麗しの宮殿ホテルに魅せられて インド 至高の旅へ第6回(全13回) 世界中のラグジュアリーな旅を経験し、本物を知る人たちが行き着くのがインドの地。偉大なる王、マハラジャたちが贅を尽くした宮殿ホテルで、これまでにない滞在を堪能できるからです。その絢爛たるインドと縁が深い、ジュエリーデザイナーの松下聖子さんにご案内いただきました。

歴史と最先端が息づく、刺激溢れるインドの首都
New Delhi(ニューデリー)

優美な白亜のコロニアル建築が魅力。世界4大“貴婦人”ホテルの一つ、「ザ・インペリアル・ニューデリー」
インドの玄関口・ニューデリーでは、インド初の西洋式ホテルとして誕生した「ザ・インペリアル・ニューデリー」に滞在を。アジアの名門ホテルの中でも、優美な白亜のコロニアル建築で有名な4軒を「ラ・グランド・ダム(偉大な貴婦人)」と呼びますが、ここはその一つです。

館内を飾る約5500枚の絵画は、世界最大級の個人アートコレクション。
ホテルの入り口では、素敵な衣装に身を包んだドアマンが心を込めて歓迎してくれる。

四柱付きベッドが特徴の「ラグジュアリー・スイート」(1室2名利用で1泊1室75万ルピー~)。ベッドの下など、ホテル全体に敷かれている約7000枚のカーペットはすべて手織りされたもの。

豪華な邸宅のように広々とした「ザ・インペリアル・スイート」(1室2名利用で1泊1室150万ルピー~)はホテルで最上位の部屋。

ホテルに飾られている豪奢な調度品を見るだけでも楽しい。
インドの迎賓館となる大都会のオアシス
ホテルの始まりは、英国統治時代の1936年に遡り、インド総督夫人の要望で建設。インド人と英国人が肩を並べることができる貴重な社交場として、両国の上流階級が集いました。歴史を変えた会合の舞台にもなり、マハトマ・ガンジーが未来を語ったテーブルも残されています。ヴィクトリア様式、ルティエンス建築、アールデコ様式が融合した空間で、場所により異なる時代を体験できます。
アールデコ様式でデザインされた「1911レストラン」テラス。朝食からディナーまで営業するブラッセリーでインドとヨーロッパ料理を味わえる。

「1911レストラン」のテラスに残されているマハトマ・ガンジーテーブル。ガンジーは、白いクルタを着て、この鋼鉄製のテーブルでインドの未来を描いていたそうだ。

天窓から自然光が降り注ぐ「アトリウム」では、木曜日から日曜日の15時から18時まで「アフタヌーンティー・エクスペリエンス」を開催。2860ルピー。

アフタヌーンティーは、厳選されたインドの高級紅茶やコーヒーと一緒に、美しいぺストリーやスイーツ、セイボリーメニューをビュッフェ形式で好きなだけ味わえる。

ディナーは有名なアジア料理レストラン「ザ・スパイス・ルート」がおすすめ。「マッサマン・ベジタブルカレー」(1750ルピー)は、目の前でスープを注いで仕上げてくれる。

「ザ・スパイス・ルート」の人気メニューの一つ「ギンダラ・ミソ・コッド」。タラの西京焼きのような味付けで、好みでゴマだれをつけていただく。きゅうりのピクルスが添えられている。4450ルピー。

「ザ・スパイス・ルート」は、風水に基づき設計されており、古代の雰囲気を感じる芸術的な内装が完成するのに7年を費やしている。とくに注目は、ケララ州グルヴァユールの寺院から特別に持ち込まれた壁画。草花の染料で丹念に手描きされたもので、今も美しい姿でゲストを迎える。

アトリウムの先に佇むバー「パティアラ・ペグ」。最大の魅力は、世界でここだけとされる120mlの巨大サイズで注がれる名物ペグです。20世紀初頭、パティアラ藩王国のマハラジャがポロの親善試合や宴でゲストを歓待した伝説に由来し、マハラジャの豪華絢爛なライフスタイルを今に伝えています。今日では「パティアラ・ペグ」といえば、ただの酒量にとどまらず、「惜しみない寛大さ」と「人生を大いに楽しむホスピタリティ」を意味する言葉として愛されている。

「インペリアル・スパ」のカップル向け「ムガル・スイート」は、ミラーワークの天井など精緻な装飾が美しい。

スパでは、専属のアーユルヴェーダ医師の診断とケララ出身のセラピストによる本格的なアーユルヴェーダのトリートメントを受けることもできる。

スパメニューの「インペリアル・アイコニック・マッサージ」(60分 13,000ルピー/90分18,500ルピー)では、アーユルヴェーダの叡智から生まれたカンサワンド(写真)で、体内の熱のバランスやエネルギーの流れを整えるマッサージを受けられる。カンサワンドは、インドでは癒しの金属と言われており、銅と錫を組み合わせた青銅で、持ち手は木製。日本のかっさのようで温めて使用する。

スパへは、大理石のらせん階段を降りていく。
最高級のホスピタリティを提供できる、その秘密とは
「ザ・インペリアル・ニューデリー」の真の魅力は、歴史を伝える建築物や内装ではなく、洗練されたサービスです。シニア・エグゼクティブ・バイス・プレジデントのルイス・サイラー氏は、こう語ります。
「私たちのサービスは、世代を超えて受け継がれてきたものです。それは、マニュアルに従うのではなく、心からゲストをもてなすということ。ホテルには、約1000人のスタッフがいますが、皆、単に働くためにホテルに来るのではなく、ホスピタリティの気持ちを持って、心を尽くすために毎日やってきます。庭師から、クリーニング担当、経理担当まで、職種や肩書きでの違いはありません。全員、同じファミリーです」。
ホテルで総支配人の役割を果たすサイラー氏。
週7日間、365日ホテルで働けるのが幸せで、毎日仕事に来るのが待ちきれないというサイラー氏は、次世代への継承も視野に入れてホテルの魅力を高める努力に邁進しています。
「どんなに些細なことでも、ゲストやスタッフにとって良いものであれば即座に取り入れたり、変更するために尽力しています。独立系ホテルのため、すぐに実行できる利点があります。料理は何度も試食を繰り返して完成されたものだけをメニューに。ブティックで扱うアイテムも全て目を通して厳選。自分でデザインしたものもあります。ときに皿洗いや大工、ウェイターなども担当します。館内の5000点以上の絵画も、実は私が全て飾る場所を選んで自ら壁に掛けました。現在、インドは発展の一途をたどり、人口の70%(約8億人)が30歳以下の若者です。彼らに、この遺産を受け継いでいくのが私たちの使命だと感じています」
THE IMPERIAL NEW DELHIJanpath, New Delhi, Delhi110001, India
1室2名利用で1泊1室3万5000ルピー~(朝食込み、税別)
宿泊の予約は、ザ・リーディング ホテルズ・オブ・ザ・ワールド TEL:0120-086-230
※料理はすべて税・サービス料別。客室はすべて朝食込み、税別。
(次回へ続く。
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