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藤田美術館を愛する3人が語るその魅力とは?誰もいない展示室で特別な鑑賞会!

蔵の展示室を惜しみながら新たな美術館へ思いを馳せる

藤田美術館 蔵の展示室

展示室内観
正面右/虚空蔵菩薩坐像(こくうぞうぼさつざぞう) 正面中/当麻曼荼羅(たいままんだら) 正面左/重要文化財 普賢十羅刹女像(ふげんじゅうらせつにょぞう) 手前右/長次郎赤楽茶碗 銘 恩城寺(おんじょうじ) 手前左/黒楽茶碗 銘 千鳥(ちどり)

藤田 築約100年、美術館として63年使われてきた蔵の展示室ですが、何しろ古い建物なので、空調設備がないなど、マイナスの要素も多くありました。けれども、他人の家の蔵に入って、こっそり観ているという感じが好き、といってくださるかたもいらっしゃって。

 さまざまな美術館に足を運んでみて思うことは、現代的な展示空間と比べると、この展示室はむしろ宝探し的な楽しさや味わいがありますよね。作品との距離感もよく、じかに向き合える感じがします。

藤田 設備がないので、照明で演出することもできず、ごまかしが利かないんですよね。

戸田 館長が照明を手作りしたり(笑)。でも、だからこそ、素直に作品を観られる空間です。お茶碗は特に、やはり手の中で観られることが最上級なので、それを展示ケースに入れて鑑賞するということに、どうしても矛盾が生じてしまう。そこが今後の大きな課題ですよね。

 茶室は、作品を生かす空間なんですね。ちょっとどうかと思うようなものでも、いいものと一緒に並んでいると、引き上げられてよく見えることがあります。逆に展示ケースの中に置くと、アカンわ、となってしまう。より厳しい環境です。

戸田 そう考えると、お茶会ってすごいですね。本物をじかに観ることができて。

展示室隣の蔵の収蔵庫内観

展示室隣の蔵の収蔵庫内観。ここに所蔵品が収められていた。

藤田 リニューアル後も、作品と近い関係でいられる展示室を目指したいと思っています。

 いっそガラスに穴を開けて、手が入るようにしますか(笑)。

藤田 目を閉じて触って、「む、千鳥!」って当てるんですか(笑)。

 お茶碗をふせて観せる“高台デー”とか。

藤田 面白そう! 今後はさまざまな企画を考えていきたいですね。

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