花の名所

一生で一度は見ておきたい、京都・嵯峨野の紅葉名所

旬を愛でる花旅・庭めぐり(10)一度は見ておきたい京都の紅葉〜京都府・嵯峨野 二尊院と祇王寺

計算された紅葉と山里の自然な紅葉に心ときめく

「京都の紅葉が素晴らしいことはわかっているから……」。TV番組や雑誌でよく目にするので、実際には見たことがないのに、ずっと知った気になっていました。数年前から仕事で京都に通うようになり、「一度ちゃんと見ておこうか」と、紅葉の名所を訪れたとき、今まで来なかったことに心から詫びたいと感じました。

目の前にした紅葉は、圧倒的な迫力で私の心を捉えました。こういう心の高ぶりを「感動」と呼ぶのだと実感しました。

二尊院の本堂へ続く勅使門の紅葉。勅使門は、かつては天皇の使いだけが通れた格式の高い門。白壁とモミジの赤のコントランスとがとても美しい。

嵯峨野ならではの紅葉のすばらしさがある

それからは何年か続けて京都の紅葉を見てきました。もし今年の紅葉をどこで愛でるか悩んでいらっしゃるようなら、ぜひ一度、嵯峨野まで足を延ばすことをおすすめします。

京都の紅葉は、庭として計算された美しさといわれますが、嵯峨野には計算された紅葉と山里の自然な紅葉、その両方が点在しています。お寺からお寺へ、道を進むごとに異なる美しさの紅葉が出現し、ときめきが途切れることがありません。

私が個人的に好きな嵯峨野の紅葉の名所を2つご紹介いたしましょう。

二尊院

まずは嵯峨の小倉山、東麓にある二尊院です。総門をくぐるとまっすぐのびる参道は「紅葉の馬場」と呼ばれ、約100mの間に、モミジとサクラの色鮮やかな紅葉が続きます。総門、そして本堂に続く勅使門とも白壁造りで、それらの白とモミジの鮮烈な赤とのコントラストは、私にはとてもモダンに感じられました。

400年以上の歴史がありながら、今なおモダンであり続ける紅葉の景色はなかなか見られないと思います。

祇王寺

もう一つのおすすめは、二尊院から5分ほど歩いた先にある祇王寺です。ここは平清盛の寵愛を失った白拍子の祇王が都を追われるように去り、余生を送った尼寺です。竹林とモミジに囲まれたつつましやかな草庵は、庭がベルベットのような緑の苔で覆われていることでも有名です。

美しい新緑の景観は、晩秋の紅葉で大きく変化します。真っ赤に色づいたモミジの落ち葉が地面を埋め尽くすさまは、追われてもなお清盛に心を寄せていた祇王の心の内を表しているのではないかと想像し、なぜか切なさで胸がいっぱいになりました。

嵯峨野の紅葉は11月中旬から12月上旬が見頃になります。素敵なカフェや茶屋も点在しているので、ゆっくりと時間をかけて紅葉の里山の散策をお楽しみください。

祇王寺の鮮やかな「敷きモミジ」。

 

Information

二尊院と祇王寺

  • 二尊院

    ■所在地/京都府京都市右京区嵯峨二尊院門前長神町27
    ■アクセス/JR「嵯峨嵐山」駅下車。徒歩約15分。
    ■拝観料/大人500円
    ■拝観時間/9時〜16時30分(受け付け終了)
    ■休日/なし
    ■問い合わせ/075-861-0687
    ■ホームページ/http://nisonin.jp

     

    祇王寺

    ■所在地/京都府京都市右京区嵯峨鳥居本小坂町32
    ■アクセス/JR「嵯峨嵐山駅」下車。徒歩約20分。
    ■拝観料/大人300円
    ■拝観時間/9時〜17時(16時30分受け付け終了)
    ■休日/無休
    ■問い合わせ/075-861-3574
    ■ホームページ/http://www.giouji.or.jp

高梨さゆみ/Sayumi Takanashi

ガーデニングエディター

イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。現在は、種苗会社の会員向け月刊誌のほか、園芸雑誌などの編集に携わる。

写真/すべてPIXTA ※祇王寺のぎの字は、示へんに氏です。

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