直島
感性を刺激する美の散策へ
「ベネッセハウス」内「杉本博司ギャラリー 時の回廊」にある「硝子の茶室『聞鳥庵(もんどりあん)』(2014)の前にて、板垣さん。ガラス越しの遠景が不思議な旅情を醸す。同ギャラリーでは、2026年3月、一部作品の展示替えおよびラウンジのリニューアルを行った。
板垣李光人(いたがき・りひと)俳優。2002年生まれ。数々の話題作で唯一無二の存在感を放つ。NHK連続テレビ小説『ばけばけ』では雨清水三之丞役を好演。アーティストとしての顔も持ち、デジタルと油彩を融合させた独自のキャンバスアートを制作。2024年には初個展「愛と渇きと。」を開催し、高い芸術性が注目を集めた。主演映画『口に関するアンケート』が2026年公開予定。
世界中のアートファンを魅了する“芸術の聖地”となるまで
出版・教育企業のベネッセコーポレーションと福武財団が、直島・豊島(てしま)・犬島で展開するアート活動「ベネッセアートサイト直島」。1980年代後半に活動を開始し、現在、同3島において30を超えるアート施設、ホテルを展開しています。
瀬戸内海の“多島美”も、自然が生み出すアート。作品鑑賞とともに絶景も楽しみたい。写真/中村 脩
1992年に最初の美術館をオープンし、2010年には、香川県等と協働で、3年に一度のトリエンナーレとして、第1回「瀬戸内国際芸術祭」を開催。回を重ねるごとに国際的な知名度が高まり、第6回となる2025年には、国内外から100万人を超える来訪者を集めるなど、世界でも類を見ない、アートによる地域振興の好例として知られるほどになりました。
古い突堤に設置された、直島の“顔”といえる草間彌生《南瓜》。写真を撮る人の列が絶えない。
「南瓜」草間彌生 2022年 ©YAYOI KUSAMA 撮影/山本 糾
「ずっと訪れたいと思っていた場所。魅力的な旅行先である一方、地元の方の生活がしっかりあって、その中にアートが自然に結びついている、不思議で素敵な島です。船のみというアクセス手段も含めて、アート体験といえるのでは」と板垣さん。
1泊2日では観きれないほどのアートがあり、常に変化している直島。何度でも訪れたくなる芸術の聖地です。
“祠(ほこら)”から着想を得た半屋外ギャラリー
祠をイメージした安藤建築の中に、無数のミラーボール。草間彌生が1966年のヴェネチア・ビエンナーレで発表した作品《ナルシスの庭》で、屋外にある池にも浮かんでいます。敷地内には小沢 剛《スラグブッダ88》(2006/2022年)も展示され、見どころ満載。
ナルシスの庭 写真/森山雅智 Narcissus Garden,1966/2022 ©YAYOI KUSAMA
ヴァレーギャラリー香川県香川郡直島町京ノ山
TEL:050(1794)1100
開館時間:9時30分~16時(最終入館15時30分)
無休
入館料:オンライン購入1300円、現地購入1500円(「ベネッセハウス」宿泊者は無料)
瀬戸内の自然と溶け合う透明の茶室
杉本博司の代表的な写真作品やデザイン、彫刻作品を本格的に鑑賞できる展示空間として、2022年にオープン。目玉の一つは、オランダの画家モンドリアンの幾何学美をモチーフにした「硝子の茶室『聞鳥庵(もんどりあん)』」(下)。
「硝子の茶室『聞鳥庵』」 ©Sugimoto Studio Hiroshi Sugimoto, Glass Tea House ”Mondrian”, 2014 ©Sugimoto Studio The work originally created for LE STANZE DEL VETRO, Venice by Pentagram Stiftung
ギャラリー内のラウンジ。杉本博司が新たにデザインした、屋久杉を使った10メートルのテーブルでゆったりと過ごせる。
杉本博司ギャラリー 時の回廊香川県香川郡直島町琴弾地
TEL:050(1794)1100
開館時間:11時~15時(最終入館14時)
無休
入館料:オンライン購入1600円、現地購入1700円(「ベネッセハウス」宿泊者は無料)
そのほかの施設を含めた詳細は「ベネッセアートサイト直島」の公式HPをご覧ください。
URL:
https://benesse-artsite.jp/(次回に続く。
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