美しいグラデーションに一目ぼれ！ この時季にも花が咲く「ナデシコ」の品種を知っている？

ナデシコ‘ケンジントンミックス’

ダークな赤紫からピンク、濃淡ピンク、白地に斑入りまでのグラデーションがラブリー！　ピンクが好きな方にはたまらない花色です。

■属科・タイプ：ナデシコ科の一年草
■花期：10月〜翌年1月、5〜7月

■草丈：40〜60cm

素敵なピンクのグラデーションにひと目惚れ！この時期にも出会えます

草花のタネや苗のカタログを見るのが好きで、いろいろな種苗会社のカタログを取り寄せています。ある年の秋まきの花タネを見ていたとき、小さな写真に目が釘付けになりました。こういうのをひと目惚れというのだと思います。

それはナデシコの‘ケンジントンミックス’という園芸品種。よく見るナデシコに比べると花弁の切れ込みが深く、なによりダークな赤紫から淡いピンク、白までのグラデーションがとても美しいのです。さらに、花弁の縁に白が入るもの、白地に濃いピンクの斑が散るものなど、色の入り方もバリエーション豊富。そのまま束ねてブーケにしたいくらいのかわいらしさです。

いつかどこかの庭で出会えるかなと期待していたら、神奈川県にある観光ガーデンで咲いているのを見かけました。それはカタログの写真よりずっと優しい花色で、冬枯れの景色の中でそこだけ特別に華やいでいるように見えました。そして、しばらく魅入った後に気が付きました。「え？でも今は12月でしょ。ナデシコがこんな時期に咲く?」

ガーデナーさんに尋ねると、それは夏にタネまきして育てた株で、温暖地の暖かな気候では1月くらいまで花が咲き続けるのだそうです。

ダイアンサスの学名でも知られるナデシコはとても種類が多く、宿根草タイプ、一年草タイプがあり、多くは春〜夏に花を咲かせますが、なかには四季咲きのタイプもあります。温暖地では秋まき、寒冷地では春まきで栽培するのが普通ですが、この‘ケンジントンミックス’は夏〜秋まきで、温暖地では夏にタネまきすると年内に花が咲くこともあります。この品種は耐寒性の一年草で、花芽の分化に低温を必要としない早生品種なのだそうです。

私がひと目惚れしたように、多くの方がこの花に魅了されたようで、最近では観光ガーデンのみならず、個人邸の外周りの花壇で咲いているのも見かけるようになりました。もちろん春〜初夏のほうが見かける回数は圧倒的に多いのですが、夏まきで栽培した苗を利用してこの時期に咲かせているお宅もあります。冬の花散歩でこの花に出会えたらとてもラッキー！　そんな期待にわくわくしながら冬の間も花散歩を続けています。


どの花色もかわいらしいのですが、とくに私が気に入ったのが白地に濃淡ピンクが入るこの色合い。切れ込みの深い花弁のせいか、一般的なナデシコより華やかな印象を受けます。

栽培の難易度

日当たりがよく、水はけのよい土壌に植えつけます。植えつけ時に元肥を施し、株が育ってきたら月に1度くらい薄めに希釈した液肥を株元に注ぎます。乾燥には比較的強いものの、水切れすると開花が続かなくなるため、表土が乾いたらたっぷりと水やりします。初夏〜夏には株の中が蒸れやすくなるので、終わった花がらや黄色くなった葉はこまめに摘み取るようにします。

【難易度】
★　容易・初心者向け
★★　標準・初級〜中級者向け
★★★　少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★　難しい・上級者向け
★★★★★　栽培環境が限られる