修造画報

我らが応援団長、松岡修造さん心のコラム 第8回「ラグビーワールドカップ2019が教えてくれたこと」

11月2日に閉幕したラグビーワールドカップ2019は、日本中に大きな熱狂と歓喜、一体感をもたらしました。世界中から集まった選手たちやファンからも高く評価されたこの大会を通じて、松岡さんが考えたこととは? 「ノーサイドジャパン」と「可能性」という、2つのキーワードで語ってくださいました。

ワールドカップ日本代表

アジア初開催となったラグビーワールドカップ2019。日本は目標としていたベスト8を見事達成し、世界を驚かせました。写真/長田洋平/アフロスポーツ

「ノーサイドジャパン」のおもてなし

ご覧になっていた方も多いと思いますが、ラグビーワールドカップ2019は素晴らしかった! 僕もわくわくしながら観ていました。

今回の大会は、自国開催の国際的なスポーツ大会という意味において、東京2020大会と同じ。僕が大会を通じて気づかされたのは、オリンピック・パラリンピックにつながる2つのキーワード。それは「ノーサイドジャパン」と「可能性」です。

敵味方の側(サイド)がなくなるという意味で、ラグビーで試合終了を指す「ノーサイド」。戦いが終わった瞬間から、敵味方なく互いをたたえ合う、ラグビーの高貴なスピリットを表す言葉でもあります。僕は、日本はもともとそのスピリットを持つ国、「ノーサイドジャパン」だと思うのです。

リーチマイケル

南アフリカ対戦後、ノーサイドで、お互いのプレーを称えあう日本代表キャプテン、リーチ・マイケル選手と南アフリカ代表キャプテン、シヤ・コリシ選手。写真/アフロ

現役時代、日本開催のテニストーナメントで、日本選手との対戦を終えたボリス・ベッカー選手からこんな質問されたことがありました。「どうして君の国の人たちは僕のことも応援してくれるんだ? 普通だったら完全にワンサイドだろう? 本当に嬉しいね」と。

彼が驚いたのももっともで、そんなことは海外ではまずありえないのです。たとえば、男子テニスの国別対抗戦であるデビスカップで、外国の観客が対戦国の選手に拍手を送ることはありません。でも、日本の観客は違います。対戦相手であっても、エースを決めれば、拍手! そこには素晴らしいプレーをした選手への称賛と敬意が込められています。

今回のラグビーの試合では、もちろん日本チームへの応援は多かったですが、一方で、対戦相手への尊敬の念も随所に感じられました。なかでも、観客が相手チームの国歌を歌ったことは国内外で絶賛され、僕も大きく心を動かされました。そうした日本らしいおもてなしをオリンピック・パラリンピックでもすることで、ノーサイドの精神、平和の大切さが世界中に伝えられると思っています。

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