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“八重桜は実を結ばない” 通説破った執念。育種家・浅利政俊さん

2026.03.17

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〔特集〕次世代に伝え継ぎたい 桜絶景を求めて 日本が世界に誇るべき「美しい桜の風景」は、そのどれもがそれを守ろうとする人々の確かな意志によって支えられています。将来の日本人の美意識のために次世代に伝え継ぎたい桜絶景はどこか。長年、桜名所や桜を守る人々を取材してきた家庭画報本誌が、現在の手入れ・管理状況なども踏まえつつ、改めて桜の専門家とともに「新・桜100景」として厳選し紹介します。

特集「桜絶景を求めて」の記事一覧はこちら>>>

家庭画報が選ぶ
伝え継ぎたい桜絶景

桜咲く美しい日本の風景は、放っておいて生まれるものではありません。それは桜の木を地道に守ろうとする人がいて初めて残り得るもの ── 家庭画報本誌は長年、そんなスタンスで、桜を守り、伝え継ごうとする人々にフィーチャーしてきましたが、改めて功績の大きいレジェンドや全国の無名の桜守たちによる確かな意思をもって支えられる桜名所を、識者とともに整理していきます。

【桜守レジェンド ─ 2】

“八重桜は実を結ばない” 通説破った執念
育種家・浅利政俊さん

松前の桜の歴史は古く、江戸時代に本州から苗が持ち込まれたのが始まりとされます。1953年、小学校教諭として松前に着任した浅利さんは、仕事の傍ら、町を彩る八重桜の研究に没頭。

「名勝地、名木、稀少種であっても管理者が数年間放置すると、劣化して姿を消すものが多い」と語る浅利さんは今年で95歳。今も定期的な観察を欠かさない。

1959年、当時勤めていた小学校の生徒らと共に、1億もの花からわずか数粒しか実らないという「南殿(なでん) 」の種を、光善寺の「血脈(けちみゃく)桜」をはじめ町中から拾い集め、育成を開始。5年後、見事に大輪の新品種(のちに「綾錦(あやにしき)」と命名)を開花させ、“八重桜は実を結ばない” という当時の通説を覆しました。

松前公園に隣接する光善寺境内に咲く血脈桜。松前で最も多いとされる南殿の親木で、浅利さんの育種活動の原点。

以後、本格的に育種に取り組み、半世紀以上にわたる活動の中で、国内の約3分の1に及ぶ、116種もの新品種を開発。世界でも比肩する者のいない、稀代の育種家として名を刻んでいます。

「水上」と南殿を人工交配させた「更紗星」。開花直後は淡紅色だが、時間が経つと赤みがさしてくる。

松前公園/光善寺 (北海道・松前町)

「桜の撮影に熱中し始めたのは約50年前。松前公園は当時から250種8000本の桜が咲く国内有数の名所として知られ(現在は1万本以上)、品種数で日本一といわれるまでにしたのが浅利さんでした。桜の寄贈活動にも熱心で、1980年代にポーランドに寄贈したきり行方不明だった『紅豊』が、約40年ぶりに修道院の敷地内で発見されたと最近聞き、感動しました」(写真家 野呂希一)

●北海道松前郡松前町松城303
TEL:0139(42)2640(松前町役場産業振興課 商工観光係)
例年の見頃/4月下旬~5月上旬

(次回に続く。この特集の記事一覧はこちらから>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2026年04月号

家庭画報 2026年04月号

写真/野呂希一

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