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「シュウメイギク」のふわふわの綿毛に秘められた、植物の生き残り戦略とは?

2022.11.21

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365日 花散歩に出かけよう 日々、何気なく歩く道や街で出会う花や花木の名前がわかれば、もっと散歩が楽しくなります。ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが、季節の花や花木を毎日紹介。住宅街でも見つかる身近な植物や、人気の園芸品種もピックアップ。栽培のコツも紹介します。一覧はこちら>>

シュウメイギクのシードヘッド


シュウメイギクのシードヘッド
シュウメイギクのシードヘッドはふわふわの綿毛。これは綿毛が少し広がってきた状態で、中に小さなタネが入っているのが見えます。

■属科・タイプ:キンポウゲ科の宿根草
■花期:8月中旬〜11月 シーヘッドの観賞期:11月下旬〜12月中旬

■草丈:30〜180cm

かわいらしい綿毛に隠された植物の戦略とは?


初秋の庭に華やかな彩りを添えるシュウメイギクについて、9月の記事で紹介しました。その最後に、11月になると綿毛に包まれたタネも見られますよ、と書き添えましたが、ちょうどそのシードヘッドが見られる時期になりました。フォトジェニックなシードヘッドなので、あらためて紹介します。

シードヘッドとはタネをつけた花がらのことです。シュウメイギクのシードヘッドはふんわりとした白い綿毛のような形状で、周囲の枯れ色の中で、この白がよく目立ちます。最初のうちはかたまりだった綿毛が、徐々にもこもこと広がっていくと花が咲いたように美しく、シードヘッドになっても楽しませてくれるシュウメイギクはすごいなーと感心させられます。

なぜ、シュウメイギクのタネは綿毛に包まれているのでしょうか? タンポポもそうですが、キク科の花にはシードヘッドが綿毛になるものが多くあります。これは軽やかな綿毛にタネを包むことによって、より遠くまで風で運ばれるようにという植物の生き残り戦略の一つです。もし今いる場所で枯れてしまう、または抜かれてしまうようなことがあっても、タネがつながっていくように、できるだけ遠く、広い範囲に風散布を図るわけです。

綿毛のシードヘッドを見つけたら、ただ、かわいらしいと写真に収めるだけでなく、そこにある植物のしたたかな生き残り戦略に思いを馳せてみてください。きっと咲いている花が少ない季節の散歩が、とても興味深いものになりますよ。

シュウメイギクのシードヘッド
アップで見るとタネがよくわかります。綿毛を風で飛ばしてタネを遠くまで運びます。

栽培の難易度


栽培の難易度 ★★☆☆☆

植えつけから開花までの管理は9月の記事をご参照ください。花後、シードヘッドを観賞したら、温暖地では12月下旬までに地際から5〜10cmのところで茎をすべてカットします。寒冷地では翌年の2月〜3月に切り戻します。春に葉が茂ってきたら緩効性肥料を施し、5月頃までに株をしっかり育てておくと花つきがよくなります。

【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる

高梨さゆみ/Sayumi Takanashi

イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。
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