麗しの宮殿ホテルに魅せられて インド 至高の旅へ 第2回(全13回) 世界中のラグジュアリーな旅を経験し、本物を知る人たちが行き着くのがインドの地。偉大なる王、マハラジャが贅を尽くした宮殿ホテルで、これまでにない滞在を堪能できるからです。その絢爛たるインドと縁が深い、ジュエリーデザイナーの松下聖子(きよこ)さんにご案内いただきました。
ジャイプルで、世にも美しい宝石に出合う
世界各地から選りすぐられた多彩なジェムストーンが集まり、研磨やジュエリー製作が盛んなジャイプル。ラージマハル・パレスを建設した同じ王が、各地から腕のよい職人や宝石商を集めたことが始まりです。
世界的に有名なジュエラーと同じく、この旅の案内人である松下聖子さんにとっても特別な街。石の買い付けの合間に、ムガル帝国の貴重なコレクションも収蔵する隠れた名所、個人美術館「ギャン美術館」へ。
「アンティークジュエリーはもちろん、精緻な刺繡や細密画など時を経ても輝き、語りかけてくる美意識の極みに触れ、幸せな時間でした」この旅でインスピレーションを得たという松下さん。作品づくりに意欲的です。
ギャン美術館【観る】【買う】
2017年開業の「ギャン美術館」は、宝石商の家系であるダッダ家のコレクションを6000点以上展示しているプライベートミュージアム。故ギャン・チャンド・ダッダ氏が、16歳の時に両親から贈られたアンティークの水タバコのマウスピースに感銘を受けたことをきっかけに始めたコレクションが並びます。
インド全土から集めた工芸品はマハラジャの宝飾品に限らず、ムガル帝国時代の貴重な絨毯、細密画、繊細な刺繍がほどこされた民族衣装、16世紀のトランプなど実に多彩。ニューヨーク・タイムズ紙では、「インドで唯一、さまざまな工芸が一堂に介する私説ミュージアム」と絶賛されました。現在、息子のスレシュとアルン兄弟が美術館を守り、併設された工房では宝飾品の製作を行い、販売もしています。スレシュは、「毎日、この美術館で父が生涯をかけて集めた作品から感動的なエネルギーを受けています」と誇らしげに案内してくれました。
18世紀初頭のムガル帝国所蔵の金のボックス。彫刻が施されたエメラルドとスライスダイヤモンドが輝く。

18世紀後期製作のターバン装飾。

王族の特注品の素晴らしさに感動する松下さん。

19世紀から20世紀のヘッドオーナメントとノーズリング。

美術館を案内してくれたスレシュ氏。背景には、家族の思い出の写真が飾られている。

ギャンミュージアムに併設され、ジャイプルの他の地にもあるジュエリーショップ「ジェムパレス」は、四つ葉モチーフのジュエリーがアイコンになっている。それは、美術館の創業者ギャン・チャンド・ダッタ氏が見つけた四つ葉模様が浮き出たアゲートによる。彼は、ラッキーチャームとして、この石をいつもポケットに入れて持ち歩いていたそうだ。
GYAN MUSEUMG-1/21-23, Gems and Jewellery Zone, EPIP, SitapuraIndustrial Area, Sitapura, Jaipur, Rajasthan 302022, India
TEL:+91 72298 88866
(営)10時~17時
年中無休 入館無料 要予約
予約は
https://www.gyanmuseum.com/contact-us ジェム・パレス【買う】
ジャイプルの宝石の買い物では「ジェム・パレス」が外せません。1852年に創業し、現在9代目のサミールとシッダールトのカスリワル兄弟が当主を務めています。
伝統的なジュエリーから、モダンなデザインまで幅広い作品が並ぶ店内。

マハラジャの結婚祝いに作られたオウムの酒器。

美しいものが肌に触れるべきという考えから、ジュエリーの裏側に「クンダンミーナ」というエナメル装飾を施すのが伝統。右が装身の裏側。

秘蔵のエメラルドを見せてくれた9代目のサミールはジュエリーデザインも手がける。伝統的なインドの意匠やラジャスタン地方のキュでん、建築から着想を得つつも、若い世代にも響くコンテンポラリーなデザインを行なっている。

マハラジャの注文によるエナメル細工と宝石が彩るチェスの駒。
GEM PALACEShop No. 348, Mirza Ismail Rd,Jayanti Market, New Colony, Jaipur, Rajasthan 302001, India
TEL:+91 14123 74175
(営)11時~19時(月曜~土曜)、~18時(日曜)
年中無休

松下さんが創作するジュエリーは、写真のペンダントトップやリングのように、配色やフォルムに優しさを秘めているのが魅力。ジャイプルで出合った色石の美しさに惹かれて買い付け、特別に仕上げたジュエリーは、次回の家庭画報.com(https://www.kateigaho.com/)の記事にて発表・販売予定です。お楽しみに!
(次回へ続く)
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