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パリのアート巡りはモンパルナスで。散歩も楽しい庭園自慢の美術館へ

9月の都通信
秋、散策を楽しむ

都(MIYAKO)通信 今世界の都では何がHOTなの――?! 毎週木曜&金曜日は、東京・京都・金沢・パリ・NY・ハワイの6都市から、現地特派員が最旬ニュースをお届けします。木曜・金曜更新。都通信記事一覧へ>>

ブールデル美術館での「BACK SIDE」展の最初の部屋は、1961年に増築された、主にブールデルの大型の石膏像を並べた、グランドホール。左はクレア・ワイト・ケラーによるジバンシイ2018年春夏のドレス。©️Pierre Antoine

2019年、パリジャンも注目の展覧会がモンパルナスに集結!

(パリ特派員:大島 泉)

芸術の秋が到来です。2019年、芸術の都・パリで開催される数ある展覧会の中でも、特に素晴らしいと話題の展覧会をお目当てに、モンパルナス界隈の、庭園のある美術館を散策してみませんか。

モダンアートの聖地、モンパルナスへ

モンパルナスは、19世紀から20世紀にかけて、多くのアーティストたちがアトリエを構え、カフェに集い、「エコール・ド・パリ」と呼ばれる一派が生まれるなど、モダンアートにとってまさに聖地のような場所でした。

当時の雰囲気を楽しみながらアート鑑賞

ピカソ、シャガール、モディリアニ、キスリング、ジャコメッティ、藤田嗣治、デュシャン、ダリ、ドガ……。20世紀初頭のモンパルナスで過ごした芸術家は、錚々たる顔ぶれが揃います。現在は、巨大なターミナル駅を中心に高層ビルやモダンなオフィスなどが増えましたが、アーティストの使っていたアトリエや、往年の姿のままのカフェも残っています。

1.ブールデル美術館

ブールデルのアトリエに展示された、川久保玲によるコム・デ・ギャルソン1997年春夏の作品。デフォルメされた背中の形が、脇に置かれたブールデルの代表作の一つ「瀕死のケンタウロス」のポーズとも呼応しあっている。©️Pierre Antoine

彫刻家のアトリエで出合う「背中」の美

まずは、アート好きはむろんファッション好きにもおすすめの、アートとモードを融合した画期的な展覧会です。その名も、「BACK SIDE / Dos à la Mode (モードな背中)」という通り、後ろ姿から服を見て、人間の視線やファッションの移り変わり、女性の魅力について考察するというユニークな企画です。

展覧会のポスターにも使われている、印象的なブラックドレスは、マルティーヌ・シットボンの1997〜98年秋冬コレクションのもの。背後には、ブールデルの大作のケンタウロス。

この展覧会は、現在は改装工事中で閉館している、パリ市のモード博物館「ガリエラ宮」が、ブールデル美術館を借りての出張展という形になります。ブールデル美術館は彫刻家アントワーヌ・ブールデルのアトリエだったのですが、このことが、普通のファッション展とは一線を画した、深みを与えています。

ブールデルの彫刻と展示作品が調和する空間

ロダンのアシスタントからスタートしたブールデルの力強い彫刻と、広々としたアトリエ、庭園の美しい空間。その中に展示される服と彫刻たちの背中が、まるで饒舌に対話をしているような雰囲気に魅了されます。

カール・ラガーフェルドによるクロエ、1983−84年秋冬のドレス。

大小様々なアトリエに展示されている服は、アトリエの入り口に対してどれも背中を向けています。18世紀のドレスなどもありますが、メインは、20世紀から現代までのファッションです。

20世紀以降の名だたるファッションの「背中」が集結

バレンシアガやサンローランのクチュールドレス、アライアから、アレクサンダー・マックイーン、リック・オウエンス、山本耀司、コムデギャルソンまで。

アレクサンダー・マックイーンによるジバンシイの2000年春夏オートクチュールコレクションより、メタル製の薔薇のコルセット。

さらに、8本の映画の背中に注目したシーンだけを集めたビデオがあったり、写真家ジャンルー・シーフによる女性の後ろ姿のモノクロ写真のコーナー、背中にメッセージの書かれた服ばかりを集めたメンズのコーナー、などなど、数々のテーマで、ファッションに於ける背中について光をあてています。

2階のテラスから見下ろす、ブールデル美術館の庭

彫刻が点在する庭で一休み

ブールデル美術館の庭にはさまざまな花や木々が植えられ、小径には彫刻がそこかしこに飾られています。テラスから庭を見下ろしたり、中庭のベンチで休んだり、アート鑑賞のあとは緑の中で憩いのひとときを楽しめます。

Musée Bourdelle

18 rue Antoine Bourdelle, 75015 Paris
電話 +33 (0)1 49 54 73 73
開館時間 10時~18時
閉館日 月曜
入館料 10€
http://www.bourdelle.paris.fr/
※「BACK SIDE / Dos à la Mode」 (「モードな背中」)は2019年11月17日(日)まで。

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