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花も実も美しい! 冬の青空を背景に、たわわになる「センダン」の実

2023.01.08

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365日 花散歩に出かけよう 日々、何気なく歩く道や街で出会う花や花木の名前がわかれば、もっと散歩が楽しくなります。ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが、季節の花や花木を毎日紹介。住宅街でも見つかる身近な植物や、人気の園芸品種もピックアップ。栽培のコツも紹介します。一覧はこちら>>

センダン


センダン
実の色は正確にはまっ白ではなくオフホワイト。1月上旬の様子ですが、まだまだたくさん実が残っています。澄んだ青空抜けにこの木を見上げるのがとても好き。

■属科・タイプ:センダン科の落葉高木
■花期:5月〜6月 実の観賞期:10月〜翌年2月

冬の澄んだ青空を背景にたわわになる白い実を見に行こう!


毎年この時期になると近くの公園にセンダンの木を見に行きます。公園の入り口でシンボルツリーのようにそびえるセンダンには、秋〜冬の間白い実がたくさんなっているのです。秋にはまだ葉が落ちきらないので実も隠されますが、今頃だとすべての葉が落ち、白い実だけが残る景色が楽しめます。秋から冬にかけて、赤い実は種類豊富にありますが、白い実はそれほどなく、たわわに実る白い実を見るのはとても新鮮な気がします。

しかし、毎年不思議に思うのです。この時期にこれだけ実が残るって、鳥たちは食べないのだろうか、と。調べてみると、ヒヨドリ、ムクドリ、カラスなどが食べにくる、とされていて、どの鳥も近くに結構な数がいるのですが、なぜかこのセンダンの木に多く鳥が止まり、実をついばむ姿を見かけたことがありません。近くにもっとおいしい実があるのでしょうか。おかげで、のんびりと実を観賞できるので助かるのですが…。

高木なので、下から見上げるように実を眺めるのですが、その際にすき間から抜ける冬の空のなんと青くて美しいこと! それを写真に収めたくて、よく晴れた日に見に行くことにしています。

さて、センダンの楽しみは実だけではありません。じつは5月〜6月に咲く花がとても美しいのです。その時期にはトネリコに似た細い葉がたくさんついているので、花が見えにくいのですが、5弁の淡い紫色の花が房になってたくさん咲いています。

藤色を少しくすませたようなしゃれた花色は、センダンの古名の楝(あふち)にちなみ、楝色と呼ばれています。『枕草子』では清少納言が「木のさまにくげなれど、楝の花いとをかし」と綴っていて、その光景がそのまま現在も見られることに驚きました。

暖かい場所を好むので、関西以西に広く分布しているそうですが、もしセンダンを見つけたら、花の時期、実の時期と訪ねてみてください。なお、センダンの実は人間の体には有毒な成分を含むので、絶対に口にしないようにしてください。

センダン
センダンの繊細な花をご覧ください。楝は少し渋い藤色ですが、実際の花色はかなり淡く、白に近い場合もあります。かなりの高木なので、カメラがないとここまでアップでかわいらしさを見ることはできないのですが…。

栽培の難易度


栽培の難易度 ★★★☆☆

日当たりがよく、肥沃な土壌に苗木を植えつけます。植えつけ時に元肥を施せば、追肥の必要はなく、水やりも雨まかせでかまいません。自然樹形できれいに整うので、強い剪定はせず、枯れ枝や古い枝を取り除く程度にします。成長が早く、すぐに高くなるので、スペースを確保できるかどうかの検討も必要です。また、苗木で植えた場合、花がたくさん咲くようになるまで5〜6年ほどかかります。

【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる

高梨さゆみ/Sayumi Takanashi

イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。
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