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「古事記」の神様の名前一覧。初詣で神社へ参拝する際に、知っておきたい“大人の教養”

2022.12.19

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日本の絶景神社巡り 第4回(全19回) 心の平安と開運を祈願して、『古事記』ゆかりの神様に会いに行く、わが家に神様をお迎えする、という2つのアプローチで日本の神様と真摯に向き合います。前回の記事はこちら>>

知っておきたい『古事記』の神様


【日本人の教養】御神徳をいただいて運を開く!


神社を参拝する際「御祭神ってどんな神様?」と困らないように、改めて『古事記』を読み直さなくても起源や御神徳がわかる「神様事典」と「神々の系譜」をまとめました。神様への親しみが深まる平藤先生の解説付き。

〈監修〉平藤喜久子(國學院大學教授)


知っておきたい『古事記』の神様

別天つ神


コトアマツカミ

世界の始まりの元となった「造化三神(ぞうかさんしん)」を含む五柱の神のこと。最初に「天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ)」が現れて世界の中心が定まり、次に「高御産巣日神(タカミムスヒノカミ)」と「神産巣日神(カミムスヒノカミ)」が現れ、抽象的だった世界が具体化。「後に北辰信仰へ結びついていきました」

【御神徳】開運招福、延命長寿、安産守護など
【主な神社】東京大神宮(東京都)、千葉神社(千葉県)、秩父神社(埼玉県)、四柱大社(長野県)




伊邪那岐命 伊邪那美命


イザナキノミコト イザナミノミコト

知っておきたい『古事記』の神様知っておきたい『古事記』の神様【夫婦神、伊邪那岐命・伊邪那美命】天浮橋から天沼矛(あめのぬぼこ)で海をかき混ぜ、その滴る塩で作った「淤能碁呂島(おのごろじま)」に降りて結ばれ、日本の国土「大八島国」を造る。おのころ神社に立つ夫婦神の石像 写真/小林廉宜

国土を作った夫婦神。8つの島と35の神々を生み出した。火の神の出産で命を落とした伊邪那美命を伊邪那岐命が「黄泉国(よみのくに)」へ迎えにいった神話は有名。「神社の手水舎は、伊邪那岐命が黄泉国から戻ったときに行った“禊祓(みぞぎはらえ)”が原点です」

【御神徳】延命長寿、縁結び、出世開運など
【主な神社】多賀大社(滋賀県)、三峯神社(埼玉県)、江田神社(宮崎県)、筑波山神社(茨城県)




天照大御神


アマテラスオオミカミ

知っておきたい『古事記』の神様知っておきたい『古事記』の神様

【まばゆい光で照らす日本の最高神】天照大御神が天の岩戸に隠れたため、暗黒が訪れた神話は有名。宮崎には、天の岩戸が御神体の神社がある。天岩戸神社 天照大御神像 写真/yu_ya・PIXTA(ピクスタ)

伊勢神宮の内宮に祀られる天皇家の祖神様。伊邪那岐命が黄泉国から戻ったときに洗った左目から生まれた。世界でも珍しい女性の太陽神。「太陽神を日本の最高神としたのは、農耕の国にとって太陽の恵みが重要であったからだと思います」

【御神徳】国家安泰、五穀豊穣、開運招福など
【主な神社】伊勢神宮(三重県)、東京大神宮(東京都)、熱田神宮(愛知県)、仁科神明宮(長野県)




須佐之男命


スサノオノミコト

天上界で大暴れするも出雲国で八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治し、櫛名田毘売(クシナダヒメ)を救い英雄となる。このときに得た名剣「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)」は三種の神器の一つ。「八岐大蛇は斐伊川の水害を指すとも解釈されます。氷川神社の名は、この斐伊川に由来するそうです」

【御神徳】五穀豊穣、開運厄除、夫婦和合など
【主な神社】八坂神社(京都府)、須佐神社(島根県)、八重垣神社(島根県)、氷川神社(埼玉県)




櫛名田毘売


クシナダヒメ

クシ(霊妙な)+ナダ(稲田)を表し、稲作の女神。八岐大蛇の生贄になるところを須佐之男命に救われ、結ばれる。「二神が出雲に作り、暮らした須賀宮(現在の須我神社)で、須佐之男命が詠んだ歌は、最初の和歌とされています」

