修造画報

東京2020パラリンピックのメダルを手がけた、デザイナー松本早紀子さんにインタビュー

松岡修造の東京2020への道 届け!熱い思い

今回のゲストは本連載史上最年少、30歳のデザイナー、松本早紀子さんです。栄えある東京2020パラリンピックメダルデザイナーとなった松本さん、松岡さんのどんな質問にも、おっとりとした笑顔で一つ一つ丁寧に回答。「ご自分の考えをしっかりお持ちですね!」と松岡さんも感心しきりの様子でした。

松本さんと松岡さん

松本さんが勤める博報堂プロダクツのお洒落な社員食堂にて撮影。折り紙のメダルは、松本さんが折って松岡さんが文字を書いた合作で、撮影後は松本さんのもとへ。「いただいていいんですか? 母が松岡さんの大ファンなので喜びます!」。

第21回
デザイナー 松本 早紀子さん

松本 早紀子さん

「デザインが採用されて嬉しかったのは、たくさんの人が喜んでくれたことです。北海道の親戚はお祝いに海産物を送ってきてくれました」。

松本 早紀子さん SAKIKO MATSUMOTO

1989年千葉県生まれ。2014年に多摩美術大学美術学部グラフィックデザイン学科卒業。現在、博報堂プロダクツ プレミアム事業本部プロダクトデザイン部プロダクトデザインチーム デザイナー。ファストフード店の子ども向け玩具や、住宅メーカーの来場者向け販促グッズなどのデザインを担当している。東京2020大会のメダルデザインに応募し、パラリンピックのメダルデザインが全214作品の中から採用された。

「思い出になれば」とコンペティションに応募

松岡 早紀子さんは普段どのようなお仕事をされているのですか。

松本 主に販売促進物、たとえば何かの商品を買ったときにもらえるおまけなどをデザインしています。

松岡 夢のあるお仕事ですね。今回のメダルのデザインは、会社からの指令で応募されたんですか。

松本 そうではありませんが、上司からデザインチームに、こういうコンペがあるから参加してみればという話があって、「思い出になれば」という感じで応募しました。

松岡 思い出? 絶対狙うぞ! という感覚ではなかったんですか。

松本 絶対無理だろうと思いながら、でも、せっかくなら、ちゃんと受け取る人のことを考えたデザインにしたいと思いながら作りました。

松岡 選考結果はどのように知らされたんですか。

松本 まず、最終選考に残ったというお電話があり、その2〜3か月後に決まりましたとお電話をいただきました。いずれも仕事中ですぐには実感が湧かず、「あ、ありがとうございます」という感じでした。そのとき、発表までは誰にも話さないでくださいといわれて、それからずっと黙っていました。

松岡 うわ〜、それは大変ですね。どのくらいの期間ですか。

松本 1年くらいだったと思います。親にもいえませんでした。

松岡 親御さんにもですか! じゃあ、発表された日は嬉しかったでしょう。みんなに話しました?

松本 自分からはいいませんでした。

松岡 なぜですか? やっと話せるようになったのに。

松本 なんか恥ずかしくて……。発表の翌日、会社に行ったら、誰にも何もいわれなくて。

松岡 誰にも何も、ですか?

松本 1人だけ「すごいじゃん!」と声をかけてくれた先輩がいて、それを耳にした直属の先輩が「何かやっちゃったの?」って。

松岡 しでかしちゃったの?というニュアンスですか?

松本 はい(笑)。「パラリンピックのメダルを作らせていただくことになって」と答えたら、「どういうこと!?」と、みんなが一斉にパソコンで検索し始めて、「本当だ!」となって。そのあとは、みんながどんどん広めてくれました。

松岡 職場の人たちにとっても誇りですからね! それにしても、早紀子さん本人に聞くより先に検索とは、時代を感じますね。

Ranking今週の人気記事 ベスト5

家庭画報 最新号

2020年8月号 7月1日発売

創刊750号記念

一部地域は輸送の関係で発売が遅れる可能性があります。

© SEKAI BUNKA PUBLISHING INC. All rights reserved.

Loading