美味を旅して
2017/06/15
緑深き山に抱かれるように建つ「ロテルド比叡」。そこは琵琶湖を始めとした近江の食、そして比叡山が育んだ文化をストレートに享受できる、大人のための静かなオーベルジュでした。
「発酵」文化を上手に取り入れてきた近江の国の知恵を学ぶ
近江の国が日本茶のふるさとと言われていることをご存知でしたか。 およそ1200年前に遣唐使として海を渡った最澄が日本に持ち帰った3つのうちの1つとされるのが、お茶。 最澄のふるさとである琵琶湖沿いの小さな、そして趣の残る町・坂本には、お茶の種を初めて植えて育てた、という茶園も残っているのだとか。 比叡山延暦寺に隣接した「ロテルド比叡」にチェックインしたら、まずはお茶のテイスティング(「発酵ガストロノミーその1」)で そんな歴史を身近に感じてみてはいかがでしょうか。
サロンに用意されているのは、近江土山で作られた「本ほうじ茶」「熟成ほうじ茶」「完熟ほうじ茶」の3種類。 未発酵、半発酵、発酵させたそれぞれの茶葉をほうじて、香りやコク、風味の違いを体感します。 そう、「発酵」は近江の国の、そして日本の食文化に欠かせないキーワード。
「ロテルド比叡」に滞在すると、お茶のテイスティングに始まり、ワインセミナー、レストランでいただくディナーに朝食と、さまざまな形の「発酵」に触れることができるのです。 あまりに日常的で普段は深く掘り下げる機会のない「発酵」について考える、いいチャンスかもしれません。
「発酵ガストロノミー」その2は専任のソムリエによる「ワインティスティング講座」。 ディナータイムの前に、赤ワイン3種を味わいながら、今度は葡萄の発酵や熟成を学びます。
好みのワインの見つけ方なども教えてもらいながらの30分。 ちょっぴりワインもいただいて、そろそろお腹もすくころです。 お待ちかねのレストラン、「ロアゾブルー」に向かいましょう。
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