【御神徳】五穀豊穣、夫婦和合、縁結びなど
【主な神社】須我神社(島根県)、八重垣神社(島根県)、六所神社(神奈川県)、八坂神社(京都府)




大国主神(大穴牟遅神)


オオクニヌシノカミ オオナムチノカミ

知っておきたい『古事記』の神様知っておきたい『古事記』の神様
【最も知られた“国つ神”大国主神】「因幡の白兎」など話題の多さは誰にも負けない『古事記』の英雄。出雲大社では大国主大神(オオクニヌシノオオカミ)と呼ばれる。出雲大社むすびの御神像 写真/公益財団法人島根県観光連盟

国土を護り、出雲大社に鎮まった大地の神様。数々の試練を乗り越え、須佐之男命(スサノオノミコト)から認められ娘の須勢理毘売(スセリヒメ)を正妻として与えられる。「神話の中で一番もてた神。妻である女神は六柱、180の神様を得たことから縁結びの神に」

【御神徳】夫婦和合、病気平癒、縁結びなど
【主な神社】出雲大社(島根県)、北海道神宮(北海道)、酒列磯前神社(茨城県)




建御雷神


タケミカヅチノカミ

天照大御神の命である国譲りを成功に導いた神様。「地ならしをした神であることから、奈良の平城京が完成したときに護国のために、お祀りされていた鹿島から招かれたことも。その際、白鹿に乗って現れたことから、今も奈良の鹿は神使に」

【御神徳】武尊守護、国家鎮護、病気平癒など
【主な神社】鹿島神宮(茨城県)、春日大社(奈良県)、枚岡神社(大阪府)




事代主神


コトシロヌシノカミ

漁業の神様。建御雷神から国譲りを求められたときに、父の大国主神に代わって返答し、すぐに国譲りを誓った。「その際に、出雲国美保関で釣りをしていたことから、魚を釣り上げる姿で描かれ、恵比寿様として親しまれています」

【御神徳】大漁、海上安全、商売繁盛など
【主な神社】美保神社(島根県)、長田神社(兵庫県)、久伊豆神社(埼玉県)、大湊神社(福井県)




建御名方神


タケミナカタノカミ

戦いの神。建御雷神に国譲りを求められた際、戦いを挑むが降参し諏訪湖に逃げる。「鎮まった場所が現在の諏訪大社。武士の間で信仰が広まり、全国に諏訪神社ができました。戦国時代に武田氏と争った諏訪氏は、この神社の神職に由来します」

【御神徳】勝利祈願、武運長久、商売繁盛など
【主な神社】諏訪大社(長野県)、秋保神社(宮城県)、建御名方神社(島根県)




迩迩芸命


ニニギノミコト

天照大御神の孫で、天皇家の祖先。三種の神器を授かったとされる。「『日本書紀』では、天照大御神が高天原で育てていた稲も持ってきたとあります。日本人が米を大切にし、新嘗祭を重要視するのも、最高神からいただいたからです」

【御神徳】国家安泰、家内安全、五穀豊穣など
【主な神社】高千穂神社(宮崎県)、霧島神宮(鹿児島県)、新田神社(鹿児島県)




木花佐久夜毘売


コノハナサクヤヒメ

知っておきたい『古事記』の神様知っておきたい『古事記』の神様
【天皇家の系譜につながる子孫が誕生】迩迩芸命と木花佐久夜毘売以降、神と人間が近くなった。現在、陵墓(墓)とされるのもこの代から。 青島参道南広場の神話モニュメント。子どもは海幸彦、山幸彦たち。 写真/西山 航

富士山に宿る女神。大変な美女で知られる。木花は山桜を指す。「迩迩芸命(ニニギノミコト)と結ばれる際、姉であり永遠の命を象徴する石長比売命(イワナガヒメノミコト)も一緒でしたが、醜さを理由に返されました。この神話がきっかけで、天皇にも寿命ができたといわれています」

【御神徳】火炎消除、安産、航海守護など
【主な神社】富士山本宮浅間神社(静岡県)、浅間神社(山梨県)、箱根神社(神奈川県)




