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“親孝行温泉”で薬湯や美食、絶景を楽しむ。家族の思い出に残る15の厳選宿へ

温泉エッセイスト・山崎まゆみさんが案内する “親孝行温泉”のすすめ

歳を重ね、旅行に不安を感じ始めた親世代と一緒でも、安心して訪ねられる湯宿が増えています。老若男女を問わず誰にとっても心地よい“親孝行温泉”へ出かけてみませんか。温泉エッセイスト・山崎まゆみさんが選ぶ15軒をご紹介します。

山崎まゆみさん(やまざき・まゆみ)
温泉エッセイスト、跡見学園女子大学兼任講師。温泉や旅、バリアフリー事情に詳しいエッセイスト。著書に『行ってみようよ! 親孝行温泉』(昭文社)、『女将は見た 温泉旅館の表と裏』(文春文庫)など。

母と娘の二人旅や家族旅行を延期にしている方も多いことと思います。コロナ禍において特に親世代は、家に閉じこもりがちな日々を過ごしているのではないでしょうか。

冷え込む冬は、やっぱり温泉です。ご存じですか、足腰が弱っていたり、車いすを利用する親を連れて行きやすい「優しい旅館」がたくさんあることを。それらは純和風の人気旅館にして、客室やお風呂にはユニバーサルデザインが取り入れられています。

例えば、つまずかないよう客室の床が全面フラットだったり、入浴中でも見守れるように客室に温泉が引かれたお風呂がある。あるいは貸し切り風呂が併設されていたり、中にはリフト付きのお風呂があることも。必要であれば入浴介助を外部に頼める制度もあります。

親御さんとのくつろぎの時間を過ごすために、親孝行温泉の旅へぜひお出かけください。それはかけがえのない大切な家族の思い出になります。

1.冷え性改善や美肌効果も抜群!
ひなの宿 ちとせ(新潟県 松之山温泉)

標高800mに位置する新潟県の松之山温泉。ここに海水よりもっと塩分濃度の高い温泉が湧くのは、太古の海水が日本列島の隆起によって地中に閉じ込められた「化石海水」が地熱で温められているから。

露天風呂「月見の湯」。

そんな稀有な特徴を持つ松之山温泉は、日本三大薬湯といわれ、豊富な温泉成分による温浴効果で血の巡りが良くなり、また、肌に塩分の膜を張るので、抜群の保温と保湿効果を誇ります。豪雪地帯にあるこの温泉で、雪見風呂を楽しみながら体の芯まで温まってください。

ユニバーサルデザインの客室「特別室【山ざくら】」。

また、「ひなの宿 ちとせ」は全館に畳が敷かれ、客室以外でも素足や足袋でくつろげることも人気の秘密。ユニバーサルデザインの和洋室は広く、車いすのままでも利用可能。ベッド2台と専用の半露天風呂が付いています。

特別室【山ざくら】の半露天風呂。

名物は地元産のブランド豚「妻有(つまり)ポーク」を温泉の熱で温めた「湯治豚」。柔らかく、肉のうまみと甘みが口の中で広がり、至福の味です。

Information
ひなの宿 ちとせ(新潟県 松之山温泉)
新潟県十日町市松之山湯本49-1
TEL:025-596-2525
https://chitose.tv/

 

2.親子ふたりで米沢牛を堪能する
時の宿すみれ(山形県 湯の沢温泉)

こんもりとした森の一角に佇むふたり専用の旅館「時の宿すみれ」。実家が米沢牛の卸業「黄木(おおき)」を営む黄木綾子さんが手がけるこの宿は、夕食に米沢牛のフルコースが楽しめます。

米沢牛の握り。

牛肉というと重たい夕食を想像するでしょうが、「お嬢さんといらした90歳のお母さまもぺろりと完食されました」(女将・綾子さん)。

「とも三角のすみれ漬け」。とも三角とは後ろ脚の外ももと内ももの間にある部位のこと。

牛の握りはまぐろのトロ以上に脂がのり、絶品の名物・とも三角のすみれ漬けは味噌酒粕風味。多彩な肉の部位と調理法を用いて飽きのこないコースに仕上げています。

ユニバーサルデザインの客室「みすず」は広く、車いすのままの利用が可能。

泉質は単純温泉で、透明感があり、光が反射するときらきらと輝く美しいお湯です。体力のない方も湯あたりしにくい泉質ですから、のんびりと堪能してください。

せせらぎが心地よい、清流に面した露天風呂「時と光の湯」。

Information
時の宿すみれ(山形県 湯の沢温泉)
山形県米沢市関根12703-4
TEL:0238-35-2234
https://www.tokinoyado.com/

 

3.目の前に太平洋が広がる絶景温泉
鴨川館(千葉県 鴨川温泉)

屋上にある温泉プールからは太平洋が一望できる。

窓を開けると潮風が吹いてきて、陽光で太平洋がきらめいています。浅瀬は淡い青色、遠くは群青色、そしてスカイブルーと青のグラデーションは見ていてため息が出るほど。

2019年のリニューアルオープンを機に誕生した客室「フレンドリールーム」。

この風景は半露天風呂がついたバリアフリー対応の「フレンドリールーム」から眺められ、部屋のベッドからも見ることができます。高齢者の中にはベッドに横たわる時間が長い方もいらっしゃるので、海を近く感じられる光景に心躍ることでしょう。

備え付けの半露天風呂は車いすが横付けでき、入浴しやすい作り。

この立地ですから海鮮はとびきりおいしい。和洋ビュッフェでは、和食は地元食材のご飯のお供たち、洋食は市内のブランド米「長狭(ながさ)米」の米粉を使い目の前で焼き上げるガレットがおすすめ。また赤ちゃん連れに好適なプランもありますので、3世代旅行でもぜひ足を運んでみてください。

Information
鴨川館(千葉県 鴨川温泉)
千葉県鴨川市西町1179
TEL:04-7093-4111
https://www.kamogawakan.co.jp/

 

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