花の名所

北アルプスを望む予約制の癒しの庭。ラ・カスタ ナチュラル ヒーリング ガーデン

旬を愛でる花旅・庭めぐりとは…毎週水曜日は、ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが“今が旬”の花の名所情報をお届け。今回は初夏の宿根草とバラが美しく咲き誇る庭をご紹介します。

旬を愛でる花旅・庭めぐり(36) 華やかにして静謐。1日100人限定の癒やしの庭〜長野・ラ・カスタ ナチュラル ヒーリング ガーデン


かわいらしいカフェに絡む華やかなピンクのバラは‘スパニッシュビューティ’。花びらが波打つさまが美しい。カフェの前のシーズンガーデンは旬の花で美しい色に染まり、夢のような光景に。

五感で感じる癒やしの庭は、心揺さぶる美しさ

北アルプスの麓に広がる安曇野に感動するほど美しい庭があります。「ラ・カスタ ナチュラル ヒーリング ガーデン」。
「ラ・カスタ」といえばご存じの方もいらっしゃるでしょう。化粧品メーカーのアルペンローゼ株式会社を代表するブランドで、1996年に日本でいち早く精油を取り入れた上質のナチュラルヒーリング化粧品です。

「ラ・カスタ」のブランドテーマは「植物の生命力と癒し」。それを庭に表現したのが「ラ・カスタ ナチュラル ヒーリング ガーデン」です。

庭のコンセプトは五感で感じること。眺める、触れる、香る、そして、湧き出る清らかな水音や鳥の声を聴き、深呼吸して澄み渡る空気を味わう。
そんなコンセプトをじっくり堪能していただけるようにと、このガーデンは予約制になっています。それも1日100人までの限定です。

たしかに、伸びやかに成長した木々の間を、美しい花に囲まれながら歩いているうちに、慌ただしい日常などすっかり忘れ、心地よい気分になってきます。
しかし、私の場合は庭のあまりの美しさに心が揺さぶられ、癒やされるというよりむしろ華やかなる興奮状態に陥りました。

さあ、その感動的なシーンをご紹介しましょう。


フレッシュな緑の中に、シラカバの美しい木肌がひときわ映える。その向こうには残雪を抱える北アルプス。その雪解け水の音が耳に心地よい。写真/高梨さゆみ

鮮やかな花々に染められた庭の借景は、残雪のアルプス

全国各地の数々の庭を訪ねてきましたが、「ラ・カスタ ナチュラル ヒーリング ガーデン」ほど立地条件が魅力的な庭は、そうそうないと思います。
さまざまな花色で染められた花壇から、視線をゆっくり上げると、目に映るのはまだ雪の残る北アルプスの峰々がそびえ立つまさかの借景。

「これはもう反則級でしょう」と思わず独り言ちる私・・・・・・。こんなにダイナミックかつ荘厳な美しさを背景にもつガーデンには、なかなかお目にかかれません。


バーバスカムやベロニカの繊細な茎がまっすぐに立つ姿が心地よい。種から育苗した花々はどれも健やかに育ち、元気に花咲く。写真/横田秀樹

さらにすごいと感じたのは、その恵まれた背景に甘えない庭づくりをされていること。
小径を歩きながら、さまざまな草花が交じり合うボーダーガーデンをじっくり堪能しているうちに気がつきました。この庭の植物はいずれも、茎がまっすぐにしゃんと自立し、とても健やかに育っているのです。

ガーデナーさんにお話を伺って納得しました。
ここでは1年草についてはほぼ100%、宿根草もほとんどを自社農園で生産しているのだそうです。ほかの土地で育苗した市販の苗ではなく、この土地で育った苗を適期に庭に植え付けているため、草花は環境の変化によるストレスを感じることなく、健やかに育つというわけです。

また、植物の組み合わせのセンスのよさにも驚きました。花壇によってテーマがありますが、異なる花色、花形の交じり合いがとても繊細で自然な景色を生み出しています。

美しいだけでなく、どこか静謐さを感じさせる植栽。これはガーデナーさんたちの日々の管理のよさが生み出すものだと思います。


フレッシュな緑の中であでやかに咲くジギタリス‘イルミネーション’。花合わせの妙が生み出す絵のような1シーンがこの庭ではたくさん見つかる。写真/横田秀樹


貴族の館のような建物は「ファクトリー」。じつはこの庭はラ・カスタ製品の工場の位置づけにあり、ファクトリーの1階では精油を充墳する作業が行われている。2階では自分好みの香りを調香できる「香りの手作り体験工房」があり、3階、4階の展望室からは庭全体を俯瞰で眺めることができる。写真/横田秀樹

バラが旬のいま、ガーデンはさらに香り高く華やかに

開花がとても早かった今年のバラ、見逃した方もいらっしゃるのではないでしょうか。
またもう一度バラを愛でたいという方も、ぜひ6月上旬の「ラ・カスタ ナチュラル ヒーリング ガーデン」をお訪ねください。

静謐な庭の空気をさらに気品高くするかのように、庭のそこここにバラが咲き誇ります。

種類豊富に植えられたバラの中でもとくに注目なのが、オールドローズの‘ロサ・アルバ・セミプレナ,です。
「ラ・カスタ」のヘアケア、バス&ボディ、フレグランスがラインナップされている「ホワイトローズ シリーズ」にはこのバラのエキスが配合されています。
ファクトリーの入り口横にあるガーデンに咲いていますので、みずみずしく、ほのかに甘いエレガントな香りを感じてみてください。

また、バラには少ないブルーの品種‘ブルー・フォー・ユー’にもご注目を。温暖地では、どうしても本来の花色が淡くなりがちですが、寒暖差の大きなこの地では、鮮やかな青紫がとてもきれいに出ています。
憧れのブルーローズをじっくりご堪能ください。

庭を一回りしたら、カフェでドリンクを購入し、パラソルの下で庭全体を眺めながらの一休みもおすすめです。
さわやかな甘みの冷たいラズベリー&ローズティーを飲めば、心もからだもすっきりして元気になり、もう一巡り庭歩きを楽しみたくなります。

ファクトリーの2階にある「香りの手作り体験工房」では、自分好みの香りをブレンドできるので、庭旅の記念にぜひ、体験してみてください。自分への素敵なお土産になりますよ。

ホームページで予約状況が公開されているので、ホームページ上、または電話でお早めに予約してお出かけください。


濃淡ピンクのバラが絡まるストーンアーチは、何度も通りたくなる魅力的な場所。

Information

ラ・カスタ ナチュラル ヒーリング ガーデン

長野県大町市常盤9729-2

アクセス JR大糸線「安曇沓掛駅」下車、徒歩約5分。
入園料 1000円。香りの手作り体験工房は別途1000円。
TEL 0261-23-3911 ※事前予約は電話、もしくはホームページから。
開園時間 10時〜17時(4月、10月〜11月は16時閉園)
休園日 水曜(祝日の場合は翌日) ※冬期は休業

http://www.alpenrose.co.jp/garden/

高梨さゆみ/Sayumi Takanashi

ガーデニングエディター

イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。現在は、種苗会社の会員向け月刊誌のほか、園芸雑誌などの編集に携わる。

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