
市川染五郎さんは今年3月、20歳になりました。奇しくも、そんな記念すべき年に初めてのヨーロッパ、パリの旅へ。多忙なスケジュールを縫って限られた時間の中で体感することができた染五郎さんの初パリの風景をお届けします。
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初めてのパリ滞在の拠点となるのは、まさにパリの心臓部といえるヴァンドーム広場。「ブシュロン」をはじめとする世界に冠たる宝飾店や歴史上のセレブリティ御用達の名門ホテル、官庁が軒を連ねる特別な場所です。

昔の商品取引所が、日本人建築家・安藤忠雄氏も参画した大改装によって現代美術館「ブルス・ドゥ・コメルス・ピノーコレクション」に変身。19世紀の壁画と21世紀のコンクリート。過去と未来が共鳴する空間で染五郎さんは大いにインスパイアされました。
Bourse de Commerce Pinault Collection
2 rue de Viarmes 75001 Paris
パリを代表する超高級ホテル「ル・ムーリス」のメインダイニングで、シェフのアモリー・ブワール氏と。「好きなアーティスト、ピカソやダリのここでの逸話を聞いて、何かご縁を感じました」と、シェフの料理も気に入られた様子の染五郎さん。

Le Meurice
228 rue de Rivoli, 75001 Paris
https://www.dorchestercollection.com/paris/le-meurice
ヴェルサイユ宮殿の「平和の間」に着想を得たダイニングで、アラン・デュカス氏監修のガストロノミーを堪能できる。
エッフェル塔を間近に望むドゥビリー橋で。「開放的な空間の中に、ドンと立っている。実際にここに立つと、エッフェル塔の“圧”をすごく感じます」。
海外は、台湾とアメリカは経験していましたが、パリは初めて。ほかのどことも違うし、よい意味でイメージどおりの風景でした。建物の装飾の一つ一つが芸術的で、伝統をすごく感じました。
けれども、昔から続いていることがただそのままあるのではなく、時代によって進化している。パリというブランドを大切に守っていることが強く感じられて、伝統と進化が両立しているところが素敵だなと思いました。
20歳、いわゆる節目の年といわれますが、あまり年齢を意識していません。年齢で区切るというよりも、その瞬間瞬間を大事に積み重ねる生き方をしたい。挑戦したいことがあるとすれば、今すぐにでもできるように努力する感覚でいたい。だから今この時期にここに来られたことが、今後に繫がる大きな経験だったと思います。
市川染五郎
2005年東京都生まれ。十代目松本幸四郎の長男。07年歌舞伎座『俠客春雨傘』で初御目見得。09年歌舞伎座『門出祝寿連獅子』で四代目松本金太郎を襲名し、初舞台。18年歌舞伎座、高麗屋三代襲名披露公演で八代目市川染五郎を襲名した。8月は「八月納涼歌舞伎」第二部『日本振袖始』『火の鳥』、第三部『野田版 研辰の討たれ』に出演。9月は「秀山祭九月大歌舞伎」に出演予定。