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繊細な姿から“アン王女のレース”と呼ばれる、ロマンチックな花「ダウカス」

2023.06.02

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365日 花散歩に出かけよう 日々、何気なく歩く道や街で出会う花や花木の名前がわかれば、もっと散歩が楽しくなります。ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが、季節の花や花木を毎日紹介。住宅街でも見つかる身近な植物や、人気の園芸品種もピックアップ。栽培のコツも紹介します。一覧はこちら>>

ダウカス


ダウカス
シックな赤花を咲かせるダウカス‘ダーラ’。切り花でも人気の高い品種です。

■属科・タイプ:セリ科の一年草
■花期:5月〜6月

■草丈:80〜100cm

「アン女王のレース」と呼ばれるロマンチックな花


ニンジン、セロリ、フェンネル、イタリアンパセリ、コリアンダー、ミツバ……。セリ科の野菜&ハーブはなんと素敵な花を咲かせるんでしょう!まるでレース編みを見ているようで、私はセリ科の花が大のお気に入りです。

庭づくりで活躍するセリ科の花もたくさんありますが、なかでも大きな花房をつけるのがダウカスです。セリ科ニンジン属の植物で、ノラニンジンの和名でも知られています。

その繊細な様子からQueen Anne's lace(アン女王のレース)という素敵な英名がつけられています。また、ノラニンジンと同じ意味のワイルドキャロットと呼ばれることもあります。

ダウカス
白花のダウカス。小さな花が集まってこんなに繊細な花房になります。レース編みのよう、とたとえられるのも納得です。

4年前の初夏にスコットランドを訪ねた際、道端で元気に咲いているダウカスを見つけ、こんなに逞しい花だったのかーと驚きました。

ある朝、河原を散歩していると、一面にダウカスが花を咲かせているシーンに出会いました。ダウカスは高温多湿に弱い性質で、日本では群生している景色には出会えないため、初めて見る群生に心が震えるほどうれしくなって、その中に入り込んでダウカスを満喫しました。

泊めていただいたB&B(ベッド&ブレックファスト)に戻り、宿の奥さまにダウカスがとても素敵だったと熱く語ると、「この辺では雑草よ。こぼれダネで増えてしまって大変なの」と笑われました。ダウカスが雑草とはなんとも羨ましい限りです。

さて、ダウカスによく似たセリ科の植物にAmmi=アミがあります。日本ではホワイトレースフラワーとして切り花でよく利用されている花です。

よく似ていますが、花房をよく見ると違いがわかります。ダウカスはごく小さな花が一つの大きな花房になり、アミは小さな花房が少し間隔をあけてつきながら大きな花房をつくります。MEMOで写真を紹介しますのでご確認ください。

最近では、観光ガーデンなどで暑さや湿度の対策を施しながらダウカスを咲かせているところが増えてきました。プロのガーデナーさんたちもダウカスの繊細な花に魅力を感じているのだと思います。もし冷涼な気候のエリアに出かける機会があったら、ぜひ探してみてください。

栽培の難易度


栽培の難易度 ★★☆☆☆

日当たり、風通しともによく、水はけのよい土壌に植えます。セリ科の植物は直根性で、根を傷めると成長に影響するため、植えつけ時に根をいじらず、根鉢のまま穴に置きます。植えつけ時に元肥を施し、たっぷり水やりしたら、その後は雨まかせでかまいません。追肥も必要ありません。花が終わったら花茎ごと摘み取ります。

【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる

高梨さゆみ/Sayumi Takanashi

イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。
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