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旅情溢れる北ヨーロッパ 知れば知るほど好きになる、ラトビアへ vol.3

2026.03.26

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バルト海に面し、森に抱かれた国、ラトビア。首都リーガの街並みには、幾重にも折り重なった歴史が静かに息づいています。独立回復35年を迎えた現在、豊かな自然と共生する伝統を背景に、洗練された食文化や手工芸、ピルツ(サウナ)文化が、今まさに花開いています。そんなラトビアへの旅を、シリーズでご紹介します。最終回の第3回は、ラトビアのガストロノミー・レストランと、アール・ヌーヴォー建築が並ぶ、欧州でも珍しい建築群についてです。
前回の記事はこちら→

モダンな新“バルティック・キュイジーヌ”と圧巻のアール・ヌーヴォー建築群を訪ねて

地域性と伝統をモダンに再構築。
ガストロノミーの最前線

評価と人気が年々高まっているという、ラトビアのレストラン。若手シェフが、豊かな自然環境のもとで育った良質な食材を使い、自由に、存分に腕を振るっています。

そんな新“バルティック・キュイジーヌ”を体現する店が、首都リーガから車で約1時間の距離にあるガウヤ渓谷近くの景勝地、リーガトネに位置する「パワール・マーヤ(PAVĀRU MĀJA)」です。


「パワール・マーヤ(PAVĀRU MĀJA)」の外観。1901年に産院として建設された建物をリノベーション。

「パワール・マーヤ(PAVĀRU MĀJA)」の外観。1901年に産院として建設された建物をリノベーション。


築120年を超えるレンガ造りの建物は、元は産院だったそう。1990年代に閉院され、廃墟となっていました。スローフードを提唱するシェフであり、鳥類の熱心な研究者でもあるエーリクス・ドレイバンツ氏が、ガウヤ渓谷で鳥類調査をしていた際にこの建物を見つけ、リノベーションしてレストランとして再生させました。そのため、インテリアには鳥の細密画が飾られています。こうしたストーリーも、このレストランの魅力の一つです。

グレーを基調としたシックなインテリアの「パワール・マーヤ」。鳥の細密画が飾られている。料理の説明をする、ヘッドシェフのユリス・ドゥカリスキスさん。

グレーを基調としたシックなインテリアの「パワール・マーヤ」。鳥の細密画が飾られている。料理の説明をする、ヘッドシェフのユリス・ドゥカリスキスさん。


食材のほとんどは地元産のもの。庭と温室で野菜や果物、ハーブを育てているほか、養蜂も行い、さらに地元の農家や漁師、猟師とも密接に連携し、生ごみをコンポストで堆肥にして畑で活用したり、近くの森にある洞窟で食材を保管したりするなど、サスティナビリティへの高い意識をもっています。その姿勢が評価され、持続可能性に真摯に取り組むレストランを評価する「ミシュラングリーンスター」にラトビアで唯一認定されています。

ちなみに、2025年時点のラトビア国内のミシュランスター獲得店は、「グリーンスター」をもつ当店のほか、一つ星が2店、ビブグルマンが5店あります。

手でつまんでいただく、一口大のアミューズ。手前は「大根とシーバックソーンのジュレ」。グリーンのメレンゲの上に大根のマリネと、栄養豊富なオレンジ色の実のシーバックソーンのジュレが重なり、トップにケールの葉を。後ろは「鹿肉タルタルのタルトレット」。

手でつまんでいただく、一口大のアミューズ。手前は「大根とシーバックソーンのジュレ」。グリーンのマカロンの上に大根のマリネと、栄養豊富なオレンジ色の実のシーバックソーンのジュレが重なり、トップにケールの葉を。後ろは「鹿肉タルタルのタルトレット」。


