花の名所

旬のペレニアルガーデンおすすめ2選「十勝ヒルズ」&「風のガーデン」見どころ解説!

旬を愛でる花旅・庭めぐりとは…毎週水曜日は、ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが“今が旬”の花の名所情報をお届け。今回は宿根草が咲き誇る北海道の2つの庭を詳しくご紹介します。

旬を愛でる花旅・庭めぐり(40)今が旬。北海道のペレニアルガーデン2選~北海道・十勝ヒルズ、風のガーデン

ミューレンベルギア カピラリスの花

ピンクから赤紫のグラデーションがエレガントなボーダーガーデン。手前の煙るように繊細な花はミューレンベルギア カピラリス。晩夏から秋には穂が赤く色づくさまが美しく、最近人気上昇中のグラス。

今なら宿根草とバラが共演するシーンが見られます!

十勝エリアの「十勝ヒルズ」「十勝千年の森」「六花の森」「真鍋庭園」「紫竹ガーデン」、富良野の「風のガーデン」、旭川の「上野ファーム」「大雪 森のガーデン」。

この8つの庭を結ぶ約250kmが「北海道ガーデン街道」と名づけられ、花好き、旅好きの方々に人気となり、今やこの庭めぐりは旅行パックとしても定番となっています。

北海道の庭をめぐるなら、初夏の宿根草とバラが共演する今が絶好のチャンス。8つの庭はいずれも宿根草が咲き誇り、美しいシーンを堪能できますが、雑誌やガイドブックでもたびたび紹介されていますので、今回は個人的におすすめの2つの庭を取りあげてみます。

セレクトの基準は、植物構成、庭づくりの楽しさ。「この庭のこんなシーンが自宅の庭にもあったらな〜」という視線で選んでみました。

ちなみに宿根草は英語でペレニアルプランツ。宿根草が美しい庭のことをペレニアルガーデンといい、イングリッシュガーデンのもっとも魅力的なスタイルの庭です。

十勝ヒルズのローズガーデン。紫のサルビア・ネモローサ、薄紫のネペタ。ピンクのバラ

「十勝ヒルズ」のローズガーデンは今が旬。「おいしい香り」を持つバラという品種選びのコンセプトが楽しい。手前の紫はサルビア・ネモローサ、奥の薄紫はネペタ。バラのピンクをよりエレガントに見せるカラーコーディネート。

真似てみたくなる愛らしいシーンに次々出会える!
「十勝ヒルズ」

「もし私が庭を持っていたら、このシーンをぜひ真似てみたい」そういうシーンと一番たくさん出会えたのが「十勝ヒルズ」です。

帯広市を見下ろす丘の上に「十勝ヒルズ」はあります。農と食のテーマパークをコンセプトにしたガーデンで、花の庭のほかに無農薬・有機野菜を栽培するファームもあり、園内のレストラン「ヴィーズ」では、ハンガリーから招いたシェフが作る畑で収穫した新鮮な野菜を使った数々の料理も楽しめます。

ガーデン内には約1000種の草花や樹木が植えられていますが、まず嬉しくなったのが樹木のセレクトの素晴らしさです。葉色が明るい木やシックな銅葉の木など、庭に植えたいシンボルツリーの人気品種がたくさんあり、お気に入りを見つけるたびに「うちのシンボルツリーはコレにしよう!」などと、勝手に想像をめぐらして楽しんでいました。

とくに魅力的だったのが、ヤマボウシのピンク花品種‘サトミ’。ヤマボウシといえば白花が定番ですが、ピンク花のなんと愛らしいこと! 最近では庭木として住宅地でも見かけるようになりましたが、ここで咲く‘サトミ’のピンクがとても鮮やかで、また、木の足元の宿根草ボーダーとのコーディネートもセンスがよく、このシーンをそっくりそのまま持ち帰りたくなりました。

ピンクのサトミの花

愛らしいピンクの花が並び咲く‘サトミ’は庭のシンボルツリーとして人気が高い。こんなに色鮮やかになるのは、冷涼な気候のせい?

