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別の花の姿に変身することも!? 日本の固有種の野生菊「磯菊(イソギク)」

2022.10.30

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365日 花散歩に出かけよう 日々、何気なく歩く道や街で出会う花や花木の名前がわかれば、もっと散歩が楽しくなります。ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが、季節の花や花木を毎日紹介。住宅街でも見つかる身近な植物や、人気の園芸品種もピックアップ。栽培のコツも紹介します。一覧はこちら>>

イソギク


イソギク
鮮やかな黄色の小さな花をたくさん咲かせるイソギク。白い縁取りがあるように見える葉も普通のキクより小さくてかわいらしい印象です。

■属科・タイプ:キク科の宿根草
■花期:10月〜12月

■草丈:20〜50cm

黄色の花も小さな花も愛らしいキクです


イソギクは漢字で書くと磯菊。海岸の崖や岩場などに自生する日本の固有種の野生菊です。江戸時代から栽培が始まったといわれ、現在では個人邸でも栽培されていて、私のよく通る散歩道でも晩秋まで咲いているのを見かけます。

鮮やかな黄色の花は、筒状花のみで構成されていて、一般的なキクのような花弁(舌状花)がないのが特徴です。葉も普通のキクとは少し異なり、小さくて縁に白い縁取りがあるように見えます。この縁取り、じつは葉裏に密生している白い短毛がはみ出しているだけで、斑が入っているわけではないのですが…。



イソギクの花は筒状花の集合。ポンポンみたいな花が愛らしい印象です。

さて、イソギクとして庭で育てていたら、数年たったら花が変わってしまった、という経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。キクは他の種類と自然交配しやすく、とくにイソギクは交配して筒状花の外側に花弁が生じることがあります。このように変化した花はハナイソギクと呼ばれています。

花弁は黄色のこともあれば、白のこともあり、とくに白の花弁がつくと、コギクのような雰囲気で「変わってしまった」という印象が大きいと思います。なお、自然交配で草丈が高くなる場合も多く、花だけでなく、草姿も少し雰囲気が変わります。



イソギクを栽培しているうちに自然交配で、白い花弁が生じた花。これはハナイソギクと呼ばれます。変わってしまった花もまたかわいらしい!

イソギクとハナイソギク、どちらも楚々とした花姿に野趣があり、個人的には自然交配で変わることも含め、栽培してみたい花です。友人の庭には白い花弁が生じたハナイソギクがもりもりと育っていて、花の時期には少し摘み取ってアレンジに利用するそうです。切り花として出回ることがほとんどないので、いつも羨ましく思っています。

栽培の難易度


栽培の難易度 ★★☆☆☆

日当たりがよく、水はけのよい土壌に植えます。植えつけ時に元肥を施せば、その後の追肥は必要ありません。もともと岩場のような場所に自生するので、乾燥ぎみの環境を好みます。よほど土がからからに乾かない限り、水やりもしなくて大丈夫です。生育がとても旺盛なので、大きくなりすぎるようなら、4月〜5月くらいに株分けをします。

【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる

高梨さゆみ/Sayumi Takanashi

イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。
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