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ますます旅が面白く! 名旅館とレストランを両方楽しむ「倉敷ローカルダイニングエクスペリアンス」

旅館を起点に街の美味を満喫する。新しい旅のスタイル「倉敷ローカルダイニングエクスペリアンス」

倉敷の街で始まった「倉敷ローカルダイニングエクスペリアンス」。1つの旅館に泊まりながら、倉敷美観地区にある様々なレストランで個性的な美味を楽しむという、今までにない体験型の旅に、あなたも出かけてみませんか?

旅館といえば部屋食。その土地ならではの食材を寛いだ空間で満喫する時間は、まさに旅館の醍醐味です。しかしその一方で、地元のレストランに足を運び、街の雰囲気も味わいたいと思うのも、また事実。

「倉敷ローカルダイニングエクスペリアンス倉敷川にかかる中橋のたもと、倉敷美観地区の中心部に位置する旅館くらしき。古くは江戸時代の砂糖問屋の屋敷と蔵を改装した、風情ある建物です。

「私どもの旅館は、ゆっくりと連泊して、倉敷を楽しみたいというお客さまが多いのです」と語るのは、倉敷美観地区を代表する一流旅館であり、倉敷ローカルダイニングエクスペリアンスを企画した「旅館くらしき」の女将・中村律子さん。

「倉敷ローカルダイニングエクスペリアンス旅館くらしきの女将・中村律子さん。朗らかな人柄を通して、お客さまへの温かいおもてなしの心が伝わってきます。

江戸の面影が残る美しい街・倉敷。その中心部にある旅館くらしきへ

江戸幕府の直轄領「天領」だった倉敷は、物資の集まる街として繁栄してきました。倉敷美観地区は、今も当時の面影を残す白壁やなまこ壁の屋敷が、倉敷川沿いに建ち並ぶ美しいエリアです。

「倉敷ローカルダイニングエクスペリアンス倉敷の要、大原美術館の向かいにある語らい座大原本邸(旧大原家住宅)。国指定重要文化財に指定された住居や蔵、美しい石畳や離れ座敷などを大切に保存し、歴史展示やライブラリー、カフェとして活用。セミナーなども行われています。写真は離れ座敷の庭から紅葉を愛でる中村さん。

倉敷出身の実業家で大原美術館の創業者としても知られる大原孫三郎が、用の美を探求する民藝運動を支援していたため、同美術館内の工芸館や倉敷民藝館などの観光施設も充実。街のあちらこちらで美しい暮らしのヒントを目にすることができます。のんびり、ゆっくり散策を楽しむのが似合う倉敷には、国内外から多くの観光客が訪れています。

「倉敷ローカルダイニングエクスペリアンス

「倉敷ローカルダイニングエクスペリアンス

「倉敷ローカルダイニングエクスペリアンス

その中心部に位置するのが旅館くらしきです。江戸時代の砂糖問屋の屋敷や土蔵を旅館として改装。美しい白壁、広々とした土間、日本庭園はもちろん、ゲストルームとして江戸末期の砂糖蔵を使用するなど、歴史と贅を凝らした8つの客室で人々をお迎えしています。料理旅館としてもつとに知られ、そのクオリティは折り紙付き。近隣から食事を楽しむためだけに訪れる方も多いといいます。

「倉敷ローカルダイニングエクスペリアンス築約165年の砂糖蔵を改装した「乾の間」。

「倉敷ローカルダイニングエクスペリアンス左は乾の間の和室からの眺め。隣に建つ考古館のなまこ壁を眺めながら本を読んだり、お茶を飲んだり。右は館内を彩る美しい花。倉敷らしい優しさが宿ります。

「倉敷ローカルダイニングエクスペリアンス

「倉敷ローカルダイニングエクスペリアンス瀬戸内の新鮮な魚介をたっぷりと。個性ある器も魅力的な、旅館くらしき自慢のお造りの盛り合わせ。〈左上から時計回りに〉九谷焼の器には赤貝、赤木明登さん作の漆器に盛られたかわはぎ、酒津焼にはさわらの焼き霜仕立てを。

