花旅・庭めぐり

秋の到来を知らせる「キンモクセイ」の甘い香り。オレンジ色の花にも注目して

365日 花散歩に出かけよう 日々、何気なく歩く道や街で出会う花や花木の名前がわかれば、もっと散歩が楽しくなります。ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが、季節の花や花木を毎日紹介。住宅街でも見つかる身近な植物や、人気の園芸品種もピックアップ。栽培のコツも紹介します。一覧はこちら>>

キンモクセイ

キンモクセイ鮮やかなオレンジ色の小さな花が房になってたくさん咲きます。管理の手間がそれほどかからないので、個人邸やマンションの外周りの植栽によく利用されます。

■属科・タイプ:モクセイ科の常緑中木
■花期:9月中旬〜10月上旬

秋の到来を香りで知らせる花木です

朝起きてすぐにベランダに出て、かすかに甘~い香りを感じたら、キンモクセイの開花が始まったという知らせです。

何しろベランダから見える範囲で、キンモクセイの木が5本もあり、それが一斉に満開を迎えると、甘くて心地よい香りがあたりに充満します。

花の時期以外はこれといった見所のない花木ですが、この時期の香りで、そこにもあそこにも、キンモクセイがあったのだと存在感を示します。

2006年に日本植木協会がまとめた「香り樹木225選」では、香りの強さを6段階に分類しています。5m以上離れても香る木が「特に強い」とされ、20種類が選ばれた中にキンモクセイも含まれています。ちなみに同じレベルの香りをもつものに、クチナシやジンチョウゲ、スイカズラ、ロウバイなどがありますが、秋に花が咲いて香りが楽しめるのはキンモクセイのみです。原産地の中国では、キンモクセイの花を桂花と呼び、それを香りづけに利用した桂花茶や桂花陳酒は日本でもよく知られています。

香りのみが注目されがちなキンモクセイですが、常緑性で小さな葉が密に茂るため、垣根などの利用にも適していています。日陰でもよく育つので、北側の垣根に利用できるという大きな利点もあります。一年に一度、オレンジ色の花を咲かせて強い香りを放つ垣根、というのもなかなか魅力的だと思いませんか?

栽培の難易度

栽培の難易度 ★★☆☆☆

日当たりがよく、やや湿り気のある肥沃な土壌を好みます。耐陰性もあるので、明るい日陰であれば大丈夫です。キンモクセイは大気汚染に敏感で、空気が汚れた環境では花つきが悪くなるといわれています。葉の表面の汚れが原因の一つともいわれるので、花が咲く前の8月に葉水をして洗い流すのがおすすめです。剪定は新梢が伸びる前の3月に行います。強く剪定すると開花枝を失うこともあるので、古い枝や込み合った箇所を間引く程度に行います。

【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい ・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる

高梨さゆみ/Sayumi Takanashi

イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。

写真協力/PIXTA

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