花旅・庭めぐり

その名にふさわしく、美しく存在感ある姿! まるで樹木のような「コウテイダリア」

365日 花散歩に出かけよう 日々、何気なく歩く道や街で出会う花や花木の名前がわかれば、もっと散歩が楽しくなります。ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが、季節の花や花木を毎日紹介。住宅街でも見つかる身近な植物や、人気の園芸品種もピックアップ。栽培のコツも紹介します。一覧はこちら>>

コウテイダリア

コウテイダリア
少し青みがかったクールなピンクの花が美しいコウテイダリア。草丈が高いので、青空に抜けたアングルで写真が撮れます。

■属科・タイプ:キク科の宿根草
■花期:11月下旬〜12月上旬
■草丈:1〜6m

皇帝の名にふさわしく、美しく存在感ある姿に見惚れる

華麗な花で秋の庭を盛り上げたダリアの季節がちょうど終わる頃、新たに咲き出すダリアがあります。学名はダリア・インペリアリス。日本ではそれを訳したコウテイ(皇帝)ダリアという名で呼ばれます。皇帝の名にふさわしく、堂々たる姿で咲き誇るダリアは、たしかに花はダリアですが、環境が適していると、5mを超す草丈、それを支える木質化した太い茎と、この間まで庭で咲いていたダリアとは異なり、まるで樹木のようなダイナミックな草姿です。

ダリアの原産地のメキシコから中米にかけて、茎が木質化するダリアは3種あり、ツリーダリアと呼ばれています。その中でもとくに茎が太くなるのがコウテイダリアですが、ツリーダリアを訳した木立ダリアの名でも呼ばれています。

コウテイダリアは短日植物で、日が短くならないと花芽が形成されません。そのため開花が遅く、晩秋になって咲き出すというわけです。なお、近くに街灯があったり、室内の灯りがよく届く位置にあると、その明るさで花芽をつけないこともあります。

観光ガーデンでも、そろそろ冬季の閉園に入るこの時期に、庭の季節の最後を飾るように咲き誇るコウテイダリアの存在感ある姿を見ると、毎年その大きさに驚くと同時に、今年も最後に美しい花を見せてくれてありがとう、という植物に対する感謝の気持ちがわいてくるのです。

なお、ダリアは霜に弱く、霜が降りると球根が傷んでしまいます。寒冷地では降霜が早いので、花期を迎える前に霜が降りてしまうことも多く、地植えでの栽培は難しいため、大鉢で霜が当たらないように管理して栽培されます。

コウテイダリア
透明感のある淡いピンクの花は、寒くなり始めた季節の空気によく似合います。ほかに淡い紫色や白の花色もあります。

栽培の難易度

栽培の難易度 ★★☆☆☆

苗が出回るのは2月〜4月です。日当たりがよく、強い風が当たらない場所に植えつけます。植えつけ時に元肥を施せば、庭植えの場合はその後の追肥は必要ありません。水やりは土が乾いてきたらたっぷりと与えます。草丈が高くなり始めたら、株の周囲に数本の支柱を立ててしっかり支えるようにします。新芽が伸びてくる6月くらいから8月中旬までの間に摘芯を繰り返し、草丈を短く切り戻すと高さを低めに抑えることができます。

【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる

高梨さゆみ/Sayumi Takanashi

イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。

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