〔特集〕[香川・岡山・広島・愛媛]初夏の海街へ 瀬戸内ブルーに涼を求めて 瀬戸内にはいくつもの「特別」があります。穏やかな海に島々が浮かぶ大らかな絶景、取れたての夏の美味、人気ホテルの眺めのいい部屋、神宿る清浄なるパワースポット……。たくさんの魅力の中から、厳選してお届けします。俳優・松下奈緒さんの倉敷美観地区の旅もお楽しみください。
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目と舌を喜ばせる絵のような海と空と料理
fenua(フェヌア)【愛媛 大島】
五感で涼しさを堪能する愛媛県今治市の大島にあるフレンチレストラン「フェヌア」。豊かな瀬戸内の恵みを生かした料理が素晴らしい。写真は「宮窪の潜水士、村上親子の瀬戸貝」なすのコンソメ煮、ピストゥーソース(バジルのソース)添え。森重シェフは食材を収獲した人の名前を料理名に冠する。
東京・自由が丘で26年間愛され、2020年に惜しまれつつ閉店したフレンチの名店「ラ・ビュット・ボワゼ」のオーナーシェフ、森重正浩さんが、瀬戸内海に浮かぶ大島の行き止まりの小さな集落へ。
眩く光る凪の海、これぞ瀬戸内青天に照らされて眩く光る波頭の向こうには瀬戸大橋。穏やかな海、多島美そして島々を結んで架かる橋のある風景。これぞ瀬戸内だ。各所の港からはフェリーや渡し船などさまざまな船が行き交っている。楽しみ方は思いのまま。凪の海を心のおもむくままにゆっくりと進めば、いつしか身も心も溶けていく。写真/アマナイメージズ
広島県三原市出身の森重さんは「いつか故郷の瀬戸内で地元の素材を使って、おいしいフランス料理を作りたいと思っていました」といいます。
瀬戸内ならではの味わいを体感する「宮窪漁港一本釣り漁師、松田親子のあこ(きじはた)」。森重さんの料理には、生産者の名前が必ずつく。野生クレソンのソースと、オーストラリアのエピス(スパイス)のエスプーマ添え。
テーマは “キュイジーヌ・レジオナル(その地域独自の料理)”。ここでは食材を生産者から手渡しで受け取ります。「漁師さんが通りがかりに前の海に船をつけて、届けてくれることもあります」。
キッチンに最も近いシェフズ・テーブル。大きな窓から貨物船が行き交う美しい燧灘(ひうちなだ)の景色を眺めながら、特別な時間が過ごせる。海の向こうに四国山地が見える風景は、以前、3つ星シェフのマーク・ヴェラ氏のもとで働いていた頃に見たフランス・アヌシー湖に似ているそう。
席はすべて個室。上のシェフズ・テーブルに加えて4人席が2室、6人席が1室。窓が瀬戸内の海と空を絵のように切り取る。
ハーブは畑で自ら育て、塩も海水を煮詰めて自作。その理由を問うと「愛着が生まれるじゃないですか」と笑います。
屋上テラス。シャンパンや食後のコーヒー、ハーブティー、シガーを楽しむこともできる。
隣家にお願いして、庭先にレマン湖の湖畔で見た風景を再現。
人気シェフが長年の念願を叶えて、一人で丁寧に切り盛りするレストラン。その日々の充実ぶりが、訪れる人に幸福を分け与えてくれます。
設計は隈 研吾氏。地元の大島石や造船所の足場板などこだわりの素材が外観、内観の至るところに使われている。
フェヌア住所:愛媛県今治市宮窪町友浦3338
TEL:090-3188-3338(SMS/ショートメッセージ)
Mail:info@fenua-shimanami.com
営業時間:12時~14時、18時~20時(ともにLO)
定休日:月曜・火曜
コースは昼1万6500円、夜1万3200円(ともにサービス料込み)
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