思わず触りたくなる「ネコヤナギ」。シルバー色の花穂はシルクのような手触りです

ネコヤナギ

シルバー色の花穂がたくさんつくと、春にだいぶ近づいていることを感じます。本当にネコのしっぽのようでかわいらしい！

■属科・タイプ：ヤナギ科の落葉低木
■花期：2月下旬〜4月

シルバー色の花穂はシルクのような手触りです

ネコヤナギのやわらかな銀毛に包まれた花穂を見つけると、思わず触りたくなる衝動にかられます。すべすべの滑らかな手触りがとても心地よく、申し訳ないと思いながら何度も繰り返し触ってしまいます。

この花穂がネコのしっぽのようなことからネコヤナギとつけられましたが、河原などによく自生することからカワヤナギという名前もあります。

お正月のアレンジに切り花のネコヤナギがよく利用されますが、これは芽が出たタイミングで暖かい場所に移して管理し、早く花穂を出させたもの。自然に花穂が出るのは、ちょうど今頃からです。

花穂といっても、じつは開花しているわけではありません。ネコヤナギは雄株と雌株が別々の雌雄異株（しゆういしゅ）で、雄株は雄花を、雌株は雌花を咲かせます。シルバー色の花穂をよく観察していると、4月上旬くらいから、おしべまたはめしべがたくさん伸びてきます。

花弁などはなく、このしべが花そのもので、先端の葯が開くと黄色い花粉が出てきます。シルバー色の花穂は知っていても、ネコヤナギの花そのものは記憶にない方も多いのではないかと思います。散歩道でネコヤナギを見かけたら、ぜひ4月くらいにもう一度訪ねて観察してみてください。今までのネコヤナギのイメージとは異なる不思議な印象がありますよ。

さて、ネコヤナギにはピンクの品種もあることをご存じでしょうか。産毛はシルバー色ですが、その下が赤紫色なので、花穂全体が優しいピンク色に見え、とてもかわいらしい印象です。

最近ではピンクネコヤナギを植えているお宅も見かけるので、散歩道で出会える可能性もあると思います。「これ、いいなぁ。素敵だなぁ」と見かけるたびに思うほど魅力的なので、ぜひご注目ください。


花穂を覆う産毛はけっこう長く、これがシルクのようななめらかな手触りを生み出します。あっちこっち向いて花穂がつく様子も愛らしい！

栽培の難易度

耐寒性・耐暑性に優れ、丈夫で育てやすい性質です。湿気のある土壌を好むものの、乾燥にも耐えるので、土壌は選びません。植えつけ時に元肥を施せば追肥の必要はなく、翌年以降も追肥は必要ありません。成長が早いので、花後の5月に枝を短く切り戻す剪定を行います。その際に枯れた枝を取り除きます。手間がかからず、育てやすい低木です。

【難易度】
★　容易・初心者向け
★★　標準・初級〜中級者向け
★★★　少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★　難しい・上級者向け
★★★★★　栽培環境が限られる