あのチョコレートにそっくり？鮮やかな花色で目をひく花木「カルミア」

カルミア

鮮やかなピンクのかわいらしい花がかたまって咲きます。多いときには50輪くらいかたまり、ボリューム感のある花房が遠目にもよく目立ちます。

■属科・タイプ：ツツジ科の常緑低木
■花期：5月〜6月

サクラの返礼品としてアメリカから贈られた花木です

鮮やかな濃淡ピンクや白の花色でこの時期に目をひく花木、カルミアをご存じでしょうか。カルミアといえば特徴的なのが蕾です。その形はよく金平糖にたとえられますが、皆さま、この蕾にそっくりのチョコレートを見たことがあるのでは？

1969年に発売された「アポロ」です。発売の少し前にアメリカの宇宙船アポロ11号により人類初の月面着陸が達成されたことから名付けられ、現在でも人気のチョコレート。カルミアの蕾を見るたびに、形も質感もそのチョコレートにそっくりだと感じます。

さて、その蕾から開く花もまた個性的な形をしています。5枚ある花弁は一つにつながっていて先端が浅く裂けているので、上から見ると五角形に見え、ふっくらした形が傘のようにも見えます。その花がいくつも集まって房になり、枝にポンポンとつく様子がまたかわいらしく感じられます。



かわいらしいピンクの蕾をご覧ください。金平糖にも、チョコレートの「アポロ」にも見えます。

原産地はアメリカ東部で、コネチカット州とペンシルバニア州では州花に指定されています。スマートな葉がシャクナゲに似ていることからアメリカシャクナゲの和名もあります。

渡来したのは1915年（大正4年）のこと。東京都がアメリカにサクラを贈ったお礼として、アメリカからハナミズキが届いた話はよく知られていますが、じつは返礼品の中にはカルミアも含まれていたともいわれています。

一般的に栽培されるようになったのは昭和時代の中頃からで、日本での栽培の歴史はまだ浅い花木です。その分、観光ガーデンや散歩道で見かけるたびに新鮮な印象を受け、開花の時期をとても楽しみにしています。

栽培の難易度

耐暑性がやや弱いので、夏の直射日光を避けられる場所、または明るい日陰で、水はけのよい土壌を選びます。植えつけ時に元肥を施し、たっぷり水やりします。幼木の間は土壌が乾いたらたっぷり水やりしますが、成木になれば水やりは雨まかせでかまいません。乾燥を避けるために株元を腐葉土でマルチングしておきます。終わった花がらは花茎の根元から摘み取ります。樹形が乱れた場合は、開花中でも剪定します。長く伸びすぎた枝を切り、込み合っている箇所を透かすようにします。翌年以降は2月に緩効性肥料を施します。

【難易度】
★　容易・初心者向け
★★　標準・初級〜中級者向け
★★★　少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★　難しい・上級者向け
★★★★★　栽培環境が限られる