大山津見神


オオヤマツミノカミ

日本のすべての山を司る神様。木花佐久夜毘売の父。和多志大神(ワタシオオカミ)という別名をもち、「和多」は海を、「志」は司を表すため、海をも守護するといわれている。「木花佐久夜毘売が出産後に酒造りを行ったことから、父娘ともに酒造りの神に」

【御神徳】火炎消除、安産、航海守護など
【主な神社】大山阿夫利神社(神奈川県)、三嶋大社(静岡県)、大山祇神社(愛媛県)




火遠理命(山幸彦) 火照命(海幸彦)


ホオリノミコト ホデリノミコト

迩迩芸命と木花佐久夜毘売が産んだ二神。海幸彦が兄で山幸彦が弟。一夜で懐妊した木花佐久夜毘売が身の潔白を表明するために火を放った小屋で出産したことから、名前に火がついている。「海幸山幸の争いは、初代の天皇誕生につながります」

【御神徳】縁結び、夫婦和合など
【主な神社】粟鹿神社(兵庫県)、益救神社(鹿児島県)、潮嶽神社(宮崎県)




豊玉毘売


トヨタマビメ

神武天皇の祖母で大綿津見神(オオワタツミノカミ)の娘。山幸彦が失した海幸彦の釣り針を探しに訪ねた海神の宮殿で、出会い結ばれた。鵜葺草葺不合命(ウガヤフキアエズノミコト)を出産時、ワニ(鮫)の姿を見られたことを恥じ、海へ戻る。「山幸彦とは一目惚れ。転じて縁結びの女神に…」

【御神徳】子宝・子育て、安産祈願、縁結びなど
【主な神社】若狭姫神社(福井県)、海神神社(長崎県)、鹿児島神宮(鹿児島県)




神倭伊波礼毘古命(神武天皇)


カムヤマトイワレビコノミコト

山幸彦と豊玉毘売の孫。初代天皇。故郷の日向から、国を治める際に、よりふさわしい土地を求めて東へ向かい、最終的に奈良の橿原で即位した。「この東征の時に、熊野から大和へ向かう道案内を務めたのが、八咫烏といわれています」

【御神徳】国家安泰、延命長寿、開運招福など
【主な神社】橿原神宮(奈良県)




倭建命


ヤマトタケルノミコト

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【三重県の名前の由来となった倭建命】草薙の剣を持たずに伊吹山の神の成敗に出かけたため病となる。戻る途中、足を三重に折って倒れた地が三重県。 伊吹山頂上の倭建命 写真/オリバー ・ PIXTA(ピクスタ)

景行天皇の皇子。父の命で国の安定のため遠征を命じられる。伊勢にいた叔母の倭比売命(ヤマトヒメノミコト)が1本の剣を授け助ける。「火で攻められたとき、その剣で草を薙ぎ払ったことから『草薙の剣』の名がつきました。場所は今の焼津だといわれています」

【御神徳】国土安泰、商売繁盛など
【主な神社】熱田神宮(愛知県)、三峯神社(埼玉県)、草薙神社(静岡県)




神功皇后


ジングウコウゴウ

仲哀(チュウアイ)天皇の后。託宣を守らず神の怒りに触れて亡くなった天皇の代わりに、新羅を攻めて成功する。「妊娠中だったため、戦いの間に生まれないようにお腹に石を巻いて出兵。その後、無事出産を終えたことから安産の神といわれています」

【御神徳】安産、子育てなど
【主な神社】香椎宮(福岡県)、宮地嶽神社(福岡県)、柞原八幡宮(大分県)




応神天皇(八幡神)


オウジンテンノウ

仲哀天皇の皇子。日本で一番多い神社「八幡神社」の神様。「東大寺の大仏建立に協力したことから、八幡信仰が中央へ広まったといわれています。源氏の守り神でもあり、鎌倉幕府を開いた際にも八幡神を迎え、鶴岡八幡宮が生まれました」

【御神徳】武運長久、国家鎮護、殖産興業など
【主な神社】宇佐神宮(大分県)、石清水八幡宮(京都府)、筥崎宮(福岡県)

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=は婚姻関係
数字は皇位在位順位表記は「古事記」による
取材・文/小倉理加 ●特集内の表記、ふりがなは各神社、著者の指定に準じます。
『家庭画報』2023年1月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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