修造画報

我らが応援団長、松岡修造さん心のコラム 第4回「開会式は日本が総力を結集してつくる壮大な舞台。必見です!」

東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会まで1年をきり、現在はパラリンピックの観戦チケットが抽選申込受付中です(9月9日午前11時59分まで)。そんななか、今回は松岡さんが「大好きです!」と力を込めて話す開会式がテーマです。テニスの日本代表選手として、スポーツキャスターとして、数多くの開会式を観てきた松岡さんが思う、その醍醐味とは?

ロンドンオリンピック

世界的にも評判が高かった、2012年のロンドンオリンピック開会式。写真:ロイター/アフロ

選手時代に味わった「世界中から応援されている!」という感覚

僕は現役時代、1988年のソウル、1992年のバルセロナ、1996年のアトランタという3つのオリンピックに出場する機会に恵まれました。そのうち、足を怪我していたために参加できなかったバルセロナ以外の2大会は開会式に参加しています。

その開会式で一番印象に残っているのは、スタジアムの中で聞いた大歓声です。満員の客席から送られる温かい歓声や拍手に包まれたとき、「世界中から応援されている!」と感じ、感動しました。それはオリンピックに参加していること自体を歓迎され、応援されている、という感覚です。

開会式に参加したことで、オリンピック出場という夢が叶ったという実感が湧き、自分の人生において一つの勝利を手にしたんだ、という満たされた気持ちになりました。もしかしたらそれは、僕がメダルを狙えるような選手ではなかったからかもしれませんが、そのくらい気持ちが高ぶったのです。

アトランタオリンピック

松岡さんも参加した1996年アトランタオリンピックの開会式。Photo by Getty Images

バルセロナ大会のときは選手村のテレビで、僕と同じく開会式に参加しなかったほかの選手たちと一緒に観ましたが、それもいい思い出です。「参加しなかった選手」と書きましたが、開会式と閉会式には、すべての選手が参加するわけではありません。

オリンピック・パラリンピックはそれぞれ10日以上にわたり(東京2020大会はオリンピックが17日間、パラリンピックが13日間)、出場する試合の日程によって選手たちが現地入りするタイミングもいろいろ。現地にいたとしても、翌日に試合を控えている場合などはコンディションを考え、参加を見送ることも少なくありません。そんな事情から、リオ大会では、開会式の途中でスタジアムの外へ抜けられるルートが用意されていました。

選手村で開会式を観たときの話に戻ると、みんな、「こんなに集中して観るのか!?」と驚くほど熱心に観ていました。やはり、できることなら参加したかったのでしょう。開会式は長時間ですし、夜遅くなる場合もあるので、試合のことを考えたら、絶対に出るべきとはいえませんが、より多くの選手が参加して、僕の味わった感動を体験してくれたらと思います。

007にロケットマン。忘れられない開会式の名場面

オリンピックの開会式は世界に対して、「今からオリンピックが始まりますよ。戦争でオリンピックが中断されてしまわないように、ここは世界中が心を一つにしましょう!」という平和へのメッセージが込められた式典です。

僕は開会式を観ながらいつも、「オリンピックは参加することに意義がある」という言葉の意味を噛み締めています。その時点では、開会式前に試合が行われる一部の競技は別にして、スタジアムに集まった選手全員が勝ち負けのついていない、同じ立場だから、特にそう感じるのかもしれません。

そして、僕は開催国が総力を結集して行う、壮大なミュージカルのような式典が大好きです! 何万人もの観客が入る大きなスタジアムを舞台に、最新の技術と情熱を注ぎ込んで、たった1回だけ行い、それが世界中に中継される……オリンピック・パラリンピックの開会はそれほど特別なものだと思います。

どの大会にも忘れられない名場面があります。2012年のロンドン大会で夜空から007が舞い降りたシーン、1992年のバルセロナ大会でアーチェリーの矢が聖火台に火を灯したシーン、1984年のロサンゼルス大会のロケットマンの演出も素晴らしかった。冬の大会では、浅利慶太さんが演出された長野オリンピックの五大陸同時の「第九」の合唱が忘れられません。

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