2月以降は春咲きのツバキが見ごろに！人気＆おすすめ品種を一挙紹介

早春〜春咲きのツバキ

ピンクのツバキの代表ともいえるのがこの品種。‘乙女椿’は2月から咲き出します。生け垣などにもよく利用されるので、このかわいらしさを散歩道で堪能できるかもしれません。

■属科・タイプ：ツバキ科の常緑高木
■花期：2月〜4月

あでやかに、華やかに、ツバキのシーズン到来です

以前冬咲きのツバキを紹介しましたが、1月から咲く早春咲き、さらに2月から咲き出す春咲きが加わり、品種がぐっと増えて華やかになってきました。今回は早春以降に咲くツバキを一気に紹介します。

ツバキを気にしながら散歩をしていると、本当に多くの場所に植えられているのを実感します。とくに垣根仕立てにしているところが多く、さすが日本原産の花木と納得。日本の環境に適し、丈夫な性質で元気に育ってくれるからこそ、垣根という重要な場所に使われるわけですから…。

ちなみにツバキの学名はCamellia japonica（カメリア・ジャポニカ）。ツバキは日本に多く自生するため、学名にジャポニカとつけられていますが、台湾や朝鮮半島、中国の一部も原産地とされています。

日本では江戸時代に園芸ブームが何度か生じましたが、最初のブームはツバキだったそうです。江戸幕府2代将軍の徳川秀忠、3代将軍の徳川家光は共に花好きで、とりわけツバキを好み、全国から名花を集めて江戸城内に植えてコレクションをしたそうです。そのためツバキの育種が盛んに行われ、のちに「寛永の椿」と呼ばれるほどブームになったといわれています。

江戸時代は鎖国が行われていましたが、ツバキは長崎の出島から海外にも運び出され、その華やかな美しさは海外の人々に絶賛されました。イギリスの著名な造園家ジョン・クラウディス・ラウドンは「花の少ない冬季に、まるでバラのように存在感のある花を咲かせる」とツバキを絶賛。造園デザインにも積極的にツバキを利用したそうです。

その後、海外でもツバキは多くの品種が育種されています。そんな海外生まれのツバキの多くはこの時期から咲き出します。花のサイズが大きく、より華やかな印象のツバキを見かけたら、海外生まれの品種かもしれません。

下のMEMOでは各地のツバキ園やガーデンで見かけ、とりわけきれいだと感じたツバキを紹介します。お気に入りのツバキがあったら、散歩道でも探してみてください。


‘乙女椿’は千重咲きの中輪種で、丸みのある花形の愛らしさが魅力。ツバキの特徴の一つである黄色いしべが見えないので、よりピンクの優しい印象が強く感じられます。

栽培の難易度

苗木の植えつけは10月〜翌年5月までが適期です。耐陰性があるので、北側の庭など、日照時間が少ない場所でもよく育ちます。植えつけ前に完熟堆肥・腐葉土などを土にすき込み、ポットから取り出した苗を根鉢を壊さないようにセットし、すき間を土で埋めます。植えつけ時にたっぷりと水やりしたら、あとは雨まかせでかまいません。花が終わる頃に緩効性肥料を株元に施します。ツバキは花が終わりに近づくと、花ごとぽろっと落下しますが、たくさん咲いているようなら、花弁が茶色くなってきた時点で花をカットすると、美しい見栄えが保てます。剪定は3月〜5月に行います。周囲の景色が透けて見える程度に、枯れた枝や古い枝、長く伸びすぎた枝をカットします。欲しい樹高まできたら、それ以上に伸びている枝をカットすると、コンパクトな樹形を保てます。

【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる