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小学校の4年生がきっかけとなり、桜並木が復活。児童たちが守る“ふるさとの桜風景”

2023.03.27

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桜花爛漫 桜を守り、伝えるということ 第7回(全12回) 春が来るたび、私たちの目を楽しませ、心癒やしてくれる桜。地域の子どもたちからプロフェッショナルまで、私たちの“宝”を守り、未来に繫げる桜守の物語とともに、とっておきの桜絶景をご紹介いたします。前回の記事はこちら>>

未来へ繫げる伊那谷の桜文化


「日本一の桜の里」を目指し、市内に1万2000本以上の桜がある伊那市を中心に伊那谷には古くから桜を地域の宝とみなし、大切にする文化が存在します。咲き誇る桜のそばには必ず、熱心に世話をする人の姿がありました。

伊那市立美篶(みすず)小学校(長野県・伊那市)


伊那谷の桜文化六道の堤で遠足を楽しむ美篶小学校の児童たち。「ここは保育園のときから来ている」と話す子も。堤は昭和30年代まで、冬季はスケート場となり、大きな大会も開かれていた。

約25年前から植樹・保全活動を継続


伊那市には三峰(みぶ)川に沿って3キロ、染井吉野が約200本並ぶ長い桜並木があります。周囲はのどかな田園地帯、遠くに中央アルプスも望める景勝地は、歳月をかけて少しずつつくられてきました。




伊那谷の桜文化

サイクリングロードも完備された三峰川堤防桜並木。例年、桜がまだつぼみの頃に夜間のライトアップが始まり、点灯式には美篶小学校の児童たちも出席する。

きっかけは28年前、伊那市立美篶小学校の4年生が郷土学習で地域の用水路などの歴史を学ぶなかで、「三峰川堤防の桜並木を復活させよう!」と提案したこと。

市や地域の人たちと協力して、1997年から数年かけて染井吉野56本を植樹しました。郷土史に詳しく、三峰川筋を勉強している青島区田園地帯景観形成住民協定委員会委員長の矢島信之さんは、「児童たちの活動に刺激されて、近隣の青島、境の桜堤防も復活しました」と嬉しそうに話します。

現在、三峰川堤防で桜の植樹は行われていませんが、毎年、美篶小学校の4、5、6年生と地域の人たちが桜の保全活動に勤しんでいます。

伊那谷の桜文化

三峰川の右岸で桜の保全活動を行う児童たち。1998年から続く同校の伝統行事だ。

また、同校の2、3年生は遠足で近隣の桜の名所、六道の堤を訪問。幼少期から地元の桜に親しみ、自然を大切にする心を日々育む子どもたちがつくる美篶の未来は、さらに多くの桜に彩られたものになることでしょう。

伊那谷の桜文化熱心に指導するのは「伊那市桜守の会」のみなさん。




伊那谷とは


日本のほぼ中央に位置する長野県の南部、中央アルプスと南アルプスの間、南北約60キロ、東西約5キロの細長い盆地。伊那、駒ヶ根、飯田の3市と、上伊那、下伊那の2郡にまたがり、中央に天竜川が流れる。盆地でありながら標高は高く、伊那市役所は東京スカイツリーとほぼ同じ632メートル。県内では温暖な気候と豊かな水に恵まれた、農業が盛んな地域だ。
伊那谷とは

・大草城址公園
・高遠城址公園
・六道の堤
・宝積山光前寺
・三峰川堤防の桜並木

※名桜ツアーについては、後日配信の特集内で紹介します。

Information

三峰川堤防の桜並木(みぶがわていぼうのさくらなみき)

長野県伊那市美篶5392-4(三峰川レストパーク)周辺

アクセス JR飯田線「伊那市駅」から車で約10分
中央道伊那ICから車で約20分
  • 例年の見頃/4月上旬から中旬
    六道の堤(ろくどうのつつみ) 長野県伊那市美篶笠原 アクセス JR飯田線「伊那市駅」から車で約15分 中央道伊那ICから車で約20分 例年の見頃/4月上旬から中旬
撮影/本誌・西山 航 取材・文/清水千佳子
『家庭画報』2023年4月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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