小田美風さん(華道「御室流」華務長)
<Q. 京都の真髄に触れられる静かな名所>仁和寺御所庭園内にある「遼廓亭(りょうかくてい)と飛濤亭(ひとうてい)」は、重要文化財の茶室です。遼廓亭は、茶席としては華やかで大規模な建築物です。内部は高度に洗練された意匠の妙が印象的です。また、飛濤亭は遼廓亭に比べると小規模ながら、天皇の好みで建てられたため躙口(にじりぐち)がなく、入り口は大きな貴人口となっています。南向きのため驚くほど明るい茶室で、仁和寺御所庭園内の宸殿や北庭の眺めも圧巻です。毎年5月に開催される御室流いけばな展の際には、ガイド付きツアーが行われます。通常非公開。
仁和寺 飛濤亭世界遺産、仁和寺にある光格天皇に愛された茶室。通常非公開。撮影/小林庸浩
京都市右京区御室大内33 TEL:075(461)1155
<Q. 非公開・事前予約制の感動スポット>仁和寺の「観音堂」には、荘厳な世界が広がっています。1644年に再建されてから約370年の時を経て半解体修理が行われ、2018年に工事が終了しました。通常非公開ですが、毎月18日に実施される観音会(かんのんえ)では入場可能です。(
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梶 高明さん(「梶古美術」7代目)
<Q. 京都の真髄に触れられる静かな名所>豊国神社は、1598年に亡くなった豊臣秀吉を祀るために創建された壮大な神社でしたが、大坂夏の陣の後、徳川家康によって廃祀され1880年に再建されるまで忘れ去られた存在でした。豊国廟(墓所)は阿弥陀ヶ峯の山頂に築かれており、一直線に山頂に向かう約500段の石段からは豊臣家の絶大な権力が偲ばれます。
宝物館には、狩野内膳筆の「豊国祭礼図屛風」が納められています。徳川家に壊される前の賑わいが描かれており、いかに多くの人が訪れていたかを知ることができます。「南蛮屛風」の作者として有名な狩野内膳は当時、豊臣家のお抱え絵師でした。しかし、祭礼図を描いたことが原因となって徳川家からの仕事がなくなりました。仕事を失った狩野内膳は恐らく「南蛮屛風」を自身の手で描き上げることが叶わなかったと考えられています。
その後、南蛮船がまるで宝船のように考えられ、南蛮図がもてはやされるようになるのは100年近く後になってのことだと思います。目で見るだけではなく、知識や心で見る観光地としては大変面白い場所です。
豊国神社豊臣秀吉を祀る豊国神社。出世開運、厄除招福、良縁成就の御利益がある。写真提供/豊国神社
京都市東山区大和大路正面茶屋町 TEL:075(561)3802
<Q. 非公開・事前予約制の感動スポット>豊臣秀吉によってこの地に寄進された
西本願寺の庭園「滴翠園」。日本庭園に不釣り合いなシュロの木が植えられていたこともあり、当時の人の新しい物好きの趣向が感じられます。通常非公開。(
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<Q. 意外に知られていない紅葉名所>嵐山にある
天龍寺塔頭の宝厳院です。ここは比較的静かで、大変きれいな紅葉を楽しめます。
桑原櫻子さん(料理研究家/華道「桑原専慶流」副家元)
<Q. 京都の真髄に触れられる静かな名所>京都御苑は特に平日、観光客も少なくのんびりしながら四季折々の風景を楽しめます。よく手入れされており、秋にはモミジやイチョウなどさまざまな木々の紅葉が美しいと思います。
<Q. 非公開・事前予約制の感動スポット>毎月、
東寺で開催される
弘法市は寒くなると出かけます。朝早めに行けば空いており、弘法大師へお参りをして気持ちを整えます。
また
東寺の五重塔は、特別公開の際には必ず拝観したいところです。心柱の周りを囲む如来や菩薩が素晴らしいです。講堂の立体曼荼羅や金堂の薬師如来も欠かせません。(
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また、
頂法寺の如意輪観世音菩薩は秘仏ですが、2025年の初めには、本堂内陣部分まで拝観できる貴重な機会がありました。
頂法寺(六角堂)如意輪観世音菩薩(御前立)健康や子宝の御利益がある六角堂の如意輪観世音菩薩。通常は非公開だが、御前立は参拝可能。写真提供/池坊総務所
京都市中京区六角通東洞院西入堂之前町 TEL:075(221)2686
<Q. 意外に知られていない紅葉名所>嵯峨の
鹿王院。静かな参道の紅葉がきれいです。いつも秋頃に甥がお弟子さんたちと社中展をするので拝観します。