日々の暮らしが楽しくなる。実がなる花木「ジューンベリー」

ジューンベリー

ジューンベリーは、葉が展開する前に小さな白花を咲かせます。神奈川県の観光ガーデンでは、開花が早く4月中旬にはこれくらい咲いています。

■属科・タイプ：バラ科の落葉中木
■花期：4月中旬〜5月上旬

■草丈：40〜50cm

白花、赤い実、紅葉。見所が多いのが人気の理由です

6月に実がなるからジューンベリー。ブルーベリーやラズベリー、ブラックベリーも6月に実がなりますが、ジューンベリーという英名の響きがとても素敵で、この木だけ何か特別にしゃれた印象を感じてしまいます。

和名は属名をとってアメリカザイフリボク。あれれ？和名を聞くとなんだかロマンチックな雰囲気がなくなってしまう気が…。

ジューンベリーは北アメリカ原産ですが、ヨーロッパやアジアにも分布していて、世界的にもとても人気のある花木です。サクラが終わる頃、まだ葉が展開する前に白い清楚な花を咲かせます。

花自体は小さく地味な印象ですが、そこそこ樹高のある木が白い花でいっぱいになると見応えがあり、遠目にも目立つので、何が咲いているのか近づいてみたい気持ちになります。


6月中旬には実が熟して赤くなります。収穫は鳥たちと競争です。明るい葉色も魅力です。

そして、花後に展開する葉がまた丸みのある形でかわいらしい！葉色が明るいのもよく、葉が茂ってきた中で実が赤く熟す景色はとても魅力的に感じられます。

ジューンベリーをシンボルツリーとして庭に植えている友人がいて、毎年6月にこの実をたくさん収穫し、ジャムにして楽しんでいます。しかし、収穫を楽しみにしているのは友人だけではなく、「あと3日くらいで収穫かな」と予定を立てていると、その直前に鳥たちに食べられてしまうこともしばしばだそうです。

「鳥たちも、収穫時期を予測しているのよ。それが私の予測より少しだけ早いのが頭にくる」と悔しがっていましたが、鳥に食べられることも含めてジューンベリーの楽しみだと感じているようです。実がなる花木が1本あるだけで、日々の暮らしは楽しくなるのですね。

ジューンベリーは秋には美しい紅葉を見せてくれ、四季折々に魅力的なシーンを楽しませてくれるため、最近では人気のシンボルツリーとなっています。この時期に白い花を楚々と咲かせる木を見かけたら、ぜひ6月にも見に行ってみてください。

栽培の難易度

耐暑性・耐陰性ともに強く、丈夫な性質です。年数が経つと樹高が出るので、ゆとりのあるスペースを選びます。日当たりがよく、水はけのよい場所に植えます。植えつけ時に元肥を施せば、追肥の必要はありません。翌年以降は、1月〜2月に緩効性肥料を株元に施します。水やりは雨まかせでかまいません。ただし、幼木の間は土壌が乾いたら水やりをします。

自然に樹形が整うので、強い剪定は必要ありません。落葉期に枯れ枝を切り落とし、込み合っている箇所を透かすように枝を抜く程度でかまいません。

【難易度】
★　容易・初心者向け
★★　標準・初級〜中級者向け
★★★　少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★　難しい・上級者向け
★★★★★　栽培環境が限られる