京都・祇園の粋を受け継ぐ 文化の殿堂に新たな歴史の幕開く──帝国ホテル 京都 2026年3月5日、京都・祇園に「帝国ホテル 京都」が開業しました。舞台となるのは、かつて祇園花街のシンボルとして、祇園甲部歌舞練場敷地内で親しまれていた「弥栄(やさか)会館」。愛されてきた土地の記憶とともに、帝国ホテルとしての新たな幕が今、開きます。
19世紀初頭の西洋建築洋式に和の意匠を取り入れた弥栄会館(1936年竣工)は、劇場建築の名手と謳われた木村得三郎(大林組)が設計。フランク・ロイド・ライトが手がけた帝国ホテル2代目本館(1923年竣工)とは時代が近い。今回建物の再生を進める中で、それぞれで使われていたテラコッタが同じ生産地のものであったなど、共通点が見つかったという。
文化遺産と最高峰のおもてなしの出合い
連日賑わいを見せる京都の中心地・祇園の花見小路通りにあって、長らくこの地のランドマークとして親しまれてきた「弥栄会館」。1936年に竣工し、国の有形文化財にも登録されるこの建物を継承する形で、この春「帝国ホテル 京都」がオープンしました。
開業にあたり新しく増設された北棟の客室「北棟グランドプレミア」。畳敷きが採用され、天井の仕上げや格子のデザインなど、京町家の風情を感じられる。
歴史的価値が高くも老朽化が進んだ劇場建築を、現代の耐震性や快適性を備えたホテルとして再生するにあたっては、「南西2面の外壁と構造体の一部を保存しながら増改築する」という一大プロジェクトが敢行されました。
本棟1階に弥栄会館時代の資料を展示。当時の写真からも、帝国ホテル 京都が弥栄会館の外観を忠実に受け継いでいることがわかる。
外壁のタイルやテラコッタ、石材など、再利用が可能な素材はできる限り保存し、足りない素材や新たに必要なものは元を忠実に再現。
クラシカルモダンな「弥栄スイート」。
当時の趣をそのままに、本棟は7階建ての堂々たる姿が完成しました。内装デザインを手がけたのは、現代美術作家の杉本博司氏と建築家の榊田(さかきだ)倫之(ともゆき)氏が率いる「新素材研究所」。
至るところに弥栄会館時代の装飾品が。オールデイダイニング「弥栄」入り口の芭蕉のレリーフは、かつては貴賓室にあった。
“古いものが、新しい”をコンセプトに、日本の天然素材を多用したくつろぎの空間を叶えています。
宿泊者専用のラウンジ。杉本博司氏がデザイン監修した松竹図屛風がゲストを迎える。
東京の帝国ホテル2代目本館(通称ライト館)と弥栄会館の繫がりを感じさせる意匠や、杉本氏を筆頭に現代作家らの作品と弥栄会館時代のものとが共存する、館内のアートも必見です。
北木石(きたぎいし)を壁に配した荘厳な雰囲気のプール。
帝国ホテルという最上のおもてなしを通して、祇園の歴史と風情を五感で感じる──。かつてない“京都ステイ”がここにあります。
帝国ホテル 京都京都市東山区祇園町南側570‒289
TEL:075(531)0111
(月曜~金曜10時~17時、開業後は無休)
[基本料金]1室2名利用で1泊1室16万5000円~。ご紹介した「弥栄スイート」は同62万2400円~、「北棟グランドプレミア」は同20万8800円~(いずれもサービス料込み、食事別)※別途宿泊税
https://www.imperialhotel.co.jp/kyotoフランス料理「練」(営)17時30分~20時30分(LO)
日曜定休(月曜が祝日の場合は日曜営業、月曜休み)
オールデイダイニング「弥栄」(営)6時30分~10時(LO)、11時30分~21時30分(LO)※朝は宿泊者のみ利用可
「オールドインペリアルバー」(営)17時~23時30分(LO)
TEL:075(531)0147(レストラン直通、月曜~金曜10時~17時、開業後は無休)
(次回へ続く。)