〔特集〕新緑を楽しむ 初夏の絶景旅 新緑が眩しく、一年で最も美しい季節。この時期に訪れるにふさわしい自然に恵まれたエリアへ誘います。その土地の自然そのものを目的地とする「グリーンツーリズム」、新旧の芸術や建築、それらがもたらす地域活性化の足跡を辿る「アート・建築ツーリズム」、そして、大自然の中での体験に重きを置く「アドベンチャーツーリズム」――。自然の営みに深く没入し、体験を軸とする新しい旅のスタイルを紹介します。
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グリーン、アート・建築、体験・冒険型...... これが新しい旅のスタイル。
今、新しい旅のスタイルが広がっています。その共通項は、単に景勝地を回る観光ではなく、その土地ならではの文化に深く触れる没入型であること。
都心を離れ、自然豊かな農山魚村に滞在し、その土地の自然や文化を体感する「グリーンツーリズム」、全国各地で行われるようになったサイトスペシフィックな芸術祭に端を発する「アートツーリズム」や、新旧の建築を観光資源として街おこしをしようとする動きに乗じた「建築ツーリズム」、富裕層の間では世界的な潮流ともいわれる、大自然を生かした体験・冒険型の「アドベンチャーツーリズム」など ──。
夫婦で、親子で、友人同士で、あるいはお一人で。新緑が美しい行楽の季節。自然を満喫できる、気持ちのいい癒やしの絶景旅へご案内いたします。
瀬戸内の絶景とともに
アート・建築ツーリズム
自然豊かな瀬戸内は、世界が注目するアートと建築の聖地でもあります。足を運ばなければ得られない、心揺さぶられる体験が待っています。
土地との対話。アート・建築が照らす未来 アートツーリズム
アートと建物、自然が調和した無二の島
「ベネッセアートサイト直島」における安藤忠雄設計の10番目のアート施設として、2025年5月にオープンした「直島新美術館」。景観になじむ大屋根が特徴。写真/小川重雄
板垣李光人が巡る直島
感性を刺激する美の散策へ
小石を積み上げた壁が印象的なアプローチ。美しいカーブを描く坂道を上ると、黒漆喰のエントランスが見える。建物は地上1階地下2階建ての3層構造。
板垣李光人(いたがき・りひと)俳優。2002年生まれ。数々の話題作で唯一無二の存在感を放つ。NHK連続テレビ小説『ばけばけ』では雨清水三之丞役を好演。アーティストとしての顔も持ち、デジタルと油彩を融合させた独自のキャンバスアートを制作。2024年には初個展「愛と渇きと。」を開催し、高い芸術性が注目を集めた。主演映画『口に関するアンケート』が2026年公開予定。
陰影が交錯する、美の巡礼地
直島新美術館(香川・直島)
板垣さんが「とくに素敵でした」と感激した、地上1階の入り口から地下2階の展示室まで続く階段室。天窓から差し込む自然光が、コンクリートの直線的かつ重厚な空間にやわらかな陰影を生み出している。
集落近くの高台に建つ、島の自然と調和した安藤建築
「まとめて安藤忠雄さんの建築が見られるのは、本当に贅沢ですね」と、初めて直島を訪れた安藤建築ファンの板垣さん。
「ソリッドでモダンで、同時に日本的な、仏像のような気配を湛えているところに魅かれます。僕はそこに、静かな怒りや祈りを感じます」。
丘の上にある「直島新美術館」は、明るい坂道を上った先のエントランスから一転、絞り込まれた自然光が落ちる階段を下って展示室へ。建築の力により、作品と向き合う気持ちがおのずと整います。
エントランスの反対側は、海が望めるカフェ。店内にはN・S・ハルシャによるコミッションワークが。直島新美術館&CAFE 写真/GION
作品鑑賞後は、海を眺めながらのランチやお茶でリラックス。「瀬戸内プレート」1800円、瀬戸内のかんきつのドリンク「せとぽん」750円。