修造画報

仲間と交わり、気持ちよく汗をかく。それこそが人と人とをつないでくれるスポーツ最大の魅力です/日本オリンピック委員会会長 山下 泰裕さん

松岡修造の東京2020への道 届け!熱い思い

山下泰裕さんといえば、国民栄誉賞も受賞されている柔道界のレジェンド。現在は日本オリンピック委員会(JOC)会長として大会の準備に奔走されています。そんな山下さんが旧知の松岡修造さんに語ったのは、選手たちへの熱いエールとスポーツ振興にかける思い。柔和な笑顔から力強い言葉が次々に飛び出しました。

修造画報

JOCと日本スポーツ協会のビル、Japan Sport Olympic Square前で握手をするおふたり。おなじみの五輪マーク(オリンピック・シンボル)は、アジア、ヨーロッパ、アフリカ、南北アメリカ、オセアニアの五大陸を象徴しています。松岡さん・スーツ、シャツ、靴/紳士服コナカ

第18回
日本オリンピック委員会会長 山下 泰裕さん

山下さん

「大変だろうといわれますが、会長になれたのは50年に一度の巡り合わせ。ありがたいと思わなかったら、バチがあたります」と話す山下会長。

山下 泰裕さん YAMASHITA YASUHIRO

1957年熊本県生まれ。9歳で柔道を始める。19歳10か月の史上最年少で全日本選手権初優勝。その後、9連覇を達成。84年ロサンゼルスオリンピックでは右足を負傷しながら男子無差別級で金メダルに輝く。同年、国民栄誉賞を受賞。203連勝中の85年に現役を引退。現在、東海大学副学長、全日本柔道連盟会長。日本オリンピック委員会常務理事・選手強化本部長を経て、2019年6月に同会長に就任。柔道界、スポーツ界のため尽力を続けている。

自分らしく生き、会長の役割をまっとうしたい

松岡 JOC会長という重責を担われて5か月ほど(取材時)になりますが、どのように過ごされていますか。

山下 まず、心身のコンディションをよく保つことを心がけています。周りに与える影響が大きい立場ですから、疲れた顔やため息をつく姿は見せないようにしませんとね。

松岡 なるほど。僕は元気なイメージがあるおかげで、人前に出ると自然と元気になるのですが、会長はどのようにして心身を整えていらっしゃるのですか。

山下 ありのままの自分を認めて、許して、愛すること。そして、今の自分より少しでもよくなりたいと思う気持ちを大事にしています。

松岡 会長の場合、ありのままでいることが難しいように思えます。ロサンゼルスオリンピックの金メダリストで国民栄誉賞受賞という輝かしい経歴を誰もが知っていますから。

山下 金メダリストらしくとか、国民栄誉賞にふさわしく、といった気持ちはないんです。自分らしく生きたい、請け負った役割をまっとうしたい。それだけです。もちろん、東京2020大会前にJOC会長になったことの責任の重さは痛感していますし、自国開催のオリンピックをなんとしても成功させたい。そのために、たくさんの人の力をお借りして準備を進めているところです。自慢するのもなんですが、私は自分の足りないところを人に補ってもらうのが得意なんですよ(笑)。

松岡 それは会長のご人徳ですね!

「選手たちにはいきいき、のびのび、自分の夢に挑戦してほしい」 ── 山下さん

松岡 ではJOC会長として、何を大事にされていますか。

山下 今は2つのことを大事にしています。1つは、さまざまな役割を担う人たちが“チームジャパン”として1つになること。もう1つは、選手が輝ける環境を整えること。オリンピックの舞台に立てるというのは非常に恵まれたことです。代表に選ばれた選手たちには、感謝の気持ちを持って、いきいき、のびのび、自分らしく夢にチャレンジしてほしい。願わくは大輪の花を咲かせてほしい。たとえ失敗しても、大舞台での経験はその後の人生に必ず生きます。周囲のプレッシャーなど気にせず、思い切り挑戦してほしいですね。

松岡 会長がおっしゃると、説得力が違います。代表選手の喜びも辛さも知り尽くした山下会長がつくる夢の舞台が心から楽しみです。

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