〔特集〕日本各地の絶景と美味に出合う “海山”列車の旅 列車といえば“移動のための手段”と思いがちです。しかしラグジュアリー感溢れる豪華列車をはじめ、地元の美味やフレンドリーな“おもてなし”を提供する列車など、「乗ること」そのものが目的となる特別な列車が、日本には150以上もあり、世界からも注目を集めています。今年の初夏は、そんな個性溢れる列車に乗って各地の魅力を堪能する旅に出掛けませんか。
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〔海・山列車〕雄大な立山連峰から富山湾まで
海の恵みと絶景を味わう
山の絶景標高3000メートル級の山々が連なる立山連峰の美しい姿を背景に走る観光列車「一万三千尺物語」。その名前は立山連峰と富山湾の海底の高低差に由来する。春まで雪景色を楽しめる。
高低差4000メートルの奇跡の地を旅する
【一万三千尺物語】富山駅 ⇔ 富山駅
“きときと” とは、富山弁で「生きのいい、新鮮な」という意味。列車に揺られながら、まさに “きときと” の富山湾の海の幸を楽しめるのが「一万三千尺物語」です。
標高3000メートル級の立山連峰と深さ約1000メートルの富山湾という、世界的にも珍しい地形を有する富山県。その高低差4000メートルを尺貫法で表した一万三千尺から列車名がつけられました。
車窓から見える立山連峰は、列車が進むにつれ大きさや表情が変化する。ほとんどの行程を通常の列車よりも遅い時速約50キロで進むため、その雄大な姿をゆっくり眺めることができる。
お昼発の1号「富山湾鮨コース」は地魚のにぎり寿司を中心としたメニュー、夕方発の2号「越中懐石コース」では華やかな懐石弁当が供されます。
1号「富山湾鮨コース」では、にぎりたての寿司が楽しめる。ほたるいか、桜ます、白えびなど季節によって変わる地元の旬のネタ8貫に焼き物、お造り、揚げ物、茶碗蒸し、お椀がつく。メニューは季節により変更する(写真は2025年3月のメニュー)。
富山の8種の銘酒(1000円~)はオリジナルの1.5合瓶入り。升はセットで500円(単品700円)
座席は、窓向きのカウンター席と2人掛け、4人掛けのボックス席。
3両編成の3号車の車内。富山県産の「ひみ里山杉」がふんだんに使用されている。1号車にはカウンター席も。
ウェルカムドリンクで喉を潤したあとは、車窓に迫りくる立山連峰の景色に感嘆し、富山の美味に魅了される夢のような2時間。ガイドさんの軽妙な語り口が、さらに旅気分を盛り上げてくれます。
おもてなしの心「一万三千尺物語」では富山を知り尽くす赤いジャケットのガイドの山下隆司さんが車両を巡りながら、風土・歴史・文化など小話を交えながら解説。ほっと心なごむ温かなひととき。
富山といえば思い浮かぶ「薬」。2号車には特産品の陳列棚が。
“ガラスの街” 富山の地元作家による箸置きは持ち帰り可能。『ニューヨーク・タイムズ』の “2025年に行くべき52か所” にも選出された、富山の魅力が満載。
一万三千尺物語
●運行日土曜、日曜、祝日の一部
●料金の目安1号「富山湾鮨コース」、2号「越中懐石コース」ともに大人1万9800円、子ども9900円。全車指定席。要予約。
公式HP、電話にて、乗車日3か月前の毎月1日10時から運行日10日前まで予約可。
●問い合わせあいの風とやま鉄道 TEL:0120-489-130
URL:
www.13000story.com
(次回に続く。
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