「パワール・マーヤ」のランチの一例をご紹介しましょう。リンゴとカシスを使ったウェルカムドリンクののち、アミューズ2品、冷たい前菜2品、温かい前菜、メイン、デザートのコースです。昔から食べられてきた地元の食材が、新しい調理法や斬新な組み合わせでプレゼンテーションされます。とはいえ、舌がびっくりするような実験的な料理ではなく、食感や見た目が楽しい、軽やかな味わいの皿が続きます。

「野生鹿のチョップ、プラムのピュレ、黒ラッパ茸」。

「野生鹿のチョップ、プラムのピュレ、黒ラッパ茸」。奥はキノコのクッキー。


メインは柔らかくしっとりと焼き上げられた野生の鹿肉で、野生キノコのソースのふくよかな香りとともに、するりとお腹に収まりました。プラムのピュレと、黒ラッパ茸が添えられています。奥のマッシュルームの形のものは、口の中いっぱいにキノコの風味が広がるクリームを挟んだクッキー。キノコ狩りが無形文化遺産リストに登録されるほど、ラトビア人にとって大切な食材である野生のキノコ。愛情が伝わってきます。

リーガ中心部でも、洗練された料理とモダンなインテリアの素敵なレストランやカフェがたくさん見つかります。共通するのは、すべての食材がフレッシュで風味が濃く、その素材のよさをそのまま感じさせる料理を目指していること。加えて、冬が長い国で培われた発酵や燻製などの保存食の伝統も、上手に取り入れられています。清潔で居心地がよく、リラックスしながらワクワクさせてくれるおいしい料理が楽しめて、価格も他のヨーロッパの国々に比べるとリーズナブル。今私たちが行きたいレストランの要素にぴったり当てはまるのではないでしょうか。

「ノーマ」の出現から注目された“ノルディック・キュイジーヌ”の次は、新しい“バルティック・キュイジーヌ”が世界を席巻するかもしれないという期待が高まります。

パワール・マーヤ PAVĀRU MĀJA
Pilsoņu iela 2, Līgatne, Līgatnes pilsēta, Cēsu novads, LV-4110
ランチ49.99€、ディナー99.99€ 要予約
https://www.pavarumaja.lv/en

旧市街とともに世界遺産に登録される
圧巻のアール・ヌーヴォー建築群

リーガのアール・ヌーヴォー建築の中心的存在である建築家のミハイル・エイゼンシュテインの代表作。中央の上部には、繁栄を象徴するピーコック(孔雀)のレリーフが。バルコニーに設置されたステンレスの彫像は、現在のオーナーが設置したもの。

リーガのアール・ヌーヴォー建築の中心的存在である建築家のミハイル・エイゼンシュテインの代表作。中央の上部には、繁栄を象徴するピーコック(孔雀)のレリーフが。バルコニーに設置されたステンレスの彫像は、現在のオーナーが設置したもの。


最後に、リーガの街並みについて。街の中心部は、2つの時代の建築によって彩られています。1つは、第1回の「クリスマス」で触れた、中世の街並みが残る旧市街。もう1つは、新市街にある、19世紀後半から1910年頃に建てられた「アール・ヌーヴォー(ユーゲン・シュティール)建築群」です。これらは併せて「リーガ歴史地区」として世界遺産に登録されています。

「アール・ヌーヴォー建築群」は、19世紀末に工業で栄え、大きな都市に発展したリーガで富を得た人々がこぞって建てた邸宅や賃貸住宅として建てられた建築群のこと。当時流行していた「アール・ヌーヴォー」の装飾が、成功の証として、こぞって取り入れられました。現在も約800棟が残され、一般住居やオフィス、カフェ、レストランなどとして現役で使われています。

エレベーターがなかった当時は最もよい階とされた2階と3階にオーナーが住み、1階は商業施設、4階以上は賃貸住宅として貸し出されることが多かったという。

エレベーターがなかった当時は最もよい階とされた2階と3階にオーナーが住み、1階は商業施設、4階以上は賃貸住宅として貸し出されることが多かったという。


ブルー、イエロー、ピンクなどのパステルカラーの外壁に、草花や動物をモチーフとした白いモールディング装飾が施された華やかで可愛らしい建物。こうした建物がところどころにあるのではなく、ずらりと並ぶ様子は、圧巻のひと言。装飾のディテールを愛でながら散策すると、時間がいくらあっても足りません。

