花旅・庭めぐり

寒さに負けずに咲くサクラ。秋〜冬に咲く「十月桜(ジュウガツザクラ)」

365日 花散歩に出かけよう 日々、何気なく歩く道や街で出会う花や花木の名前がわかれば、もっと散歩が楽しくなります。ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが、季節の花や花木を毎日紹介。住宅街でも見つかる身近な植物や、人気の園芸品種もピックアップ。栽培のコツも紹介します。一覧はこちら>>

ジュウガツザクラ

ジュウガツザク

ジュウガツザクラは、ソメイヨシノに比べると花弁が細いのが特徴。花色は白を基本に淡いピンクが混じります。

■属科・タイプ:バラ科の落葉高木
■花期:10月〜翌年1月

蕾の約3分の1はこの時期に咲きます!

散歩の途中で「えっ、こんなに早くサクラ!季節はずれじゃない?」という木に出会ったら、それはジュウガツザクラかもしれません。十月桜と漢字で書くと特徴が伝わりやすいと思います。ジュウガツザクラはエドヒガン(江戸彼岸)系のコヒガン(小彼岸)系の種類といわれ、花名のとおり10月くらいから咲き出し、年を越して1月くらいまで楽しめます。ちょうど今頃は盛りの時期です。

盛りといっても、春のサクラのように幹が見えないほどたくさん咲くわけではありません。ジュウガツザクラは、蕾の約3分の1が秋〜冬にかけて咲き、残りの3分の2は春に咲く二季咲きなのです。

また、この時期に咲く花は小さめなので、どうしてもまばらな印象を受けますが、それでもこれから寒い季節を迎える前に、サクラが咲いているのを見かけると「春になったらもっとたくさん咲きますよ〜」という予告編を示されているようで、うきうきと心が弾んできます。

ジュウガツザクラも含め、秋〜冬に咲くサクラを総称してフユザクラとも呼びます。カンヒザクラ(寒緋桜)もその一つ。開花は1月〜2月で、ヒカンザクラ(緋寒桜)とも呼ばれます。

日本のサクラは固有種を含む15種の野生種があり、各地にある変種や園芸品種を加えると300種類以上あります。多くが3月〜4月に開花するので、サクラは春を象徴する存在になっていますが、じつは秋から冬、そして春と、さまざまな種類がリレーするように咲き、長い期間楽しめる花なのです。これからの花散歩では、寒さに負けずに咲いているサクラを探してみてください。

栽培の難易度

日当たりがよく、水はけがよい肥沃な土壌に植えつけます。植えつけ時に元肥を施せば、追肥の必要はありません。翌年以降は2月に株の周りに有機質肥料を施します。水やりは基本的には雨まかせでかまいません。

ソメイヨシノなど春に咲くサクラの場合は、落葉後の12月〜翌年2月に剪定を行いますが、ジュウガツザクラは開花が終わり、新葉が展開するタイミングで剪定します。枯れ枝や徒長枝、樹形を乱す方向に伸びた枝などをカットします。サクラは切り口が塞がりにくく、そこから病原菌が入ることがあるので、切り口に防護剤を塗って保護してください。

【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる

高梨さゆみ/Sayumi Takanashi

イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。

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