イングリッシュローズ29種、フレンチローズ3種、原種のバラ3種が咲くローズガーデンも「十勝ヒルズ」の大きな魅力です。バラは本当に品種が多く、どれを植えようか迷う方も多いと思いますが、ここのバラ選びのコンセプトがとてもユニークで「おいしい香りのバラ」。リンゴ、洋ナシ、ベリー、ハチミツ、ワイン、ティー、バニラなどの香りがするバラがあるそうなので、ぜひ1種ずつ香りを確かめてみてください。

木を見上げ、花を愛でながら庭を歩き、丘の上で澄み切った空気を吸っていると、体の中から浄化されていくような気持ちよさに。やはり庭めぐりは心も体もリフレッシュしてくれるものだと実感させてくれる「十勝ヒルズ」でした。

ちなみに園内の敷地からは豊富に水が湧き出るため、花や野菜の水やりも料理に使う水もその湧き水を使用しているそうです。ガーデン入り口には、湧き水が自由に飲めるウォータープレイスが設置されていますので、みずみずしくさわやかな湧き水で喉を潤してみてください。

ピンクのラッセルルピナス

イギリスのガーデンでは定番の花ラッセルルピナス。温暖地では冬越しができず一年草扱いとなるが、北海道では宿根して見事な株姿を楽しませてくれる。

和名がホタルブクロで知られる紫色のカンパニュラ・プンクタータ

和名「ホタルブクロ」で知られるカンパニュラ・プンクタータが見事な大株に育ち、たくさん花を咲かせている。細長いベル型の個性的な花をじっくりと愛でてみて。

10年目を迎えるガーデンはさらに美しくボリュームアップ!
「風のガーデン」

富良野のペレニアルガーデン風のガーデン

今年10周年を迎える富良野の「風のガーデン」。大株に育った宿根草がボリュームのある景色を見せてくれる。右奥の白いリーフの木はヤナギの仲間のハクロニシキ。庭のそこここに植えられ、軽快な花色がアクセントになっている。

脚本・倉本 聡、主演・中井貴一で人気を博したドラマも放映から10年が経ったのですね。ドラマの舞台となった富良野の「風のガーデン」は、今年10周年を迎えます。ドラマが始まる2年前から庭づくりは始まっていたので、庭の植物たちはすでに12年経過しているものもあると思われます。

北海道の庭の中でももっとも知名度が高く、人気があるので、あえてここで紹介しなくても、とも考えたのですが、やはり「風のガーデン」の植栽は魅力的です。

時間を経過して木々が育ち、株が充実して、オープン当初よりボリューム感が出て、同時に庭としての落ち着きや風格も増してきた感があります。以前に来園したことがある方も、ぜひこの充実た景色をもう一度見に訪れてほしいと思います。

「風のガーデン」の一番の魅力は、ナチュラルな植栽。それはさまざまな種類の宿根草が交じり合って咲くようにデザインするヘッドデザイナーの上野砂由紀さんのセンスとスキルによるものでしょう。

イングリッシュガーデンでは花が交じり合いながら咲く様子をミキシングと表現しますが、「風のガーデン」のミキシングは本当に繊細。入り交じる様子が庭全体に広がっているので、カメラを構えると、どこで切り取ってよいか悩むほどです。

周囲を木々に囲まれ、ひっそりと静かに佇むガーデンですが、やはりこの時期は来園者も多く、なかなかその魅力を堪能できません。そこでおすすめなのが「モーニングガーデン」。8月下旬までは朝6時30分からオープンしているので、朝食の前に庭めぐりをしてすがすがしい空気を味わってみてはいかがでしょう。

風のガーデンに咲く宿年草

こんもりと大株に育った宿根草が小径沿いに並ぶ。乱れない姿で美しい花を咲かせるのはやはり冷涼な気候の北海道ならでは。もちろんガーデナーさんの手を抜かない管理の結晶。

十勝ヒルズ
北海道中川郡幕別町字日新13-5
アクセス:JR「帯広駅」より車で約15分。
入園料:800円
電話:0155-56-1111
開園期間:4月下旬〜10月下旬
開園時間:9時〜18時
無休
http://www.tokachi-hills.jp

風のガーデン
北海道富良野市中御料 新富良野プリンスホテル内
アクセス:JR「富良野駅」より新富良野プリンスホテルまで車で約10分。ホテル内「風のガーデン」受付より送迎車にて約5分。
入園料:800円
TEL:0167-22-1111(新富良野プリンスホテル)
開園期間:4月28日〜10月14日
開園時間:8時〜18時(6月中旬〜8月下旬は6時30分オープン)、8時〜16時(10月1日〜14日)
無休
http://www.princehotels.co.jp/furano-area/summer/garden/

高梨さゆみ/Sayumi Takanashi

ガーデニングエディター

イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。現在は、種苗会社の会員向け月刊誌のほか、園芸雑誌などの編集に携わる。

写真/横田秀樹

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