コンスタンティーンス・ペークシェーンスが設計した「アール・ヌーヴォー博物館」の螺旋階段。

コンスタンティーンス・ペークシェーンスが設計した「アール・ヌーヴォー博物館」の螺旋階段。


加えて、この界隈には「アール・ヌーヴォー博物館」があり、こうした邸宅のインテリアとともに、当時の豊かな家庭の暮らしぶりを知ることができます。豪華なダイニングルームから子ども部屋、キッチンやメイドの作業部屋までが、当時の家具や食器、道具なども含めて再現されています。とくに螺旋階段は、誰もが写真を撮りたくなる美しさです。

アール・ヌーヴォー博物館
Alberta iela 12, Centra rajons, Rīga, LV-1010
10時〜18時 月曜定休 大人9€

リーガ市街地の中心にありながら
緑に包まれた「グランド・ポエット・バイ・セマラ」

ラトビア初の五つ星デザインホテル。運河が流れる公園が目の前に。

ラトビア初の五つ星デザインホテル。運河が流れる公園が目の前に。


中世の街並みが広がる旧市街、華やかで見応えのあるアール・ヌーヴォー建築群のどちらにも徒歩で行ける位置にある五つ星ホテル「グランド・ポエット・バイ・セマラ」。広大な公園に囲まれているため散歩も楽しく、静かな環境ながらアクセス抜群です。ラトビアらしくピルツ(サウナ)が併設されており、屋内プール、ホットタブ(浴場)とともに、宿泊客は無料で利用できます。

街全体がコンパクトなため、徒歩で観光や食事に出かけることができ、その行き帰りの道程も、目に入るのは、中世の石畳の街並みや運河のある公園など、“バルトの真珠”との誉高い、美しい場所ばかり。治安もよく、ディナー後でも安心してそぞろ歩きを楽しむことができます。タクシーやレストラン、ショップでは英語で問題なく会話ができ、人々もみな親切です。不安やストレスなく、旅情に酔いしれることができる街、リーガ。次の旅先としておすすめです。

グランド・スイートの客室。窓からはリーガ中央公園の素晴らしい景色を望むことができる。

グランド・スイートの客室。窓からはリーガ中央公園の素晴らしい景色を望むことができる。


Grand Poet by Semarah(グランド・ポエット・バイ・セマラ)
Raiņa bulvāris 5/6, Centra rajons, Rīga, LV-1050
全168室
https://grandpoet.semarahhotels.com/en/

ワルシャワ空港から、ヨーロッパ各国へ
深夜発で便利なLOTポーランド航空

成田/ワルシャワ便で使用されるボーイング787ドリームライナーのビジネスクラスの機内。

成田/ワルシャワ便で使用されるボーイング787ドリームライナーのビジネスクラスの機内。


2026年1月、成田/ワルシャワ線の就航10周年を迎えたLOTポーランド航空。日本からラトビアへはもちろん、ヨーロッパ各国への足がかりとして人気が高まり続けています。毎日運航する成田発の深夜便は、仕事を終えた後、または国内便の乗り換え後の出発に便利で、出発日の時間を有効に使うことができます。ビジネスクラスなら、搭乗後にフルフラットシートでぐっすり眠り、目覚めると早朝のワルシャワ・ショパン空港に到着。各国へのトランジットの空き時間は、ビジネスラウンジでゆったりと過ごすことができます。加えて、26年10月までは週最大3便に増便されます。旅の利便性がますます高まります。

文/安藤菜穂子
協力/ラトビア政府観光局 https://www.latvia.travel/ja
LOTポーランド航空/https://www.lot.com/jp/ja
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