〔特集〕[香川・岡山・広島・愛媛]初夏の海街へ 瀬戸内ブルーに涼を求めて 瀬戸内にはいくつもの「特別」があります。穏やかな海に島々が浮かぶ大らかな絶景、取れたての夏の美味、人気ホテルの眺めのいい部屋、神宿る清浄なるパワースポット……。たくさんの魅力の中から、厳選してお届けします。俳優・松下奈緒さんの倉敷美観地区の旅もお楽しみください。
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松下奈緒さんと瀬戸内随一の美が息づく町、倉敷へ【岡山 倉敷】
江戸幕府の天領として、明治に入ってからは紡績で財を成した実業家、大原家によって、文化の薫る美しい町へと昇華した岡山県倉敷市の「倉敷美観地区」。瀬戸内を巡る旅の最後に、知るほどに奥深い倉敷を俳優の松下奈緒さんと訪ねました。
かつては物資を運ぶ川舟が往来していた倉敷川。現在は観光の川舟流しで賑わう。なまこ壁の蔵やレトロモダンな洋館、柳がなびく風情ある町並みは、まるでタイムスリップしたかのよう。倉敷美観地区の中心地に位置する「旅館くらしき」の前で。
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松下奈緒さん(まつした・なお)東京音楽大学卒業後、2004年にデビュー。ドラマ、映画、TV番組のMCに加え、ミュージシャン、作曲家としても活動中。土曜8時~放送『朝だ!生です旅サラダ』(テレビ朝日系列)MCを務める。2025年6月、岡山県北部を舞台にした2024年の主演映画『風の奏の君へ』のBlu-ray/DVDが発売。
倉敷のシンボル、大原美術館へ
倉敷美観地区の中心に威風堂々と佇む大原美術館。設計は岡山県出身の建築家、薬師寺主計(かずえ)によるもの。古代ギリシャ・ローマ神殿風の外観は、創建当時の最高技術である鉄骨鉄筋コンクリート造が採用されている。
ワンピース(参考商品)/バーバリー(バーバリー・ジャパン)
「倉敷の歴史と文化が、暮らしとともに変わらず残っていることに驚きます」── 松下奈緒さん
倉敷にはコンサートで訪れたことはあるけれど、ゆっくりと滞在したのは今回が初めてという松下奈緒さん。様々なところを訪ね、あらためて倉敷の町には芸術が息づいていることを実感したと話します。
ジヴェルニーの睡蓮の庭を訪れたことがある松下さん。三浦館長とモネ談義に花が咲きます。
「実業家でありながら、文化や芸術を愛する大原家という支援者によって、この美しい町がつくられたことを知り、感動しました。大原美術館の名画の数々との出合いや、創設者の大原孫三郎さんから全権をまかされ、ヨーロッパで絵画を買いつけた洋画家の児島虎次郎さんの存在を知ることができたことも大きな喜びです。このモネの『睡蓮』も、モネから直接児島さんが『あなたのために何点か描くからその中から選んで』と言われ選んだというエピソードを三浦 篤館長から伺い、もう一度作品の素晴らしさに気づくことができました。美術を広めよう、日本という国をよくして、美しいものを皆で共有しよう、という気概を持った人がかつての時代にいたからこそ、今私たちがこうして倉敷という地で鑑賞できる。美は時を超えますね。本当にありがたい気持ちになりました」と松下さん。
ゴシック建築のバラ窓を思わせる丸窓から四季折々の景色を望む。
ここに来ずして語れない、倉敷の美のシンボル
【大原美術館】
倉敷を基盤に活躍した実業家、大原孫三郎が、親交が深く、高く評価していた画家児島虎次郎の没後、彼の功績を記念し1930年に設立した日本初の西洋美術の美術館。児島がヨーロッパで選んだエル・グレコ、ゴーギャン、モネ、マティスなどの名画から現代アートまで幅広く所蔵しています。
住所:岡山県倉敷市中央1-1-15
TEL:086(422)0005
開館時間:9時~17時(3月~11月)、~15時(12月~2月)
休館日:月曜(祝日は開館。7月下旬~8月は無休)、臨時休館あり
入館料:2000円(本館、工芸・東洋館、児島虎次郎記念館共通)