「倉敷ローカルダイニングエクスペリアンス朝食はお客さまが席に着いてから作り始めるため、すべてができたて。魚は炭火で焼き、卵焼きもあつあつの状態。岡山県の名産品である黄にらを和えた大根おろしが添えられています。夕食で使った蟹の殻で出汁をとったり、端野菜を漬けものにするなど、小さなサステナビリティにも心を配ったメニューです。

倉敷全体の活性化を目指して始まった「倉敷ローカルダイニングエクスペリアンス」

しかし旅館くらしきの女将・中村さんは、倉敷という街全体のためにもっと何かができないかと常々感じていたといいます。

「倉敷のある岡山県は“晴れの国”と呼ばれるほど気候が温暖で、瀬戸内の海の幸、太陽を浴びて育った野菜や果物、そして山の幸まで、実に豊かな食材に恵まれています。当然、魅力的な飲食店も数多くありますが、そこへお客さまをご案内することがこれまではなかなかできませんでした」。

そこで思いついたのが倉敷ローカルダイニングエクスペリアンスでした。

それは旅館くらしきに連泊するお客さま限定のプランで、1泊目は旅館で夕食を召し上がり、2泊目以降はプロジェクトに参加している6つのレストランから好きなところを選び、新しい食体験との出会いを楽しんでいただくというもの。参加レストランはそれぞれとても個性的で、和食からイタリアンまでさまざまなジャンルが揃っています。

「倉敷ローカルダイニングエクスペリアンス参加レストランは、旅館くらしきを含めて全7軒。 詳しくはフォトギャラリーをご覧ください

「旅館の中だけにお客さまを閉じ込めてしまうのではなく、素晴らしい地元のシェフの方々と手を携えて、倉敷の街全体でお客さまをお迎えしたいと考えたのがきっかけです。最初はどのレストランも戸惑われたようでしたが、丁寧に時間をかけて話し合いを重ねながら理解していただきました」。

これまで旅館の中だけで完結していたものが、街へと広がっていく――それはつまり、倉敷美観地区の活性化にも大きく寄与していくことに繋がります。その土地の歴史的な価値に頼り、観光客が来てくれるのを待つだけではなく、新しい価値観を自分たちで生み出していこうという迎える側の心意気が、このプロジェクトの根底には感じられます。

「倉敷ローカルダイニングエクスペリアンス「倉敷ローカルダイニングエクスペリアンス」に参加している料理人の皆さん。左から「はしまや」の楠戸伸太郎さん、「浜吉」の髙吉昭夫さん、「旅館くらしき」料理長の市原茂和さん、女将の中村律子さん、「煉天地」の松浦保信さん、「倉敷一会」の秋山隼人さん、「ブリコール」の矢長謙三さん、「雲」の林 義浩さん。旅館くらしきの日本庭園にて。

「新しいことといっても奇をてらうのではなく、今、私たちが一番お届けしたいものを、今できる限りの力でお届けする。それを全うし、積み重ねていくことで、“また倉敷に行きたいな、倉敷っていつ行っても素敵な出会いがあるよね”と思っていただけるような街になることが理想です。お客さまのお役に立つことを、すべてにおいて優先することこそ、真のおもてなしだと思っていますので、こうした取り組みもまた、倉敷を旅した素敵な記憶の一つにつながってほしいと願っております」。

「倉敷ローカルダイニングエクスペリアンス」

旅館くらしき
岡山県倉敷市本町4-1
電話 086-422-0730
URL:https://www.ryokan-kurashiki.jp/dining-experience/

THE RYOKAN COLLECTION
URL:https://www.ryokancollection.com/ryokan/ryokan_kurashiki/

撮影/西山 航 動画撮影・製作/堀内祐輔 英語字幕/ロバート・キャメロン

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