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絶滅が危惧される「シオン」。『源氏物語』にも登場する着物の色に思いを馳せて

2022.10.08

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365日 花散歩に出かけよう 日々、何気なく歩く道や街で出会う花や花木の名前がわかれば、もっと散歩が楽しくなります。ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが、季節の花や花木を毎日紹介。住宅街でも見つかる身近な植物や、人気の園芸品種もピックアップ。栽培のコツも紹介します。一覧はこちら>>

シオン


シオン
平安時代から愛されている日本の伝統色、紫苑色はこの花色です。薄紫の部分の舌状花と、黄色の部分の管状花で形成されています。

■属科・タイプ:キク科の宿根草
■花期:9月〜10月

■草丈:50〜200cm

紫苑色の着物に思いを馳せて生で見たい!


漢字で書くと紫苑。中国での花名の紫苑がそのまま日本に伝わったものといわれています。シオンの原産地は中国、朝鮮半島、モンゴルからロシアにかけてですが、日本には古い時代に渡来し、かつては日本の各地で野生化していました。しかし、現在では自生している姿があまり見られなくなり、環境省のレッドリストで絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。観賞用に栽培されているものはあるので、散歩道で見かけることもできるかもしれません。

この時期の花として、シオンを取り上げたかったのは、日本の伝統色の一つに紫苑色があるからです。紫苑色とは少し青みがかった薄紫色のこと。もちろんシオンの花色が見本ですが、『源氏物語』など平安時代の文学にたびたび登場する色でもあります。とくに秋に着用される着物や襲(かさね)の色目として利用されていたそうで、平安時代の女性たちにとって、シオンの花色はファッションとして人気があったのだなあと想像すると楽しい気持ちになります。そんな話を聞いたら、シオンの花をぜひ生で見てみたくなりますよね。ノコンギクやアブラギク、ノジギクなど、野菊と呼ばれる花によく似ていますが、シオンの葉には切り込みがほとんど入らないので、葉を見て判断してください。

シオンの学名はアスター・タタリカス。晩夏から晩秋まで咲く宿根アスターの仲間です。現在出回っている宿根アスターは、北米原産の選別品種とその交配種がほとんどなので、宿根アスターとは別にご紹介しました。宿根アスターは別の日にご紹介しますので、お楽しみに!

栽培の難易度


栽培の難易度 ★★☆☆☆

日当たりがよく、風通しのよい場所を好みます。明るい日陰でも育ちますが、多少花付きが悪くなります。もともとは野生化するくらいなので、性質は丈夫。耐暑性も耐寒性もあり、病害虫の心配もほとんどいりません。植えつけ時に元肥を施せば、その後は追肥の必要もありません。やや湿り気のある土壌を好むので、雨が降らない日が続いたときには株元にたっぷりと水やりします。

【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる

高梨さゆみ/Sayumi Takanashi

イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。
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